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2010年7月

2010.07.29

任天堂、マジコン訴訟で勝訴――イギリスでは輸入、宣伝、販売を禁止へ

イギリスで争われていたニンテンドーDSのマジコン訴訟において、任天堂が勝訴した。イギリスの最高裁判所は、28日、任天堂の訴えを認めて、マジコンなどの英国への輸入や、宣伝、販売を違法とする判決をくだした。

Game copiers for Nintendo DS ruled illegal in UK
http://www.bbc.co.uk/news/technology-10790835
A High Court has ruled that devices that allow gamers to play pirated video games are illegal in the UK.

訴えられていたのは、Playables Limited という会社で、裁判において、同社は「マジコンは、自分で作ったゲームを楽しむためのもの」という主張を行ってきた。しかし、イギリスの最高裁判所は、「こうした主張は事実として認められない」と判断した。

任天堂は、「裁判所が、被告の主張を退けたことを歓迎する」とのコメントを発表した。任天堂の勝訴は、7月11日にオランダでくだされた判決に続くもの。

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2010.07.26

米政府がWikileaksを非難――アフガニスタン機密ファイル漏洩問題

政府や企業などから漏洩した機密情報を公開するウェブサイト WikiLeaks (ウィキリークス)が、25日、アフガニスタン戦争に関する機密ファイルを公開した。同団体は、これらの情報を事前に米ニューヨーク・タイムズ紙、英ガーディアン紙、独シュピーゲル誌に提供し、情報の信憑性が確認されている。米政府は、「国家の安全保障が危険にさらされている」と、WikiLeaksを非難するに至っている。

US says Wikileaks could 'threaten national security'
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-10758578
The United States has condemned as "irresponsible" the leak of 90,000 military records, saying publication could threaten national security.

WikiLeaksは、アフガニスタン戦争に関連する機密ファイルを"Afghan War Diary"というタイトルで公開した。同じ内容のものは、英ガーディアン紙や米ニューヨーク・タイムズ紙でも公開されている。

WikiLeaks.org: Afghan War Diary
http://wardiary.wikileaks.org/
The Guardian: Afghanistan the War Logs
http://www.guardian.co.uk/world/series/afghanistan-the-war-logs
The New York Times: The War Logs
http://www.nytimes.com/interactive/world/war-logs.html

アメリカの国家安全保障担当大統領補佐官 James Jones 氏は、機密情報が公開されたことを非難し、米国民の生活や国家の安全が脅かされる、WikiLeaks を非難している。

一方、WikiLeaks の創設者である Julian Assange (ジュリアン・アサンジ)は、ロンドンで開いた記者会見で、「これらの情報が語っていることは、これが戦争だ、ということだ」と、情報公開の正当性を強調した。また、同氏は、今回の情報公開は、旧・東ドイツの秘密警察シュタージの機密ファイルが公開されたことと同じくらいのインパクトがある、としている。

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2010.07.21

英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者数は90%減少か?――ライバル紙が推計

英タイムズ紙は、7月2日より本格的にニュース・サイトへの課金を開始しましたが、これにより、どれくらい読者数が減ったのかについて、ライバルである英ガーディアン紙の記者が、より実態にせまった推計を行っています。

Times loses almost 90% of online readership
http://www.guardian.co.uk/media/2010/jul/20/times-paywall-readership
The Times has lost almost 90% of its online readership compared to February since making registration mandatory in June, calculations by the Guardian show.

やはり英タイムズ紙のニュース・サイト課金が読者数にどのような影響を与えたのかについては、同業者でも非常に気になるようで、英ガーディアン紙の Josh Halliday 記者が必死の推計を行っています。

まず、推計の元になるデータは、インターネット・トラフィックの調査機関 Experian Hitwise が7月17日に発表した数値。

英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者は66%減
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/07/66-7458.html

このデータでは、7月2日に本格的な課金を開始して以降の一週間と、それ以前の時期を比べて、「読者数は66%減少した」としています。しかし、課金開始5週前から読者登録を要求するようになってからは、すでに読者数が減っていたことがわかります。

