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2007年9月

2007.09.30

ニコニコブックマークは、すごいサービスかもしれない--Web1.0サイトを勝手にWeb2.0化するツール

ニコニコブックマークというサービスが開始されました。初め見たときは、よくわからなかったのですが、前々回のエントリーを書き終えた時に、ふと「これはもしかしたらすごいサービスなのかもしれない」と思うようになりました。

ニコニコブックマークについては下記の記事をご覧ください。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/19/news077.html

たとえば、ある世界観(歴史観といった方がよいかもしれませんが)に基づいて、記事を提供するニュース・サイトがあったとします。しかし、そのニュース・サイトは、「うちんとこはWeb1.0でいいですから」と言って、そのサイトにコメント欄を設けません。

一方、そのニュース・サイトの提示する世界観に対して、批判的な意見を持っている人たちが集まる掲示板があったとします。彼らは、日々、当該のニュース・サイトの記事をチェックしては、掲示板に書き込みというかたちで批判しています。

しかし、この状況では、ニュース・サイトはニュース・サイトとして、掲示板は掲示板として、別個に存在しています。ところが、ニコニコブックマークを使うとあら不思議、ニュース・サイトと掲示板とが、Web2.0的に接続されることになります。もちろん「視覚的に」接続されるているだけなのですが、これはすごいことのような気がします。

例えていうと、毎朝配達される新聞を開くと、すでに記事に関して、いろいろな意見がみっちり書き込まれている、というような感じでしょうか。

まだ使い勝手はよくないようですが、同様のサービスは、ほかにも提供されていますが、どうなることやら・・・・・・。

ニコニコブックマーク
http://www.nicob.jp/
Cha-Cha-le! BETA
http://chachale.jp/

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2007.09.29

セカンド・ライフに欠けているもの

セカンド・ライフ(Second Life)がいまいち盛り上がらない理由は、「世界観」が無い、ということにつきると思います。

前回のエントリーの"「世界」と、それを取り囲む「世間」"を踏まえて言えば、セカンド・ライフは、何を表現し何を表現しないか、という「世界観」が無く、ユーザーが勝手に何でも行える、単なる「世間」に過ぎないからです(もちろん、最低限のルールは定められていますが)。

セカンド・ライフは、「3D仮想世界」と紹介されますが、実態は「3D仮想"世間"」と言った方がふさわしいかと思います。だから、世間話ぐらいしかすることがないわけです。

それでは、その世間の中に、世界観を持つもの、つまりコンテンツを置けば、そのコンテンツを見るために、ユーザー数が増えるのではないか、と考えることはできます。

しかし、それらのコンテンツは、結局のところディスプレーを通して鑑賞するものなのですから、3Dの空間に置かれることにあまり意味はありません。たとえば、セカンド・ライフでしか見られないライブとか、映画が公開されたとします。しかし、3D空間の中を歩いて、それらが公開されるライブ会場や映画館にいっても、結局、2次元のコンテンツをみるわけですから、3Dの特殊性は無いわけです。

現在は、1つのSIMに50人という制約があるのですが、もしこの技術的制約がなくなったとしても、ディスプレーを通してみる2次元のコンテンツを、3次元の空間に置くことに意味は無いように思います。

将来、3Dゴーグルなどにより、本当に3次元空間にいるような体験ができるようになれば、また違った楽しみ方もあるのでしょうが、それはずっと先のことになると思います。

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2007.09.28

Web2.0再考・・・・・・「世界」と、それを取り囲む「世間」

Web2.0を巡る議論の中で、あまり指摘されていなかった点を考察してみたいと思います。

まず、このことを考えるようになったきっかけになったコラムを紹介します。ちょっと古いのですが、『週刊文春』2006年3月30日号に掲載された堀井憲一郎の「ホリイのずんずん調査」より。

「文章のスタイルは『使わない言葉』で決まる。いい文章は、いい言葉が詰まっているわけではなく、悪い言葉がきれいに排除されてるだけなんですね。これは読んでいるほうにはわかりにくい。それぞれの文章が『どういう言葉を避けて書いているか』というのは、とても注意深く見てないとわかんないですね」

