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2006年4月

2006.04.28

MVNO成功の鍵を握るのは?

ヨーロッパのMVNO関係者が口を揃えて言うのは、「MVNOで成功するには、販売網が重要」ということです。

MVNOとして、もっとも成功したケースは、イギリスのVirgin Mobile(加入者数は約400万人)ですが、これはVirginグループのレコード・ショップであるVirgin Mega Storeの店頭で携帯電話を販売することで、若い人を中心に加入者を増やしてきました。イギリスのスーパーのTescoも、すでにTesco Mobileのユーザーを数十万人獲得していますが、これもスーパーの店頭での販売が効果的だったからです。

また、対象とするユーザーのニーズにあった携帯端末やサービスを提供することも重要で、Virgin Mobileは、Virgin Mega Storeにレコードやビデオを買いにくる若い人、つまり、あまりお金を持っていない層に、比較的安い端末と、通話料金やSMSの安さでアピールしてきました。Tesco Mobileも、スーパーのTescoにくるお客さんが必要とする携帯電話を販売することで伸びたわけです。

また、MVNOだけでなく、携帯電話キャリアのサブ・ブランドにも言えることかも知れませんが、サービスや機能だけでなく、エモーショナルなアピールをするブランドを作ることも重要だと言えます。

デザインだけでなく、サービスやコンテンツも含めて、特定のスポーツ・チームのファンに向けた携帯電話とか、同好の士のための携帯電話とか、特定の地域に住む人たちのための携帯電話とか、いろいろ考えられると思いますが、いかがでしょうか。

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2006.04.26

【特別レポート】MVNOのユニークな事例

ヨーロッパでは、携帯電話キャリアのインフラを借りて、携帯電話事業を行うMVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)が数多く存在する。英国ロンドンで、25日に開催されたセミナー"MVNO Strategies & Markets Europe 2006" (主催:Informa Telecoms & Media)では、ヨーロッパのユニークなMVNOや、MVNOに応用できる携帯電話キャリアのサブ・ブランドの事例が紹介された。

●格安携帯電話・・・オーストリアの"YESSS!"

London_030 オーストリアには、5つの携帯電話キャリアと1つのMVNOがある。携帯電話キャリアのONEは、サブ・ブランドとして"YESSS!"を2005年4月に立ち上げた。YESSS!のJosef Mayer氏によると、YESSS!設立の狙いは、すでに飽和状態にあり、大きな成長が見込めないオーストリアの携帯電話市場で、格安の携帯電話サービスを提供することにあった。

そのため、YESSS!では、ユーザーの需要の高い、音声通話、留守番電話サービス、SMS(ショート・メッセージ・サービス)の3つのサービスに特化し、GPRS、MMS、データ通信などは提供しない。音声通話の料金も格安に設定されている。また、プリ・ペイド式のSIMカードだけを販売するため、ユーザーは、SIMロックされていない携帯電話を、中古ショップなどで購入する必要がある。

SIMカードの販売は、Hoferという食品スーパーに委託している。オンライン・ショップもあるが、ユーザー数の5%程度しか利用されていない。シンプルなサービスのため、カスタマー・サービスにも、あまりコストをかけなくて済むという。2005年末までに、20万人のユーザーを獲得している。

●トルコ人向けブランド・・・ベルギーの"ay yildiz"

London_031 ベルギーの携帯電話キャリアBASEは、ベルギーに住むトルコ人をターゲットにしたサブ・ブランド"ay yildiz"を立ち上げた。"ay yildiz"は、トルコの国旗(三日月と星)を意味するトルコ語。 ay yildizのサービスは、ベルギー在住のトルコ人が、トルコとつながりが深いことに配慮したもので、トルコ向けの通話が1分あたり0.35ユーロ、トルコ向けのSMSが1通0.15ユーロと、割安に設定されている。また、トルコ人の多いドイツ、フランスなどへの通話も安く設定されている。

ay yildizのTolga Kutlu氏は、ay yildizをサブ・ブランドとして立ち上げた理由として、単なるサービスだけではなく、情緒的な面でトルコ人にアピールする必要があったから、と説明している。そのため、トルコ向けの通話やSMSが割安なことに加えて、トルコ語のコンテンツを提供するほか、トルコ語で対応するカスタマー・サービス用のコール・センターも用意する。 ベルギーには現在16万人のトルコ人が住んでおり、このうち17歳から60歳は4万6000人で、ay yildizは、この層をターゲットにしている。また、ヨーロッパに住むトルコ人は、340万人おり、ベルギー以外の国でもサービスを開始したいという。