英ガーディアン紙の Josh Halliday 記者は、このデータをベースに、さらに、いろいなデータや証言を加えて、複雑な推計を行っています。これについては、かなり難しいので、気になる方は、記事を参照してください。結論を言えば、課金開始に伴う読者登録などが始まる前に比べて、英タイムズ紙のニュース・サイトの読者数は、「90%減少した」ということになるようです。

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2010.07.20

英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者は66%減

7月2日より、ニュース・サイトでの課金を本格的に開始した英タイムズですが、課金後の読者数は66%も減少したそうです。ただしこの落ち込み幅は、事前の予測よりも、小さかったとのこと。

New paywall costs the Times 66% of its internet readership
http://www.guardian.co.uk/media/2010/jul/18/times-paywall-readership
Charge for access to website sees newspaper's online audience fall to 33% of its previous size - better than many had expected

英タイムズは、6月より、ニュース・サイトへの課金を試験的に開始し、7月2日からは、本格的に実施しました。

[参考]英タイムズ紙、6月よりウェブ課金へ
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/03/6-705b.html

7月17日に、インターネット・トラフィックの調査機関 Experian Hitwise が発表したデータによると、英タイムズのニュース・サイトが本格的にペイウォール(Pay Wall = 課金の壁)が開始された7月2日からの一週間では、それ以前に比べて閲覧者数は66%減少の33%だったそうです。Experian Hitwise では、90%減の10%との予測を出していたので、それに比べれば、落ち込み幅は小さかったようです。

20100720thetimes

ただし、Experian Hitwise によると、7月2日以前の5週間に、読者に事前登録を求めた結果、この時点で読者数は58%も減っていたそうです。

[参考]英タイムズ紙もリストラなう
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/05/post-9f64.html

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ブックリベレイター(BookLiberator)――本を簡単にデジタル化できる新商品

本や雑誌をスキャンしてデジタル化することが流行りつつあるようですが、そのためにスキャンする前に本や雑誌を裁断する必要があります。しかし、アメリカで発表された、ブックリベレイター(BookLiberator)という新商品は、本をばらすことなくデジタル化が行えるそうです。

BookLiberator Lets You Make E-Books Cheaply (And Is Definitely Not Intended For Copyright Violation!)
http://blogs.forbes.com/firewall/2010/07/19/bookliberator-lets-you-make-e-books-cheaply-and-is-definitely-not-intended-for-copyright-violation/
Their invention, on display over the weekend at the HOPE hackers conference in New York: the BookLiberator, a simple contraption of poplar wood, screws, plexiglass, and two mounted digital cameras.

20100720bookliberator001

BookLiberatorは、7月16-18日に、米ニュー・ヨークで開催されたHOPEというハッカーのためのイベントで発表されたものです。直角に本を載せる台と、木で作られた箱形の枠にガラスが貼られ、両脇に、2期のデジカメが取り付けられた木枠が一つのセットとなります。

価格は台と木枠のセットが120ドル(1万円)、2基のデジカメが200ドル(1万7000円)の計320ドル(2万8000円)と、本をデジタル化するための機器としては格安です。実際に使っているところは、Youtubeの動画でみることができます。

http://www.youtube.com/watch?v=XNfQb0NZjWY

20100720bookliberator002 まず、直角に開いた台の上に本を開いて載せます。そして、その上に両脇にデジカメが取り付けられた木枠を載せます。

20100720bookliberator004 それぞれのデジカメで本のページを撮影します。

20100720bookliberator003 撮影が終了したら、手で木枠を持ち上げて、手でページをめくります。こうすれば本を裁断することなく、本をデジタル化することができます。撮影できるページ数は、1分間に15ページ以上とのこと。

このブックリベレイター(BookLiberator)を考案したのは、James Vasile と Ian Sullivan で、彼らは、 QuestionCopyright.org という団体に参加して、著作権をもっと自由化すべきという運動を行っています。

QuestionCopyright.org
http://questioncopyright.org/

しかし、少なくとも、このブックリベレイター(BookLiberator)に関しては、いかなる著作権法にも抵触していないとのことです。

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イギリスでは地デジへの移行が順調なようで……

イギリスでも2012年までに、テレビの地上波放送はアナログからデジタルへと切り替えられますが、その移行は、思ったよりもスムーズに進んでいるようです。

Retailers stop sales of analogue TV sets as digital switchover approaches
http://www.guardian.co.uk/media/2010/jul/06/analogue-television-digital-switchover
The death of the analogue television set was officially confirmed today, nearly 85 years after John Logie Baird held his first public display of the capabilities of the box in the corner of the living room that has tranformed our lives.

