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2010年4月

2010.04.23

慎ましやかな技術革新――英エコノミスト誌

英エコノミスト誌2010年4月15日号では、新興国における技術革新の特集を組んでいますが、その中で、「慎ましやかな技術革新」(frugal innovation)について触れています。

The new masters of management
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=15908408
Even more striking is the emerging world’s growing ability to make established products for dramatically lower costs: no-frills $3,000 cars and $300 laptops may not seem as exciting as a new iPad but they promise to change far more people’s lives. This sort of advance-dubbed “frugal innovation” by some-is not just a matter of exploiting cheap labour (though cheap labour helps). It is a matter of redesigning products and processes to cut out unnecessary costs.

《さらに驚くべきことは、新興国の、すでにある製品のコストを劇的に安くする能力が高まっていることである。余計な装備のない3000ドルの車や300ドルのノート・パソコンは、新型のiPadほど、エキサイティングでは無いかも知れないが、それらの商品は、はるかに多くの人々の生活を変えることが約束されている。この種の進歩は――ある人々からは「慎ましやかな技術革新」と呼ばれているが――安い労働力を搾取しているわけではない(もちろん安い労働力は助けになっているが)。不必要なコストをカットするために製品や製造ブロセスの再設計を行っている点が重要である。》

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マイクロソフトの十の失敗作――英デイリー・テレグラフ紙

英デイリー・テレグラフ紙が、マイクロソフト製品のワースト10をカウント・ダウン方式で紹介しています。

Microsoft's 10 worst products
http://www.telegraph.co.uk/technology/microsoft/7614408/Microsofts-10-worst-products.html

10. PlaysForSure (音楽用DRMフォーマット)
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9. Windows Mobile
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8. Zune
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7. Microsoft Bob (家庭に模したGUI)
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6. Microsoft Ultra Mobile PC
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5. Windows Me
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4. Microsoft Mira (無線LAN接続の液晶ディスプレイ)
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3. Microsoft Office Assistant
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2. Internet Explorer 6
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1. Windows Vista
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2010.04.22

新聞が空港の売店から撤去される

火山灰によって飛行機のエンジンが火を噴いているイメージ写真を一面に掲載したイギリスのタブロイド紙『デイリー・スター』が、ガトウィック空港とマンチェスター空港の売店から撤去されました。

Daily Star pulled from airports over volcano ash splash
http://www.guardian.co.uk/media/2010/apr/21/airports-pull-daily-star
Copies of today's Daily Star have been removed from airport newsagent shelves today over fears that its splash, headlined "Terror as plane hits ash cloud" with an image of a 747 with engines ablaze, could cause panic among travellers.

デイリー・スター紙が、空港の売店から撤去されました。理由は、『飛行機が灰の雲に直撃する恐怖』という見出しと、ボーイング747のエンジンが火を噴いているイメージが、旅行客にパニックを起こすのではないか、という配慮からです。

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このイメージ写真は、28年前にBA747のエンジンが火山灰によって炎上した時の様子を再現したテレビ番組からとられたものです。以前に、『ナショナル・ジオグラフィック・チャンネル』で放映されてもので、ふたたびイギリスの地上波で放映されることが決まっています。

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2010.04.21

ハング・パーラメントに対する各国の反応……英エコノミスト誌

イギリスの総選挙では、どの政党も過半数をとれないハング・パーラメント(Hung Perliament=宙吊り状態の議会)となる可能性が高いようです。その結果として、連立政権が構成されることになりますが、イギリス政治においては、初めてに近い経験のため、英エコノミスト誌が、外国メディアの反応や、似たような事例をまとめています。

Pick your poison
http://www.economist.com/world/britain/displayStory.cfm?story_id=15942944
The Liberal Democrat surge showing the deficiencies of Britain's electoral system, our Charlemagne columnist warns that government by coalition has its own pitfalls

