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2008年1月

2008.01.31

動画上コメント機能のジレンマ

すでに多くの方が指摘しているように「ニコニコ動画」の動画上を流れるコメント機能というのはとても秀逸だと思います。ユーザーから見ると、とても面白い機能だと思います。

また、CGM(Consumer Generated Media)を活性化させる上でも、とても有効に機能していると思います。「初音ミク」ムーブメントに見られるように、ある人が歌を作って発表すると、別の人が歌ったり、踊ったり、絵をつけたり、というように、CGMとは、視聴者参加型のライブのようなもの、ということができます。

しかし、動画コンテンツというのは、必ずしもライブのようなものだけでなく、たとえば映画のように、最後までじっと視聴することが求められるものも多いと思います。そして、こういったコンテンツを配信するには、ニコニコ動画は、やはりなじまないのではないかと思います。

映画の展開をコメントでばらしてしまうとか、出演者の悪口を書くというような「荒らし」行為を未然に防ぐようなシステムを構築するのは、おそらく不可能に近いと思います。ですから、SNSと似たような、視聴するメンバーを限定するシステムを導入する必要があるのかもしれませんね。

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「ボーカロイド三原則」を作ってみた

前回、前々回のエントリーで考察した「ボーカロイド利用規約」を踏まえて、「ボーカロイド三原則」を作ってみました。もちろん、元ネタは、SF作家アシモフのロボット三原則です。

■ボーカロイド三原則
第一条 ボーカロイドは、音楽の発展に寄与しなければならない。

第二条 ボーカロイドは、歌手や声優の仕事を奪ってはならない。

第三条 第一条の目的に資する場合は、第二条の制限は解除される。

何を持って「音楽の発展」というかは、立場によって異なりますが、まぁ、こんな感じの三原則で良いのではないかと思います。

[参考]
ボーカロイド利用規約について思うこと
http://blogs.itmedia.co.jp/london/2008/01/post-1885.html
ボーカロイド利用規約について思うこと・・・・・・続き
http://blogs.itmedia.co.jp/london/2008/01/post-6bd4.html

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2008.01.30

ボーカロイド利用規約について思うこと・・・・・・続き

前回のエントリーで、ボーカロイドの利用規約について考察しました。その利用規約から感じ取れる意図は、

・ボーカロイドの普及促進の妨げになるような使い方はして欲しくない
・歌手や声優など、既存の人間の仕事を奪うような使い方については、できるだけ、その影響を小さくしたい

という2点に要約できると思います。そして、この2つの意図を満たすために、おそらく、いろいろなケースを想定した上で、利用規約を設定したように察せられます。そういう意味では、よく練られた利用規約ということができると思います。

今後も、ロボットや人工知能に類する物、あるいは、人間の何かに置き換わるツールが登場してくると思います。そして、それらを、いかに既存の社会への影響を小さくしながら、普及・発展させるか、という点も課題となってくると思います。

そして、そのテスト・ケースとしてみても、このボーカロイドの利用規約は、とても興味深いものであると言うことができると思います。

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2008.01.27

ボーカロイド利用規約について思うこと

『初音ミク』や『鏡音リン・レン』などの歌声合成ソフト(ボーカロイド)は、ヤマハの開発した歌声合成エンジンVOCALOID2に、クリプトンの製作した音声ライブラリをセットにして販売しています。したがって、その利用規約も2階建てとなっています。

■[VOCALOID]使用許諾
http://d.hatena.ne.jp/melt_slinc/20070917/p2

まず、ヤマハが設定しているVOCALOID2の利用規約では、「公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開や配布すること」の禁止が謳われており、また、商用カラオケや着メロやなどでの使用は、ヤマハの許可が必要としています。

さらに、クリプトンの設定している初音ミクの利用規約では、上記の点のほかに、映像作品のキャラクターが歌っているようなかたちでの使用には許可が必要、VOCALOIDや初音ミクやバーチャル・シンガーなどを前面に押し出したかたちでの使用には許可が必要、といった項目が加えられています。

そもそも、なぜ、このような使用許諾が、こまかく設定されているのかを考えてみると、おそらく既存の歌手や声優など、「声」を仕事にしている人たちへの影響をできるだけ小さくしようと配慮したためではないかと、推測できます。

