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2010年10月

2010.10.27

英タイムズのオンライン版の有料読者数は36万2000人

7月から、英タイムズ、英サンデー・タイムズ両紙のオンライン版の記事の有料化が開始されました。実際の読者数について、同紙は明らかにしていませんが、調査会社のニールセンが推計値を発表しました。

Times and Sunday Times paywall content 'has 362,000 monthly users'
http://www.guardian.co.uk/media/2010/oct/26/times-paywall-traffic-news-international

ニールセンの推計によると、有料化以前の3ヶ月間の読者数は月当たり310万人でした。これが、有料化後の平均値では、月当たり178万人と43%減少しました。さらに、このうちの20%、つまり36万2000人が、課金の壁(Pay Wall)を超えて、有料ページを閲覧した読者数のようです。

有料ページの読者数は、有料化以前の11%にまで落ち込んだ計算になります。ただ、この36万2000人が、新しい契約者かどうかは明らかになっていません。というのも、有料化以前からオンライン版に登録していた読者数は15万人にいて、そのうちの多くは、オンライン版の無料サービスや割引サービスを受けていることと、両紙の定期購読をしている読者は無料でオンライン版を読めるからです。定期購読者数は、英タイムズ紙が10万7000人、英サンデー・タイムズ紙が11万2000人とのこと。

有料化した結果、読者数は90%近く減少しましたが、実際にお金を払ってオンライン版を読んでいる読者数は、さらに少なくなっていることが伺えます。

[参考]
英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者は66%減
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/07/66-7458.html
英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者数は90%減少か?――ライバル紙が推計
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/07/pv90-cec4.html

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2010.10.20

どうなる日立――イギリス政府が大幅な歳出見直しへ

イギリスのオズボーン財務相は、20日(現地時間)、スペンディング・レビュー(Spending review)と呼ばれる大幅な歳出見直し案を発表しています。日立が優先交渉権を得ているグレート・ウエスタン本線とイースト・コースト本線の高速化事業は、見直しの対象となるのでしょうか?

North East transport link revamp gets the go-ahead
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-11584522
Hitachi was provisionally awarded a £7.5bn state contract to build express train carriages, with Newton Aycliffe as its preferred location.
Speaking to BBC Look North, Mr Cable said although the plans were not mentioned in the chancellor's speech, it was currently under government review and a decision would be made in the next few weeks.

日立は、高速鉄道の車両を製造する、総事業費75億ポンドの優先交渉権を獲得しています。ビジネス・改革・技術相のビンス・ケーブルがBBCのインタビューに答えたところによると、日立の関わるプロジェクトについて、「オズボーン財務省のスピーチでは触れられていない。現在、政府で見直し作業が行われている最中で、2~3週間以内に決定されることになるだろう」と答えています。

[参考]
日立に朗報?――イギリスの高速鉄道にゴーサイン
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/10/post-3686.html
どうなる日立の鉄道事業?――英タイムズ紙より
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/06/post-cfe5.html

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特捜神話の崩壊――日本のポストモダン Scene2

書評で魚住昭の『冤罪法廷』を紹介しました。叙述の中心は、郵便不正事件でしたが、それ以外にも、「特捜神話の崩壊」を印象づける事件がいくつも紹介されていました。

▽『冤罪法廷』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/10/post-c77c.html

9月10日に、大阪地裁で無罪判決がくだされた厚生労働省の村木元局長の弁護士をつとめたのは弘中惇一郎弁護士でしたが、同弁護士はロス疑惑の三浦和義、薬害エイズの安部英の無罪を勝ち取ったことでも知られています。

同弁護士は、三浦については、事件当時経営していた輸入雑貨店フルハムロードが儲かっていたので、そもそも保険金詐欺を行う必要がなかった、銃撃現場の写真に写っていた白いバンは実行犯が借りたバンとは別のものだった、そもそも三浦と実行犯が事前に共謀していた形跡はなかった、ことなどを立証して無罪を勝ち取ります。

一方、安部については、アメリカ人とフランス人のエイズ研究者に行った、安部に有利な嘱託尋問調書を検察側が隠していたことを指摘します。

また、当時の菅直人厚生大臣が官僚に命じて発見させた「郡司ファイル」なるものが、実は、単なるメモ書きを綴じただけのものだったようで、これは政治家としての菅直人の評価にも関わってくる事実だと思います。