●ベルギーのサッカー・クラブRCSC

London_032_1 ベルギーのサッカー・クラブのRCSCは、MVNOとして、サポーターに向けて携帯電話を販売している。クラブ側の狙いは、携帯電話を通じてチケットの販売を行うことのほかに、情報配信などで、より多くの収入を得ることにある。たとえば、クラブに関するニュースや、選手や監督からのメッセージを独自に配信する。サポーターにはとっては、既存のメディアでは流れないような情報を、いち早く入手することができるメリットがある。

●ゲイのためのGAYmobile

London_033 デンマークのGAYmobileは、デンマークにいる25万人のゲイ(同性愛者)を対象としたMVNO。GAYmobileのCEOであるThomas Bilgram氏は、ヨーロッパのゲイ・コミュニティでよく知られた人物であり、GAYmobileは、ゲイのためのコンテンツを提供するために設立された。ヨーロッパでは人口の5-7%がゲイといわれている。

【告知】MVNO Strategies & Markets Asia Pacific 12 - 14 July 2006, Orchard Hotel, Singapore http://shop.telecoms.com/marlin/30000000861/MARKT_EFFORT/marketingid/20001375308?proceed=true&MarEntityId=1145871807307&entHash=10271371ea4&UType=true

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2006.04.24

「こたつトップ」あるいは"Ultra-Gorone PC"

その昔「こたつトップ」というコンセプトがあったのをご存じでしょうか。

Javaベース端末のコンセプトモデル「こたつトップ」

http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/970604/kotatsu.htm

・Javaベース
・12.1インチTFT搭載
・液晶上でペン型入力装置や指による各操作が行なえる
・PIAFSによる通信機能などの搭載も検討されている

これは、「こたつに入っているときのように、暖かいコミュニケーションを可能にするマシン」なのだそうです。結局どうなっちゃったんでしょうね・・・・これ。

ところで、最近なにかと話題になっているのは、"ORIGAMI"こと、"Ultra-Mobile PC"ですが、私なんかは、テレビの前で、ごろごろしている時に、だらだと使える"Ultra-Gorone PC"を、格安で作ってもらえると、うれしいんですけどね。

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2006.04.21

旅とIT ~またまた続き

親方ユニオン・ジャックの代名詞とも言えるブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が、ついに航空運賃の大幅値下げに踏み切りました。

BAが20日に発表したところによると、欧州の65以上の路線で、最大50%の値下げを行うとのこと。この措置により、ロンドンからフランスのボルドーまでの最低運賃が、片道29ポンド(6000円)となります。また、ロンドン-バルセロナの最低運賃は片道39ポンド(8000円)です。

BAは、イージージェット( http://www.easyjet.co.uk/en/book/index.asp )やライアン・エアー( http://www.ryanair.com/site/EN/ )といった格安を売りにしている航空会社に、欧州路線の客を奪われている状況を打開するために、この方針を打ち出しました。

ところで、イージージェットやライアン・エアーなどの格安航空会社は、"No-Frill Airlines"と呼ばれています。Frillとは「パンツのフリル」の「フリル」で、"No-Frill"とは「余計な飾りがない」ことを意味します。

これは、どういうことかと言うと、"No-Frill Airlines"では、機内サービスが無く、機内で何か食べたり飲んだりしたければ、お金を払わなければなりません。電車の車内販売と同じスタイルです。こうすることで、格安運賃を実現しているわけです。

BAは、いまのところ機内サービスは、引き続き行うようですが、競争が激しくなれば、機内サービスも廃止せざるをえなくなるかもしれません。

日本では、格安航空会社はあまり成功したとは言えない状況ですが、BAがこうした措置に踏み切った影響は、いずれ、日本の航空産業にも現れてくるのではないかと思います。

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2006.04.19

ウィキトゥルース登場

ウィキペディアの編集方針に異議を唱える人たちが、新たなサイト「ウィキトゥルース」(Wikitruth)を立ち上げたそうです。

http://www.wikitruth.info/index.php?title=Main_Page

メイン・ページの下の方に"Getting Started"という項目があって、その中で、Wikipedianを過激な言葉で批判していて、かなり感情的な印象も受けます・・・。