まさにその通り。で、このコラムは、この後、堀井氏が出演していた日本テレビの自社宣伝番組『TVおじゃまんぼう』が、「ぜひ、ご覧ください」「おもしろいですよ」というセリフを使わないことになっていた、なぜなら、「そのほうが見ている人の視聴意欲をかき立てる」(同コラムより)から、といったことなどを紹介しています。

ところで、このコラムの引用部分の指摘というのは、創作全般に通ずるものであると言えます。つまり、創作者(クリエイター)というのは、何を書き(描き)何を書かない(描かない)かを決めることで、自分の「世界」を構築するわけです。

しかし、ブログなどで文章を発表すると、書き手が、意図的に(あるいは無意識に)排除している言葉を、コメント欄に書かれてしまって、その結果「世界」が壊れたりしてしまいます。たとえば私が「節約は賢いことだ」というコンセプト(世界観)で、ブログを開設しても、コメント欄に「貧乏くさい」とか、書かれてしまうと、その世界は一発で崩壊してしまいます。

インターネットの掲示板や、ブログのコメント欄にあふれるコメントというのは、言ってみれば「世間の声」であって、必ずしも「世界」を構築する要素にはなりえないし、時には「世界」を壊す方向に働いたりします。

あるいは、ニコニコ動画のコメントというのも、流れている動画の提示する「世界」に、そぐわないコメントがついていたりしますが、「世界」を提示する側は、動画そのものを削除しない限り、それらを排除することはできません。

Web2.0と呼ばれる状況の下では、クリエイターによって提示される「世界」と、それを取り囲む「世間」というものが、きわめて容易に見えるようになってきました。たぶん、これがWeb2.0のもたらした最大の変化ではないかと思います。

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2007.09.26

郵政民営化の果てに

日本では、10月1日から郵政民営化がスタートしますが、イギリスでは、2006年4月から、完全に民営化されました。

イギリスでは、2000年頃から、国営の郵便事業が赤字となり、2002年4月から段階的に郵便事業の民営化・自由化が進められてきました。この過程で、国営の郵便事業体は、3万人解雇、4000の郵便局閉鎖、1日2回の配達を1回へと減らす、などのリストラを行いました。で、どうなったかというと・・・・・・。

数年前に、ある民放テレビ局のジャーナリストが、郵便配達員として潜入取材を行ったドキュメンタリーが放映されたのですが・・・・・・

・採用時の審査はいい加減、訓練も無しに配達業務を任される

・アフリカの某国からきた留学生も、あまり英語ができないのに、バイトとして採用され、訓練も無しに配達業務を任されるが、配達しきれずに郵便物を捨ててしまう

・クレジットカードや小切手の入った郵便物を(書留でも)盗んで悪用する配達員がいる

・その手の犯罪が組織的に行われている可能性もあるそうです

あと、イギリスの郵便局員は、ときどきストライキを行うため、ストライキ中に投函された郵便物は、どこかに積み上げられたまま届かなくなってしまうこともあります。

一般的には、民営化するとサービスは向上するはずなんですが、どうもイギリスの郵便事業はうまくいっていない感じがします。

日本の場合は、宅急便との競争もありますので、こんなひどい事態にはならないと思いますが。

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2007.09.25

トヨタが生産台数・販売台数で世界一になれた理由とは?

もちろん「トヨタが頑張ったから」ですが、これ以外の要因として、アメリカにとって、もはや自動車産業は昔ほど重要ではなくなったこと、もあげることができると思います。

1970年代から1980年代にかけては、日本製自動車のアメリカへの輸出は、貿易摩擦として問題視されたのですが、これは、日本車の輸入によって、アメリカの労働者の雇用が奪われることも理由の一つでした。しかし、その後、トヨタをはじめとする日本メーカーは、アメリカでの現地生産を進めるようになって、雇用の問題は小さくなりつつあります。

また、1992年にブッシュ大統領が来日して、晩餐会で嘔吐して帰ったこともありましたが、この時は、日本にアメリカ車を購入するように求めていました。しかし、その後のクリントン政権下において、コンピューター産業が発展したことから、自動車産業はアメリカにとっては、それほど重要ではなくなってしまいました。