・スペインの外交官が新聞に寄稿
「ハング・パーラメントが問題である、と考えるヨーロッパの国はありませんよ」

・フランスのテレビ局
「二大政党制の慣れ親しんだ大英帝国にとっては、(ハング・パーラメントは)なにがなんだかわからないでしょう」

・オランダの雑誌編集者
「まず小選挙区制を改めるべき。イギリス人は妥協が政治的不安定の源泉と考えているが、まずそれを改めるべきでしょう。ヨーロッパの多くの国は比例代表選挙を採用している。スコットランドでも、マイノリティが参加できる制度を採用しているからできるはず」

このほかベルギーや欧州連盟、スコットランドにおける連立政権の実態がまとめられていますが、やはり、初めてに近い政治体験に困惑しているようです。

[参考]
イギリスの総選挙、保守党が第一党か――英エコノミスト誌
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/04/post-db1b.html

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2010.04.15

アメリカ議会図書館がTwitterをアーカイブとして保存へ

アメリカ議会図書館(Library of Congress)は、Twitter社のミニブログ・サービス上の「つぶやき(tweets)」をアーカイブとして保存することで同社と合意した、と発表しました。同図書館では、すでに十年前からウェブ・ページやオンライン・ニュース、文書などの記録を行っており、すでにそのデータ量は167テラ・バイトを超えているそうです。

Library of Congress Will Save Tweets
http://www.nytimes.com/2010/04/15/technology/15twitter.html

Library officials explained the agreement as another step in the library’s embrace of digital media. Twitter, the Silicon Valley start-up, declared it “very exciting that tweets are becoming part of history.”

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同図書館では、今回の合意は、デジタル・メディアのアーカイブ化のさらなるステップの一つである、と説明しています。また、Twitter社は、「つぶやき(tweets)が、歴史の一部になり、とても興奮している」とのコメントを発表しています。

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2010.04.10

日経新聞ウェブ版のリンク制限を、米NYタイムスが報じる

日経新聞のウェブ版が、直接リンクを禁止した件が、米NYタイムズ紙でも紹介されています。

Nikkei Restricts Links to Its New Web Site
http://www.nytimes.com/2010/04/09/technology/09paper.html?ref=technology
Japan’s largest business newspaper, the Nikkei, joined the trend of other news sites last week by requiring readers to pay to view its Web site. But, in a twist, it also imposed a policy severely restricting links to its articles — or even its home page.
...But the policy has brought a storm of fury and derision in the blogosphere in Japan.

記事中では、なぜ直接リンクを禁じたかについて、「不適切なサイトで株価操縦に使われないようにするため」という日経新聞サイドの言い分を紹介しています。

また、これに対する批判の声も、ジャーナリストの佐々木俊尚はじめ複数紹介されており、記事の最後は、産経新聞のウェブ版担当者の次のような言葉で締めくくられています。「我々は、そんな制限はまったく考えていません。リンクはフリーにすべきです」。

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2010.04.09

フジテレビがイギリスのTV番組制作会社フリーマントルと提携

フジテレビが、イギリスのTV番組制作会社フリーマントル社と提携することになりました。相互に社員を派遣して、番組制作のノウハウを蓄積し、世界に向けて番組のフォーマットを販売する計画のようです。

Britain leads the way in selling global TV formats
http://www.guardian.co.uk/media/2010/apr/05/britain-tv-formats-sales

the UK's share of global format sales to new territories jumped from 29% to 41% in 2009, leap-frogging the US and putting Britain back at No 1 after a one-year gap.

英ガーディアン紙の記事によると、イギリスのテレビ番組フォーマット販売の世界シェアは2009年には、41%と前年の29%から大幅に伸びています。

フジテレビと提携する英フリーマントル社は、無名の歌手スーザン・ボイルを世界的なスターに押し上げた Britain's Got Talent などを手がけたことで有名です。同社の2009年の売上は11億8000万ユーロ(1480億円)とのこと。

国別に見ると、番組販売の上位は、イギリス、オランダ、アメリカに続いて、日本は4位となっています。

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2010.04.08

アメリカの2009年の電子書籍販売は3億ドル超

米出版社協会 (The Association of American Publishers = AAP) が7日に発表したデータによると、2009年の電子書籍の販売額は3億1300万ドル(約290億円)で、書籍全体に占める割合は1.3%だった。