英ガーディアン紙の記事によると、イギリスでは、6月にアナログ・テレビが1台も売れなかったそうで、85年前にアナログ・テレビの販売が開始されて以来、初めてのことだそうです。アナログ・テレビの在庫も無くなったため、同紙は、これを「アナログ・テレビの死」( The death of the analogue television set  )と報じています。

イギリスでは、2005年から地域ごとに地デジ( DTT = digital terrestrial television )への移行が進められてきました。面積でみると、すでに約20%の地域で、地デジ化が完了しており、2012年末までに、イギリス全土で、地デジへの完全移行を終えます。ロンドンは、最後にアナログ放送が停止される地域に含まれています。

イギリスにおける2680万のテレビ視聴世帯のうち、すでに2380世帯が、地上波デジタル、衛星放送、ケーブル・テレビのいずれかを経由して地デジ放送を視聴できるようになっています。

地デジへの移行が、当初の予測以上に順調に進んでいる理由として、地域のチャリティ・グループの人々が、老人などに対して、これから何が起こるかについて丁寧に説明したことがあげられています。こうした地道な活動は、テレビなどの広告によるキャンペーンよりもずっと効果的かつ効率的であり、当初の広報予算2億ポンド(263億円)のうち5500万ポンドが余ってしまって、国庫に返還されることが決まっています。この余剰資金は、ブロードバンドの敷設に使われるとのこと。

また、経済的弱者に地デジ・チューナーを買い与えるための資金として、BBCのライセンス料からプールした予算のうち2億5000万ポンドが余る見通しとのこと。イギリスでは、地デジへの移行が、予想以上に順調に進んでいるようです。

[参考]
イギリスの「アナログ停波」告知キャンペーン
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2006/05/post-5aa7.html

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2010.07.19

BBCのiPhoneアプリはどうなった?

BBCが、英国内向けにニュースとスポーツ情報を配信するiPhoneアプリの提供を開始しようとしたところ、イギリスの新聞業界から「待った」がかかった、というニュースがありましたが、その後、どうなったのでしょうか?

BBCのiPhoneアプリに対し英新聞界が「待った」
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/02/bbciphone-7005.html
BBCのiPhoneアプリに対し、もう一度「待った」
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/03/bbciphone-7625.html

What happened to BBC mobile apps?
http://www.mynextfone.co.uk/blog/entry/what-happened-to-bbc-mobile-apps
Reports suggest that Newspapers Publishers Association were trying to get the apps blocked from being launched saying that the BBC would damage the nascent market for apps. Though various newspapers already have iPhone apps.

上記の"What happened to BBC mobile apps?"(BBCのモバイル・アプリに何が起きたのか?)というタイトルの記事が書かれたのは7月7日ですが、この時点でも、まだイギリスの主要紙が加盟するNPA(Newspaper Publishers Association)が、BBCの監督機関であるBBC TrustにiPhoneアプリの審査を要求した状態のままであることがわかります。つまり、3月以降、まったく進展が無い、ということになります。

現状では、BBCが提供しているiPhone/iPadアプリは、BBC Worldwideが提供している国際ニュース/スポーツということになります。これらは、英国外でも視聴できるようです。

BBC News By BBC Worldwide
http://itunes.apple.com/us/app/bbc-news/id364147881?mt=8#

また、iPhone/iPod Touchを含むスマート・フォンでは、ウェブ・ブラウザーを介してiPlayerという番組閲覧用のプラグイン・ソフトを利用することができます。ラジオ番組などは、英国外でも利用できるようです。

20100719bbc

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2010.07.10

無料紙になったロンドンの夕刊紙イヴニング・スタンダードが黒字化か?

2009年10月から、無料紙になったロンドンの夕刊紙イヴニング・スタンダードが、6月の第三週に一週間だけですが黒字化した、と報じられています。

Freesheet London Evening Standard on target to turn loss into profit
http://www.guardian.co.uk/media/2010/jun/21/freesheet-london-evening-standard-profit
Last week the company managed to break even for the first time since it was acquired in January 2009 by Alexander Lebedev and his son, Evgeny who used a free newspaper model. It was only for that one week, but the very fact that the trend - showing income rising as costs fall - is up at all is remarkable at a time when newsprint publishers in Britain are suffering record losses.