「善意」に頼ったものというのは、必ず、こういった分裂や対立が起きてしまいますね。まぁ、それだけウィキペディアの存在が大きくなったと言えるのかもしれませんが。

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2006.04.17

Pixar: 20 Years of Animation

London_029 イースター休暇は、どこにもいかないつもりだったのですが、ついふらふらとロンドンのサイエンス・ミュージアムで開催されている"Pixar: 20 Years of Animation"に行ってしまいました。

これは、今年2月までニューヨークの近代美術館(MoMA)で行われていた展示を、そのままロンドンに持ってきたもので、アニメ・スタジオのピクサーの創立20周年を記念したものです。

ただ、ちょっと気になったのは、創立20周年とはいうものの、展示されていたのは、『トイ・ストーリー』や『インクレディブルズ』など、ここ数年のCGアニメに関連するものが、ほとんどで、スタジオ創設初期に何をやっていのかが、今ひとつわからなかったこと。

また、粘土で作ったキャラクターを回転する台の上に乗せて、そこに点滅させたライトをあてて動いているように見せる「ゾートロープ」の展示が、ジブリ美術館にあるトトロのそれと、同じようなデザインだったこと。

この展示には、イースター休暇中だったおかげなのか、かなり多くの人がきていて、まだ外は肌寒いのに、場内は汗をかくほどの暑さでした。イギリス人は、アメリカ製のキャラクターは、あまり好きではない、というか、嫌っていて、ミッキー・マウスをロンドンで見かけることは、ほとんどありませんが、ピクサーのキャラクターは、抵抗無く受け入れているようでした。

ディズニーがピクサーを買収した理由は、このあたりにあったのかもしれませんね。

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2006.04.14

イースター休暇でございます。

4月16日の日曜日が、イースター(復活祭)のため、イギリスでは、その前後の金曜日と月曜日が公休日となり、四連休となります。

イースターは、キリストの復活を祝う日なのですが、「春分の後の最初の満月から数えて、最初の日曜日」と定められています。そのため、毎年、イースターは時期が変わります。 理論的には、3月22日から4月25日の間のいずれかの日になるのですが、これって、日本でいうとゴールデン・ウィークやお盆休みが、1カ月ぐらいずれることを意味します。

日本のように、季節の移り変わりがはっきりしている国で、連休の時期が大きくずれると大変な気もしますが、イギリスのように、四季の節目がめちゃくちゃな国では、そういうことはあまり気になりません。

今年の冬は寒くて、もう4月も中旬というのに、まだ暖房が必要な日も多いですね。イギリスにきた年の冬も寒かったのですが、「例年はどうなの?」と尋ねたら、「例年という概念は無い」と言われたことを思い出します。

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2006.04.12

Skypeの敵?

6日付けのガーディアン紙の記事によると、アメリカや一部の国では、SkypeをはじめとするIP電話(VoIP)の使用をブロックするISPが増えているそうです。また、Narusという会社は、そのためのソフトを開発しているそうです。

Trouble on the line

http://technology.guardian.co.uk/online/insideit/story/0,,1747491,00.html

イギリスでは、IP電話の利用者が現時点で50万人で、6カ月以内に300万人増加すると予測されています。そして、イギリスの通信・放送関連の規制当局であるOfcom(Office of Communications)は、IP電話の利用を保護するための法律を作るかどうかの検討に入ったとのこと。

IP電話は、既存の電話会社にとっては、大きな脅威となっています。また、ISPもセキュリティやトラフィックの面で、IP電話の利用を制限したがっているようです。 さて、Ofcomは、どういう結論を出すのでしょうか?