ここ数年、GM、フォード、クライスラーのビッグ3が経営不振に陥っています。昔だったら、アメリカ政府は、なんらかの救済策を打ち出したのでしょうが、いまは、ほったらかしです。現在のアメリカにとっては、IT、金融、航空、宇宙、軍事、資源などの産業が重要であって、自動車は、日本や韓国にまかせとけばいい、という雰囲気が漂っています。

なぜなら、アメリカ人にとっては、トヨタをはじめとする日本のメーカーにまかせておけば、故障が少なく、燃費のいい、高品質の自動車が生産され、さらにアフターケアもばっちりで、消費者は大満足、という状態がもたらされるからです。ついでに、トヨタの株でも買っておけば、配当というかたちで、利益を得ることもできてしまうから万々歳と言えるでしょう。

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2007.09.24

サブプライムローン問題は、今のところ、それほど大騒ぎする必要はないんじゃないか、と私が考える理由

サブプライムローンとは、アメリカの低所得者向け住宅ローンのことで、これが不良債権化していることが問題になっています。イギリスでも、これに関連して、銀行で取り付け騒ぎが起きました。

サブプライムローンの問題は、もともと返済能力の低いアメリカの低所得者層に、いい加減な審査で貸し付けをたこと、さらに、この住宅ローン債権を証券化して、金融機関に販売したことが問題を複雑にしています。 つまり、住宅ローンの返済ができない人が増え、その結果、証券を購入した銀行が、損失を被るという事態にいたっています。

実は私は、1990年代半ばに、古今東西の不良債権問題と、その処理方法について、みっちり調べたことがあります。で、その「1990年代半ばまでの金融界の常識」からいえば、個人向けの住宅ローンが破綻したからと言って、金融システムが崩壊する、なんてことは聞いたことがありません。

なぜなら、個人向けの住宅ローンというのは、1件あたり数千万円というところで、いくらこれを積み上げても、それだけで金融システム崩壊にはいたらないからです。巷間伝えられているところによると、サブプライムローンの延滞は、最悪の場合100万件にのぼるという予測もあるそうですが、それでも数十兆円ですよね。もちろん、この影響で潰れたり、経営破綻する金融機関が出てくる可能性はありますが、まだまだ、こんなもんでは、アメリカや世界の金融システムは崩壊しません。

また、住宅というのは、たとえ住宅相場が下がっても、まったく売れなくなるわけでもないし、場合によっては賃貸料をかせぐことも可能なので、100万件が不良債権化しても、それがまるまる損失になるわけではないはずです。

「日本では住専問題があったじゃない」と言う方もいらっしゃると思うのですが、住専は確かに、住宅金融専門会社という名称で、個人向け住宅ローンを行っていましたが、不良債権が発生したのは、オフィスビル、商業ビル、リゾート開発などです。1件数十億円規模の案件が、バブル崩壊により、つぎつぎと破綻したために、問題が大きくなったわけです。アメリカでは、1980年代にもS&L(貯蓄貸付組合)の問題が発生していますが、これも住宅ローンではなくて、ジャンク債への投資が原因とされています。

ですから、ニュースなどで「低所得向けの住宅ローンが次々と破綻して・・・・・・」と言っているうちは、まだ、大丈夫と言えます。でも、もし、アメリカからの不良債権に関するニュースが「1件数十億円規模の大規模プロジェクトが次々と破綻して・・・・・・」という風になってきたら、まあアウトでしょうね。世界経済への影響は計り知れないし、日本は、もう一回「失われた十年」を覚悟しなければならないかもしれません・・・・・・。

しかし、日本の失われた十年というのは、たぶん、1992年8月に当時の宮沢喜一首相が不良債権問題の深刻さに気づきながら何もできなかった時から、2002年10月竹中平蔵金融担当大臣が金融再生プログラムを出した時まで、と定義するのが、ぴったりくるんでしょうねぇ・・・・・・。

えっーと、最後にいいわけ

「投資の判断は、読者ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当エントリーに記載された情報に基づいて被ったいかなる損害について、当方は一切責任を負いかねます」。

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