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2010年9月

2010.09.30

どうなるSymbian?

携帯電話のOSとしては圧倒的なシェアを誇るのがSymbianですが、これに関して、米調査会社ガートナーによる2014年の市場予測が発表されているので紹介します。

Gartner: Symbian, Android to dominate in 2014
http://news.cnet.com/8301-13506_3-20016052-17.html
Gartner expects that Symbian and Android together will account for 59.8 percent of the total worldwide mobile OS market by 2014, split almost equally--Symbian with 30.2 percent, and Android with 29.6 percent.

これによると、2014年には、SymbianとAndroidが世界市場を支配しており、この二つOSのシェアは、あわせて59.8%となります。内訳は、それぞれ、Symbinaが30.2%、Androidが29.6%です。

これに続くのがアップルiOSの14.9%、ブラックベリーの11.7%で、マイクロソフトのWindows Mobileは3.9%にとどまっています。

もともとSymbianは、Nokiaの携帯電話で採用されている比率が高く、そのボリュームによってシェアトップが維持されます。また、Androidは、採用される携帯電話の数が増えており、追い上げると予想されます。

最近では、Symbian陣営の一角を占めていた英ソニー・エリクソンが、「Symbian搭載端末の開発はしばらく休止し、Androidを採用した端末の開発に力を入れる」ことを認めました。

Sony Ericsson Is Planning No New Symbian Products
http://www.businessweek.com/news/2010-09-24/sony-ericsson-is-planning-no-new-symbian-products.html
“We have no plans for the time being to develop any new products to the Symbian Foundation standard or operating system,” Aldo Liguori, a spokesman for the London-based company, said by telephone today.

下記の2006年9月の時点での市場予測では、「スマートフォン向けのOSとしては、SymbianとWindows Mobileが順調に出荷数を伸ばす」とされていますが、実際にはSymbianとAndroidの二強へと移行しそうです。

【特別レポート】携帯電話用OSの市場予測
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2006/09/os-d348.html

伏兵のAndroid、iOSが伸びてきており、まさに戦国時代の様相を示しています。また、モバイル分野での、マイクロソフトの退潮ぶりも気になるところです。

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2010.09.15

菅直人勝利の一考察――日本のポストモダン Scene1

『日本のポストモダン』を考察するシリーズを始めたいと思います。その第1回は、なぜ民主党の総裁選で菅直人が勝利したのか、なぜ小沢一郎は負けたのか、について。

『日本のポストモダン』というシリーズは、近代化(モダナイゼーション)を終えた日本が、次のステップ、つまりポスト・モダンへと移行しつつある状況を、思想的にではなく、個別のトピックをもとに考察していくものです。参考にしている文献は、猪瀬直樹の『ミカドの国の記号論』です。これのゼロ年代版というわけです。

実は、このシリーズは、もっと早く始めようと思っていたのですが、「民主党総裁選では菅直人が勝つ」という結論が導き出されてしまったために、小沢一郎に勝って欲しかった私としては、忸怩たる思いがして始められなかったのですが、ようやくふんぎりがつきました(笑)。

以前、ニルス・プラネルというフランス人が書いた『僕が猪瀬事務所で見たニッポン大転換』という本の書評を書いたことがありますが、その中で、私は次のようなことを書いています。

▽フランス人ジャーナリストが見た猪瀬直樹と小泉改革
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/01/post-3af6.html
《最近の政治状況と関連して、本書の記述で目を引くのが、小泉純一郎は、日本で初めて地方で暮らしたことがないまま、総理大臣になった人物という指摘。確かに、小泉以前は、地方出身者が総理大臣を務めてきたし、小泉以降は、安倍、福田、麻生と、選挙地盤は地方のままだが、幼少期から東京で過ごしている政治家ばかりである。》

さて、麻生の次に総理大臣になった民主党の鳩山由紀夫は、選挙区こそ北海道ではあるものの、東京・音羽で生まれた東京生まれ東京育ち。また、菅直人は山口県で生まれ育ったものの、高校二年に東京に移ると東京工業大学に進学し、卒業後は、東京の選挙区を地盤として社会民主連合から出馬、その後は、さきがけ、民主党と東京の意見を代表する政治家として活躍してきました。

一方の小沢一郎は、生まれは東京ですが、3歳の時に岩手県に疎開して中学までは岩手で過ごし、選挙地盤は岩手という地方の意見を代弁する政治家として活動してきました。何より、田中角栄以来の、地方への利益誘導型政治の継承者でもありました。

ところで、かつて2001年の自民党総裁選において小泉純一郎は、「自民党をぶっ壊す」と発言して大衆の人気を集めたことを覚えていると思います。

▽小泉純一郎が本当にぶっ壊したものとは?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2008/10/post-fb1b.html
《「自民党をぶっ壊す」と発言して自民党総裁選を勝ち抜いた小泉だが、小泉の言う「自民党」は、実は経世会を指していたに過ぎなかった。》

つまり、小泉以降の政権には、二つの側面がありました。一つは、経世会の破壊。そして、もう一つは、経世会に構築された地方への利益誘導システムに対する東京からの異議申し立て。

日本の近代化は、地方への公共投資によって成し遂げられたものであり、その構造を破壊していく過程は、ポスト・モダンへの移行期へととらえることができます。

菅首相は参院選の前に、「増税して社会保障へ」という政策を掲げました。これは、マクロ経済学的には、ほとんど効果は無いどころか、さらなる景気悪化を招きかねない愚策ですが、ただ、その意図するところは、バラまく対象が地方への公共工事ではなく、人口の多い都市部に現金を投下することです。民主党のマニフェストにあった「コンクリートから人へ」も同じでしょう。

つまり、今回の民主党代表選は、小泉政権から始まった「経世会の破壊」と「地方への利益誘導型政治システムの破壊」の二つが、ようやく成し遂げられたということができると思います。今後も「政局」はあるでしょうが、もはや小沢一郎が政治の世界で実権力を握ることはないと思います。

こうしてみると2001年4月の自民党総裁選から2010年9月の民主党代表選までが、日本のモダンからポストモダンへの移行期ととらえることができるでしょう。

◆日本のポストモダン #1
経世会の崩壊と地方へのバラ巻き政治の終焉
移行期間:2001年4月-2010年10月

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