AAP Reports Book Sales Estimated at $23.9 Billion in 2009
http://www.publishers.org/main/PressCenter/Archicves/2010_April/BookSalesEstimatedat23.9Billionin2009.htm
...U.S. publishers had net sales of $23.9 billion in 2009, down from $24.3 billion in 2008, representing a 1.8% decrease... E-books overtook audiobooks in 2009 with sales reaching $313 million in 2009, up 176.6%.

AAPの推計によると、2009年のアメリカの書籍の販売額は、239億ドル(2兆2200億円)で、2008年の243億ドル(2兆2600億円)から1.8%減少した。一方、電子書籍の販売額はオーディオ・ブックを上回り、2.8倍増の3億1300万ドル(290億円)となった。

書籍全体に占める電子書籍の比率は1.3%で、米プライスウォーターハウス・クーパースによる推計値1.5%に近いデータとなっている。

[参考]
2009年の北米における電子書籍の販売額は書籍全体の1.5%――英エコノミスト誌
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/04/200915-a90c.html

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2010.04.07

イギリスの総選挙、保守党が第一党か――英エコノミスト誌

イギリスの総選挙は5月6日に予定されていますが、英エコノミスト誌は、世論調査をもとにした推計として、保守党の獲得議席は283、労働党が273と報じています。

Room at the top
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=15841541

A year ago the Tories had a double-digit lead over a ragged and squabbling Labour Party. The election seemed theirs for the losing. But as the economy improved so did Labour’s prospects. In the last week of March, a poll of polls showed the Tories on 37% and Labour on 31%.
If voters in every constituency voted just like that, and third parties stayed roughly the same, the Tories would emerge with 283 seats and Labour with 273...

1年前、保守党は、ボロボロで口論の絶えない労働党に対し支持率で10%以上リードしていました。しかし、経済状態が上向くとともに労働党への支持も回復し、3月の最終週に行われた世論調査では、保守党37%、労働党31%と、その差もつまってきました。

有権者が、この支持率どおりに投票すると仮定すると、獲得議席は保守党283、労働党273となります。これは、いずれの党も、過半数の326議席に届かない、ハング・パーラメント(Hung Parliament)=「宙吊り状態の議会」となります。同じような状態は1974年2月の選挙で少数与党となった労働党政権で発生しましたが、経済的混乱を招いて10月にふたたび選挙を行うはめになりました。

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5%の票が保守党に流れた場合、濃い赤(労働党の議席)と濃い黄色(自由民主党)が保守党へ
5%の票が保守党から他党へ流れた場合、紺色(保守党の議席)が労働党へ、青色(保守党の議席)が自由民主党へ流れる

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2010.04.06

FTはパーフェクトなデジタル化のモデルなのか?――英ガーディアン紙

5日付けの英ガーディアン紙が、Is the Financial Times the perfect digital model? (FTはパーフェクトなデジタル化のモデルなのか?) と題し、今年で十五周年を迎えたft.comのビジネス・モデルを検証する記事を掲載しています。

Is the Financial Times the perfect digital model?
http://www.guardian.co.uk/media/2010/apr/05/financial-times-digital-model/print

Last year, amid the greatest recession in the history of the financial system, the Financial Times turned a profit... Rival newspaper publishers look at its mixture of online paywalls, increasing subscriptions and cover prices and hope to see a panacea for their current ills.