Roy Greenslade の記事によると、同紙は、6月の第三週の一週間だけですが、無料紙化して以来初めて、損益分岐点に達した、とのこと。これは、広告収入が増えるとともに、コスト削減が進んできたことの現れであり、赤字に苦しんでいるイギリスの新聞界にとっては朗報であるとのこと。

具体的には、現在、同紙の一週間の制作コストは110万ポンドで、広告収入も110万ポンドに達したそうです。同紙は、2012年通期での黒字化をめざしており、現在毎日60万部の部数を、75万部にまで増やしたいとのこと。

イヴニング・スタンダードは、2009年2月に、ロシア人富豪のアレクサンドル・レベデフ氏に買収され、10月からは、それまで有料紙だったものが無料紙として配布されるようになりました。

[参考]英夕刊紙、無料化で読者数が倍に
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/02/post-8f65.html

ちなみにレベデフ氏は、2010年3月には、イギリスのインディペンド紙も買収しており、こちらもロンドンに限り無料紙化を検討しているとのこと。

[参考]英インディペンデント紙がロンドンで無料紙化を検討
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/05/post-4fcc.html

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米CNNのエディターがtwitterの発言により解雇

CNNの中東担当シニア・エディターの Octavia Nasr が、twitter での発言が原因で解雇されました。彼女は、レバノンで活動するイスラム系政治組織ヒズボラの高官の死去に対して、「私が尊敬するヒズボラの偉大な人物の一人」( "One of Hezbollah’s giants I respect a lot." ) と発言したことが問題視されました。

CNN Drops Editor After Hezbollah Comments
http://mediadecoder.blogs.nytimes.com/2010/07/07/cnn-drops-editor-after-hezbollah-comments/
Ms. Nasr, a 20-year veteran of CNN, wrote on Twitter after the cleric died on Sunday, “Sad to hear of the passing of Sayyed Mohammed Hussein Fadlallah … One of Hezbollah’s giants I respect a lot.”

20100710cnn 7月4日、日曜日に死去したヒズボラの Grand Ayatollah Mohammed Hussein Fadlallah は、存命中にイスラエルやアメリカを非難し、イスラエル市民に対する自爆テロを賞賛していたとのこと。Octavia Nasr の twitter の発言は、コメントされた直後から、twitter ユーザーの間で問題視され、翌月曜日にはCNN側にも事態が伝わってしまいした。

この後、Octavia Nasr は謝罪のコメントを発表しましたが、CNNとの話し合いによって、水曜日に解雇されたそうです。

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2010.07.02

『もしドラ』を英エコノミスト誌が紹介

日本で100万部を超えるベストセラーとなった『もしドラ』こと『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』が、英エコノミスト誌で紹介されました。

記事の冒頭では、眼鏡メーカーZOFFの社長が、部下に『もしドラ』を勧めるところから始まります。部下の一人である女性のセールス・マネージャーが、『もしドラ』を読み、ドラッカーのファンになったそうです。

[参考] Zoff http://www.zoff.co.jp/

出版元(ダイヤモンド社)によると、100万部に達した『もしドラ』の表紙は男性サラリーマンを狙った物だそうですが、読者の半数は女性だったそうです。また、『もしドラ』効果で、ドラッカーの『マネジメント - 基本と原則』(1973年)は、半年で30万部を売ったそうですが、過去26年間に売れた部数の3倍を半年で売ったことになるそうです。

Drucker in the dug-out
http://www.economist.com/node/16481583
Women remain an underused asset: only 61% of them work, their average income is less than half that of men and they occupy barely 1% of boardroom seats. If Drucker, with the help of a headstrong teenager, can posthumously change that, it would be his greatest gift to Japan.

記事は、日本では61%の女性しか働いておらず、平均給料は男性の半分以下で、女性役員は1%しかいない日本において、これをドラッカーが変えることができたら、日本にとって大きな贈り物になるだろう、と結んでいます。

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