ところで、三浦にしろ、安部にしろ事件当時のマスコミ報道によって刷り込まれた悪人イメージが強すぎたことから、二人の無罪判決は、むしろ裁判所の方がおかしいのではないか、と感じた人も多かったと思います。しかし、実は、検察の立てたストーリーが穴だらけだったり、被告に有利な証拠をわざと隠していたことがわかります。

本書では、このほかにも会計処理のミスを悪質な粉飾とみなしたライブドア事件、過酷な取り調べが行われたことが明らかになったリクルート事件、国策捜査という言葉を広めた鈴木宗男事件、小沢一郎の政治資金にまつわる事件、そして、検察の裏金を告発しようとした三井環を大阪地検特捜部が口封じした事件などが紹介される。

特に最後の裏金告発の口封じ事件について、魚住は、次のように述懐している。

《私の特捜感を最終的に決定づけたのは、すでに述べた、大阪高検公安部長の三井環が大阪地検特捜部の手で口封じ逮捕された事件(02年4月)だった。検察は組織を守るためならどんな非道なことでもやってのける。それを目の当たりにして私は恐怖に慄いた。》(p.273)

そして、魚住は、本書の最後に、こうも書いている。

《9月10日は、特捜神話が崩壊した日として歴史に記録されるだろう。》(p.281)

◆日本のポストモダン #2
特捜神話の崩壊
移行期間:2002年4月-2010年9月

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2010.10.05

日立に朗報?――イギリスの高速鉄道にゴーサイン

イギリスの交通省は、ロンドンからマンチェスター、リーズへの高速鉄道敷設の計画にゴーサインを出しました。これは、日立に関係があるのでしょうか?

Hammond gives high-speed rail line green light
http://www.ft.com/cms/s/0/b86c1886-cfe5-11df-bb9e-00144feab49a.html
Instead, the transport secretary said he would spend an extra £800m to press ahead with a “Y-shaped” route – proposed by the previous Labour government – which will split into two separate lines just north of Birmingham. One will go up via Manchester, connecting to the west coast main line, while the other will head east through Leeds to Newcastle to join the east coast main line.

労働党の前政権において提案されていた案は、ロンドンからマンチェスターを経てリーズを通る「S字ルート」というものでした。しかし、今回採用されたのは、バーミンガムを過ぎたところで、リーズ方面とマンチェスター方面の二手にわかれる「Y字ルート」というものです。

20101005railway

さて、かねてより話題になっている日立が高速鉄道車両の製造・保守事業に関する75億ポンド(約1兆円)の優先交渉権を持っている路線は、下記の記事によると、グレート・ウエスタン本線とイースト・コースト本線の二つです。

英鉄道事業の優先交渉権、日立製作所の獲得に怒りの声
http://www.afpbb.com/article/economy/2571529/3791584
《共同出資会社「アジリティ・トレインズ(Agility Trains)」が、ロンドン(London)と西部を結ぶグレート・ウエスタン本線(Great Western Main Line)、およびロンドンと北部を結ぶイースト・コースト本線(East Coast Main Line)に「超高速列車」を供給することになる。》

リーズからニューカッスルを経てエジンバラまでが、イースト・コースト本線の一部となります。ロンドンからニューカッスルまでの高速化については、まだ決定されていませんが、それでも今回の決定は、日立にとっては少し前進した、ということができるのかもしれません。ただ、全体的な状況としては、逆に、イースト・コースト本線の全面的な高速化は遠のいたということになるのかもしれません。

新しい線路の敷設工事は2015年より始まるとのこと。

[参考]
どうなる日立の鉄道事業?――英タイムズ紙より
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/06/post-cfe5.html

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2010.10.04

どうなるSymbian? その2

先日、ソニー・エリクソンが、「しばらくの間、Symbian OS搭載端末の開発は中止する」ことを明らかにしましたが、韓国のサムスンも、Symbianプラットフォームのサポートを2010年末までに終了すると、発表しました。

Termination of Support for Symbian
http://innovator.samsungmobile.com/bbs/tech/view.do?boardName=technology&messageId=99534
Samsung Mobile Innovator will discontinue its Symbian support service from December 31st 2010.   

Symbianファウンデーションは、ノキア、ソニー・エリクソン、NTTドコモ、AT&T、韓国サムスン、英ボーダフォンなど8社が、創設メンバーであったが、このうちの2社がSymbianから離れることになりました。

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