たとえば、一般の人にとって音楽というのは、「歌手」+「楽曲」というかたちで認識されています。しかし、「初音ミク」のユーザーが、VOCALOIDや初音ミク、あるいはヴァーチャル・シンガーといった「新奇性」をセールス・ポイントにして、既存の楽曲を、次々にCDや着メロ/着うたにして販売した場合、その楽曲を持ち歌とする歌手が困るので、それは制限をかけたい、と考えたのではないかと思います。

商用カラオケのコーラス、あるいは、映像作品の歌声などに関する制約も、声を仕事にしている人たちへの配慮ではないかと思います。もちろんボーカロイドによって、仮歌を歌う人たちの仕事は失われるかもしれませんが、そのかわり、作詞作曲はできるけれども、自分では歌えない、あるいは、歌手を見つけられない人たちの才能を掘り起こすことには貢献していると言えます。要するに、この利用規約は、音楽ビジネス全体の得失を考えて設定されたのではないかと思います。

ヤマハにとっての音楽ビジネスの対象は、楽曲を販売する音楽出版だけでなく、ヤマハの楽器を利用するプロやアマチュアのミュージシャン、ヤマハの音楽教室の生徒、ヤマハ主催のコンサートにくるファン、そしてヤマハのDTMソフトやボーカロイドなどのユーザーなど、とても幅広いものです(音源用LSIも扱っています)。そして、その立場からすると、VOCALOIDエンジンの技術開発は進めたいけれども、既存の音楽ビジネスへの影響はできるだけ小さくしたい、という配慮をせざるをえなかったのではないかと思います。

「公序良俗」に関する規約が設定された理由もいろいろあると思います。たとえば、「初音ミク」や「鏡音リン・レン」を使って、童謡など、子ども向けの楽曲を歌わせ、それを浸透させる、つまり、将来のDTMやVOCALOIDのユーザーを掘り起こす、という音楽業界全体の得失を考えると、やむをえないことなのかもしれません(もちろん規約の濫用はすべきではないと思います)。

おそらく音楽業界に関係ないソフトウェア・メーカーが、VOCALOIDエンジンを開発していたら、こういった利用規約は設定しなかったのだろうと思います。音楽業界全体にとって、どちらがよいのかは、わかりませんが。

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2008.01.25

ニコニコ動画の今後

ニコニコ動画のID登録者が500万を突破したそうです。順調に会員を伸ばしているのは、よいことだと思いますが、しかし、ニコニコ動画は今後どのように発展していくのでしょうか?

同じような動画投稿サイトにYoutubeがあります。こちらは、当初はCGM(Consumer Generated Media)をめざしていたようですが、いまはどちらかというと商用コンテンツの配信・プロモーションのメディアへと変貌しつつあります。簡単に言えば「TVを補完するメディア」になりつつあります。

一方、ニコニコ動画は、動画上にコメントを流すというユニークなインターフェースのおかげで、<1>動画をみんなで見ているような感じが得られる、<2>CGMにおいてクリエイターのモチベーションを引き出す、という2つの効果を生み出しました。特に「初音ミク」ムーブメントの盛り上がりは、この2つの効果が大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。

ただ、Youtubeのような商用コンテンツを本格的に配信するには、このコメント機能に抵抗を感じているコンテンツ・プロバイダーも多いのではないかと推測します。CGM中心で、現在のような発展が続けられるかどうかが、今後のニコニコ動画の方向を決めることになると思います。

あるいは、商用コンテンツに関しては、すでに、いろいろな人が指摘しているように、地デジやDVDプレーヤーやHDレコーダーの再生画面と同期させられるコメント・サーバーを用意するような方向に行かざるをえなくなるのかもしれませんね。

[参考]
Web2.0再考・・・・・・「世界」と、それを取り囲む「世間」
http://blogs.itmedia.co.jp/london/2007/09/web20_c372.html

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2008.01.01

ニコニコ動画がユーザーに謝罪

2007年における日本最大のヒットとなった「ニコニコ動画」は、2007年12月31日午後11時55分から、2008年1月1日午前0時2分にかけて、2007年のニコニコ動画を振り返る「ニコニコ動画、激動の歴史」を、時報とともに放送した。

この動画では、2007年にニコニコ動画で起きた、さまざまな出来事を紹介。そして、「2007年9月1日 初音ミクブーム到来」と紹介した後、「2007年12月25日 DMP社とクリプトン社共同声明」とし、さらに続けて少し小さい書体で「もうしわけありませんでした」と、初音ミクオリジナル曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のJASRAC登録に端を発した一連の騒動について、ユーザーに対して謝罪をした。

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