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2007年11月

2007.11.26

「初音ミク」が着うたに

初音ミクの楽曲が着うたとして配信されることになりました。

http://pc.dwango.jp/link.php/d/special/f/miku/

でも、着うたって受動型消費の典型的な商品なので、能動型消費者が中心のニコニコ動画とは異なるユーザーを対象とすることになるわけで、そのあたりは、どうなんだろうと思ったりします。まぁ、とりあえずはファンの方が購入してくれるのでしょうが、その先の壁を越えて大衆化するかどうかは、楽曲の持つ力による、ということでしょうか。

むしろ私は、ランキング上位下位問わず、カラオケで歌いたくなるような曲を掘り起こして、カラオケ配信した方が曲自体は長持ちするような気がしています。

しかし、カラオケ、着うた、と、初音ミクの快進撃はとどまるところを知りませんねぇ。次は何があるんでしょうか?

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SF作家の野尻抱介先生が、こんなものを・・・・・・

欲しい物が売って無ければ自分で作る、というのが、プロシューマーの正しいあり方です。作る技術がないのなら、アイデアを出して、誰かに作ってもらえばいいのです。

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2007.11.24

「初音ミク」は、どこまで行くのか?

ニコニコ動画において、「初音ミク」のタグがついたコンテンツが1万を超えました。また、「ミクオリジナル曲」も1000を超えました。もちろん、このタグは、必ずしも正確なものではありませんので、あくまでも目安としてですが、それでも「初音ミク」は、着々と成長を続けている、と言うことができます。

「初音ミク」ムーブメントについては、いろいろと考察を続けていて、書きたいこともあるのですが、せっかくだから、新しい情報や事件があった時にエントリーを書こうと思っていたら、何事もなく一週間が過ぎてしまいました。なんかこう無いんですかね。「陰謀」とか、「弾圧」とか、みんなが熱くなれるような展開は(笑)。

そんな中、いま私が注目しているのは、「ニコニコ技術部」というタグのついたコンテンツです。

http://www.nicovideo.jp/tag/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%B3%E6%8A%80%E8%A1%93%E9%83%A8

「初音ミク」ムーブメントは、音楽、イラスト、アニメ、3DCGにとどまらず、デスクトップ・アクセサリーや時計などのソフトウェア、ペーパー・クラフトやフィギュアなどのリアル・モデル、ホログラムなどの立体画像などなど、多方面へと技術的な拡大・発展を続けています。

まるで、30年くらい前にガレージでパソコンを作っていた人たちの様子を、リアル・タイムで見ているようなわくわくした気持ちになってしまいます。

もし、日本中の技術者が協力しあえば、初音ミク型携帯音楽プレイヤー『ミクPod』くらいは作れそうな気がします。筐体のデザイン、ハード、ソフトはすべてオリジナルで、製造は台湾かシンガポールに委託する。資金調達がネックになりますけど、限定生産にして、あらかじめコスト計算をした上で、購入者を募れば、なんとかなるような気もします。鏡音リン型PDA携帯電話『リンPhone』なんてのも、いけるかもしれません。ね、わくわくしてきたでしょう?

いったい「初音ミク」は、どこまで行ってしまうのでしょうか? ニコニコ・ロケットに乗った、初音ミク型アンドロイドが、宇宙からメッセージを送ってくるようになるまでに、あと何年ぐらいかかるのでしょうか? 