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2006.04.10

「.eu」ドメインの登録が始まったものの・・・

「.eu」ドメインの登録が開始されましたが、いろいろと問題が起きているようです。4月7日の登録開始に先立つ4カ月間、企業などが保有するブランド名を含むドメインを、優先的に登録できる期間を設けました。

しかし、商標登録の法律の穴をついて、ドメインを取得しようとするケースもあったそうです。 これはEU加盟国ごとに、商標登録の法律が異なることを利用したものです。たとえば、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグでは、164ユーロ(2万3000円)の費用で、1日で商標を登録できます。これらの国で、高く売れそうなドメイン名の元となる商標を取得すれば、登録料の数百倍の値段で売ることができます。

問題となった例としては、「sex.eu」に236件の申し込みがあったほか、「hotel.eu」に123件、「travel.eu」に97件、「jobs.eu」に93件の申し込みがあったそうです。 また、33万件の登録申し込みがあったうち、9万5000件が上記のような複数の企業による申し込みだったそうです。

33万件というと多いようにも感じられますが、実際は、ドイツの全企業のうち28.6%、オランダが16.6%、フランスが11%、イギリスが9.2%と、「.eu」ドメインに殺到というほどの人気では無いようです。

ヨーロッパは、国ごとに言語が違うので、どの国か、つまり、どの言語のサイトかが明示的な「.uk」、「.fr」、「.de」の方が、ユーザーから見て、わかりやすいのではないかとも思います。

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2006.04.07

ダ・ヴィンチ・コード裁判

『ダ・ヴィンチ・コード』を出版している出版社が、著作権侵害で訴えられていた裁判で、7日午後、イギリスの高等裁判所(High Court)は、訴えを退ける判決を下しました。

ロイターの記事によると、訴えていたのは、Michael Baigent と Richard Leigh という2人の歴史家で、『ダ・ヴィンチ・コード』は、2人の著作"The Holy Blood and the Holy Grail"の盗作であると主張していました。

今回裁判で負けたことにより、この2人は、100万ポンド(2億円)の裁判費用を支払わなければならないことになりました。ただ、裁判がニュースになったために、2人の本の売れ行きも伸びたそうなので、いい宣伝になったとも言えます。

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2006.04.05

イギリスでTOEIC

TOEFLで必要なスコアをとってから、試しにTOEICも受けてみました。数年前のことですから、もちろん試験問題は、今年5月からの新形式のものではなく、従来のものと同じです。

結果は、TOEFLとTOEICの換算式で算出されるものよりも、低い点しかとれませんでした・・・。

TOEICというのは、アメリカ英語の世界で、生活したり、ビジネスをしている人が、「自分の英語力は、どれくらいだろうか」と思い、それを確かめるために受ける試験のように感じられました。

特に、リーディングの試験で、架空の電気製品のマニュアルや、架空のパーティーの案内状を読む、というものがあるのですが、アメリカ英語圏にいない人は、どうやって勉強しているのかなぁ、と、ちょっと疑問に思いましたね。

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2006.04.03

イギリスでTOEFL 2.0

イギリスにきて、すぐの頃、TOEFLを受験することから、アメリカ英語を聞く必要があり、そのために、短波放送が聞けるMatsuiのラジオを購入しました。もちろん、そのラジオで、AMやFMも聞けるので、短波放送が聞けない時は、BBCをつけっぱなしにしていました。

そして、今でも、よく聞いているのが、"BBC Radio Five Live"。

http://www.bbc.co.uk/fivelive/

このチャンネルは、ニュース、トーク番組、そしてスポーツ中継だけで構成されています。イギリス風のアクセントは、あまり強くなく、比較的ニュートラルな英語を聞くことができます。

一方、いわゆるクィーンズ・イングリッシュが聞けるのは、"BBC Radio 4"。

http://www.bbc.co.uk/radio4/

聞き比べてみると、違いがわかると思います。

ところで、イギリス英語を聞くことが、アメリカ英語の試験であるTOEFLの役に立つのか、という点ですが、結果から言うと、イギリス英語とアメリカ英語の違いは、あまり重要ではなかったと思います。TOEFLは、アカデミックな英語力を試すもののため、基礎的な英語力という点では、リスニングを含めて、あまり大きな違いはなかったと感じています。

その意味では、TOEICの方が、アメリカでの生活やビジネスに即した問題が多いため、アメリカ英語の影響は強いようです。今年5月から、TOEICのリスニング問題に、イギリス人やオーストラリア人の英会話が加わるのは、アメリカ英語にウエイトがかかりすぎているのを是正するためでしょうね。

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