2007.09.24

サブプライムローン問題は、今のところ、それほど大騒ぎする必要はないんじゃないか、と私が考える理由

サブプライムローンとは、アメリカの低所得者向け住宅ローンのことで、これが不良債権化していることが問題になっています。イギリスでも、これに関連して、銀行で取り付け騒ぎが起きました。

サブプライムローンの問題は、もともと返済能力の低いアメリカの低所得者層に、いい加減な審査で貸し付けをたこと、さらに、この住宅ローン債権を証券化して、金融機関に販売したことが問題を複雑にしています。 つまり、住宅ローンの返済ができない人が増え、その結果、証券を購入した銀行が、損失を被るという事態にいたっています。

実は私は、1990年代半ばに、古今東西の不良債権問題と、その処理方法について、みっちり調べたことがあります。で、その「1990年代半ばまでの金融界の常識」からいえば、個人向けの住宅ローンが破綻したからと言って、金融システムが崩壊する、なんてことは聞いたことがありません。

なぜなら、個人向けの住宅ローンというのは、1件あたり数千万円というところで、いくらこれを積み上げても、それだけで金融システム崩壊にはいたらないからです。巷間伝えられているところによると、サブプライムローンの延滞は、最悪の場合100万件にのぼるという予測もあるそうですが、それでも数十兆円ですよね。もちろん、この影響で潰れたり、経営破綻する金融機関が出てくる可能性はありますが、まだまだ、こんなもんでは、アメリカや世界の金融システムは崩壊しません。

また、住宅というのは、たとえ住宅相場が下がっても、まったく売れなくなるわけでもないし、場合によっては賃貸料をかせぐことも可能なので、100万件が不良債権化しても、それがまるまる損失になるわけではないはずです。

「日本では住専問題があったじゃない」と言う方もいらっしゃると思うのですが、住専は確かに、住宅金融専門会社という名称で、個人向け住宅ローンを行っていましたが、不良債権が発生したのは、オフィスビル、商業ビル、リゾート開発などです。1件数十億円規模の案件が、バブル崩壊により、つぎつぎと破綻したために、問題が大きくなったわけです。アメリカでは、1980年代にもS&L(貯蓄貸付組合)の問題が発生していますが、これも住宅ローンではなくて、ジャンク債への投資が原因とされています。

ですから、ニュースなどで「低所得向けの住宅ローンが次々と破綻して・・・・・・」と言っているうちは、まだ、大丈夫と言えます。でも、もし、アメリカからの不良債権に関するニュースが「1件数十億円規模の大規模プロジェクトが次々と破綻して・・・・・・」という風になってきたら、まあアウトでしょうね。世界経済への影響は計り知れないし、日本は、もう一回「失われた十年」を覚悟しなければならないかもしれません・・・・・・。

しかし、日本の失われた十年というのは、たぶん、1992年8月に当時の宮沢喜一首相が不良債権問題の深刻さに気づきながら何もできなかった時から、2002年10月竹中平蔵金融担当大臣が金融再生プログラムを出した時まで、と定義するのが、ぴったりくるんでしょうねぇ・・・・・・。

えっーと、最後にいいわけ

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