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2007.11.17

「初音ミク」がカラオケに

「初音ミク」ムーブメントの一翼を担っている「みくみくにしてあげる♪」が、カラオケで配信される可能性が出てきたようです。

カラオケでも「みっくみくにしてやんよ~♪」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/071117/gam0711170926000-n1.htm

よく考えてみると、カラオケというのは、日本最大のプロシューマー市場と言うことができます。プロシューマーとは、生産者であり、かつ消費者である存在のことで、カラオケで言えば、楽曲の消費者であると同時に、歌を歌う生産者ということになります。

こうして考えてみると、「初音ミク」ムーブメントというCGM(Consumer Generated Media)との親和性は高く、「ニコニコ動画」の外から、「初音ミク」ムーブメントに接続しうるものであると言えます。

この場合は、歌を歌うこと、仲間に聞いてもらうことから得られる効用(満足)の対価として、カラオケ屋さんや楽曲の提供者に、金銭を払うことになります。

楽曲配信数の正確な記録と、それに応じた金銭の支払いなどの運用面がきちんと実行されれば、という条件はつきますが、楽曲のクリエイターにとってもメリットのある話だと思います。

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2007.11.12

「初音ミク」ムーブメントから考えるCGMの弱点

「初音ミク」ムーブメントにおけるCGM(Consumer Generated Media)について、「効用」という概念を使って考察してみたいと思います。「効用」とは、商品を消費したときに得られる「満足」のことを言います。

現在起きている「初音ミク」ムーブメントにおいて観察されることは、「物々交換」や「財・サービスと貨幣の交換」といった経済学の概念、あるいは「蕩尽」や「贈与」といった人類学の概念では捉えきれない性質のものです。

私は、「初音ミク」ムーブメント、つまりCGMは、「効用の交換」、つまり「満足の交換」によって支えられていると考えています。それも、かなり非対称かつ間接的な「満足」の交換の体系によってなりたっていると捉えています。

まず、どういった「効用」、つまり「満足」が交換されているのか、それぞれの局面について考えてみたいと思います。

(1)視聴者とクリエイターの場合

まず、視聴者とクリエイターの関係について考えてみます。もちろん、あるコンテンツについてクリエイターだった人が、別のコンテンツにおいては視聴者になったり、あるいは、その逆のケースも発生します。

・視聴者←クリエイター
コンテンツを鑑賞する、コメントをつけて楽しむ

・視聴者→クリエイター
コンテンツを鑑賞してもらえる、評価(コメント、再生数、マイリスト)やアドバイスなどが得られる

こうやって見ると、視聴者とクリエイター間では、双方向に非対称な効用(満足)が交換されていると言えます。

次に、クリエイター相互の満足の交換について考えてみたいのですが、ここではジャンル(音楽、イラスト、アニメ)が同じクリエイターの場合と、異なる場合、それぞれに分けて考えてみます(一人で作詞作曲し、イラストも描くというマルチ・クリエイターもいますが、それは除外して考えます)。

(2)同ジャンルのクリエイターの場合

まず

・クリエイターA→クリエイターB
AのコンテンツをBがアレンジ・改変して楽しむ

という効用(満足)のフローが考えられます。しかし、この逆方向(A←B)フローについては、どういう効用(満足)が考えられるのでしょうか? これについては、最後に改めて論じたいと思います。

(3)異なるジャンルのクリエイターの場合

・クリエイターA→クリエイターB
Aのコンテンツ(音楽、イラスト、アニメなど)に、Bが、別ジャンルのコンテンツを組み合わせて楽しむ

という効用(満足)のフローが考えられます。そして、この逆方向(A←B)のフローは

・クリエイターA←クリエイターB
Aのコンテンツ(音楽、イラスト、アニメ)が、Bのおかげで、より充実したものとなる(BのせいでAが不満足となることもありますが、それは除外して考えます)

こうしてみると、異なるジャンルのクリエイター間でも、双方向に非対称な効用(満足)が交換されうる、と言うことができます。そして、ある人が作った曲に、別の人がイラストをつけて、さらに別の人が、そのイラストをアニメ化したり、3Dモデル化したり、という流れの中では、非対称の効用(満足)のフローが多方向に発生することになります。

しかし、先に触れた、同ジャンルのクリエイター間の逆方向(A←B)フローはどうでしょうか? 最初にオリジナルの曲を作ったり、イラストを描いたりした人に、その作品を他の人がアレンジ・改変することによって、どういった効用(満足)が流れてくるかが、よくわかりません。