昨年、金融システムの歴史において最大の景気後退のさなか、フィナンシャル・タイムス(FT)は利益を計上しました。ライバルの新聞社は、オンライン版の無料と有料を混ぜた課金システム、定期購読の増加や定価の引き上げに注目し、自らの苦境に対する特効薬を見つけられないかと期待しています。

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記事によると、3つの主要なポイントが指摘されています。まず1つ目は、価格の引き上げ。紙のFTの価格は現在2ポンド(285円)ですが、これは2007年に比べて倍になっています。また、オンライン版のft.comの年間購読料は3年前の65ポンドから170ポンド(2万4000円)へと引き上げられました。

2つ目はオンライン広告。ft.comのユニークユーザー数は1140万人で、年間の広告収入は3000万ポンド(42億円)をやや下回る水準とのこと。

3つ目のポイントは、あまり大っぴらには語られていないことですが、FTが50%の株式を保有している週刊経済誌 The Economist からの利益があるそうです。

これら3つのポイントの前提として、金融情報には金を払ってもよいという読者が多いこと、そして、それは仕事上の費用としてみなされているために抵抗がないこと、があげられています。

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2010.04.04

2009年の北米における電子書籍の販売額は書籍全体の1.5%――英エコノミスト誌

英エコノミスト誌の2010年3月31日号に、電子書籍に関する記事が掲載されました。記事中に、アメリカのコンサルタント会社プライスウォーターハウス・クーパースの推計として、2009年の北米における電子書籍の販売額は、書籍全体の販売額の1.5%だった、と伝えられています。

E-publish or perish
http://www.economist.com/business-finance/PrinterFriendly.cfm?story_id=15819008

PricewaterhouseCoopers, a consultancy, reckons e-books will represent about 6% of consumer book sales in North America by 2013, up from 1.5% last year (see chart). Carolyn Reidy, the boss of Simon & Schuster, another big publisher, thinks they could account for 25% of the industry’s sales in America within three to five years. She may well be right if the iPad and other tablet computers take off, the prices of dedicated e-readers such as Amazon’s Kindle keep falling and more consumers start reading books on smart-phones.

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上のグラフにもあるように、プライスウォーターハウス・クーパースの推計では、2009年の北米における電子書籍の販売額は、書籍全体の販売額の1.5%で、これが2013年には5.8%にまで拡大する、と予測しています。

一方、Simon & Schusterという出版社のCarolyn Reidyは、今後3年から5年のうちに、この比率が25%にまで拡大する、という予測を示しています。一見、過大な予測のようですが、アップルのiPadやアマゾンのKindleがたくさん売れるようになると、価格が下がり、より多くの人が購入するようになるから、彼女の予測も正しいかもしれない、と同誌では見ています。

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2010.04.01

ロシア人富豪によるインディペンド紙買収に異議あり

イギリスの高級紙インディペンデントが、ロシア人富豪のアレクサンドル・レベデフ氏によって買収されましたが、これに対して、同じくイギリス高級紙であるガーディアンが、異議を唱える広告を雑誌に掲載しました。

Guardian ads poke fun at new Independent ownership
http://www.guardian.co.uk/media/2010/mar/30/guardian-independent-ads#
The Guardian is running an ad in media trade magazines this week questioning the editorial independence of the Independent under its new owner, Russian businessman Alexander Lebedev.

ロシア人富豪のアレクサンドル・レベジェフ氏は、ロシアの日刊紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)の49%の株を所有しており、2009年には、ロンドンの夕刊紙イヴニング・スタンダード紙の支配的な株式を取得しています。そして同氏は、先頃、インディペンデント紙と、その日曜版であるインディペンデント紙を買収することが認められました。

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これに対して、ガーディアン紙は、イギリスの広告業界紙マーケティングに、意見広告を出しました。これはインディペンデントのタイトル・ロゴをロシア風にアレンジしたもので、下部には「誰にも支配されていません。何を言うのも自由です。ガーディアン」(Owned by no one. Free to say anything. The Guardian.)と記されています。

やはり外国人、それも元KGBという経歴の持ち主によって、高級紙の経営を支配されることに対し、イギリスの新聞界には相当なアレルギーがあるようです。

イギリスで起きていることと同じようなことは、多少かたちをかえて日本でも起きています。日本でも、外国人オーナーが新聞社を買収するなんてことは、「起こりうる未来」だとも思えますね。

※元の記事の日付は3月30日なのでエイプリル・フールではないと思います。念のため。

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