一般的な感覚で言えば、自分の作品を他人がアレンジや改変を行った場合に得られる効用(満足)というのは、良くてゼロで、場合によってはマイナス(不満足)になるのではないかと思います。これは、ソフトウェアの「オープンソース」とは異なる点です。そして実は、これが、CGMの最大の弱点と言うことができます。

したがって、CGMを持続的なものにするには、最初にオリジナルなコンテンツを提供したクリエイターに、不満足を与えない、または、効用(満足)以外の対価が与えられように配慮する必要があると言えます。

[参考]
「初音ミク」のイラストの凄い点
http://blogs.itmedia.co.jp/london/2007/11/post_e142.html

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2007.11.09

認知心理学の実験:鏡音リンを作ってみた

London_132

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2007.11.07

「鏡音リン」のイラストが凄い点

すでにネットに流れている「鏡音リン」のラフ画を元に、リンを描いてみると・・・・・・。髪は黄色のショートカットで頭には白いリボン、白いセーラー服に黄色のリボン、黄色のショートパンツ、袖と足は黒といった点が、リンを象徴する記号と言えるでしょう。

こういう風に記号化しやすいデザインというのは、アニメやおもちゃのキャラクター・デザインの世界では、一般的に採用されている手法です。もちろん、「初音ミク」にしろ、「鏡音リン」にしろ、イラストを担当されているKEIさんのデザインや色使いが優れていることは、言うまでもありませんが。

このことは、「プロになること」の一面を示していると思います。つまり、各方面の要求を満たしつつ、自分のオリジナリティをいかに出していくかが、プロとしてやっていく上での重要なポイントであると言えます。もちろん、各方面の言うことを聞きすぎて駄目になってしまうこともありますが・・・・・・。

そして、こういったしがらみに疲れたプロたちが、遊びとして、その才能を無駄に発揮しているケースが、最近の「ニコニコ動画」では見られるようで、そのクォリティの高さには驚かされます。こうしたプロとアマチュアの相互交流によって、クリエイターの技術やファンの鑑賞眼は、さらに向上していくと思います。

これから「ニコニコ動画」出身のクリエイターが出てくることは予想されます。しかし、私は、個人的には、ニコニコ動画はクリエイターの「遊びの場」、「修行の場」にとどめておいた方が健全な気がします。

「クリエイティビティを換金しよう」と煽って失敗したケースもあるようですし・・・・・・。

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2007.11.02

「初音ミク」のイラストの凄い点

「初音ミク」ブームが盛り上がった要因の一つに、パッケージに使用されているキャラクター・イメージがあげられます。イラストと簡単なキャラクター設定だけを提示して、その解釈は、ユーザーに委ねる、という手法です。

あれについて、「アニメ風の、いわゆる"萌え"絵が受けた」という指摘がなされています。しかし、それだけでは無いと思います。なによりも、あの「初音ミク」というキャラクターは、誰が書いても初音ミクになる、というわかりやすさがあります。

私は、絵心はまったくありませんが、初音ミクを描いてみろと言われれば、描くことができます。髪は緑で、いわゆるツイン・テールで、服はグレー、袖とスカートとストッキングは黒。幼稚園児に、あのパッケージを見せても、初音ミクと認識できるものを描いてくれるでしょう。絵がうまい人が描いても、下手な人が描いても、アニメにしても、3Dモデルにしても、二頭身にしても、「初音ミク」という同一性が保たれる、という強みがあります。

そして、CGM(Consumer Generated Media)においては、「多様な解釈を許容しながら、誰が見ても、それとわかるもの」が、評価されることになります。これは、音楽でも同様で、楽譜と歌詞に対する多様な解釈やアレンジを許容しつつも、なおかつ同一性を保てる、というオリジナリティの高い楽曲が人気を集めることになります。

「伊達杏子」が駄目な理由は、いろいろあるのでしょうが、私が思うに、「描いてみろ」と言われても、特徴がないので描けません、という点が最大の欠点ではないでしょうか。

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