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2010年11月

2010.11.25

日立のイギリスにおける高速鉄道事業の正式決定は来年へ持ち越し

日立が優先交渉権を得ている、イギリスにおける鉄道の高速化事業について、英政府が25日にも決定すると報じられていましたが、正式決定は、来年に持ち越されることが発表されました。

U.K. Buys 2,100 Train Cars, Keeps Hitachi Waiting on InterCity Railway Bid
http://www.bloomberg.com/news/2010-11-25/u-k-to-buy-2-100-railcars-fund-express-train-program-to-ease-congestion.html
While Hitachi Ltd. of Japan was confirmed as preferred bidder for the Intercity Express Program, another proposal remains in the running and the contract won’t be awarded until next year, the Department for Transport said in a statement.

日立が含まれるコンソーシアム「アジリティ・トレインズ」が優先交渉権を獲得しているのは、「インターシティ・エクスプレス」と呼ばれるプロジェクトです。

これについて、イギリス運輸省は、日立などによるコスト削減を盛り込んだ修正案に加えて、全電化車両を採用する代替案の2つの案に絞り込んだ上で、この2つの評価を続け、来年あらためて正式決定する、と発表しました。

プロジェクト自体にはゴーサインは出たものの、日立が率いるコンソーシアムが選ばれるかどうかは不明ということのようです。ただ、「全電化車両を採用する代替案」なるものが唐突に出てきた印象もありますので、日立側からのさらなる譲歩を引き出したいとのイギリス政府の思惑があるのかもしれませんね。

[参考]
どうなる日立の鉄道事業?――英タイムズ紙より
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/06/post-cfe5.html
日立に朗報?――イギリスの高速鉄道にゴーサイン
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/10/post-3686.html
どうなる日立――イギリス政府が大幅な歳出見直しへ
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/10/post-e05c.html
日立の高速鉄道計画が承認される見通し――英紙伝える
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/11/post-bf9b.html

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2010.11.22

日立の高速鉄道計画が承認される見通し――英紙伝える

日立が優先交渉権を獲得しているイギリスの高速鉄道の更新計画は、財政支出削減のため、廃止される懸念があったのですが、どうやら承認される見通しであることが英サンデー・タイムズで報じられました。

Britain to approve $12 bln train project-paper
http://www.reuters.com/article/idUSLDE6AK03B20101121
Britain will replace its ageing Intercity Express trains at a cost of 7.5 billion pounds ($12 billion), a newspaper report said on Sunday.
A consortium consisting of Japanese industrial conglomerate Hitachi (6501.T) and British infrastructure project manager John Laing are the preferred bidders on the contract, the Sunday Times said.

21日付けの英サンデー・タイムズ紙によると、総額75ポンド(約1兆円)にのぼる高速鉄道の更新計画が、承認される見通しであると報じられました。このプロジェクトは、日立などで組織されているコンソーシアムに優先交渉権が与えられています。イギリスのハモンド運輸相は25日に計画を正式に承認する見通しだそうです。

というわけで、このブログを仕事中にのぞきに来る日立の社員のみなさんも、ほっと胸をなでおろしていることでしょう(笑)。

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2010.11.16

どうなるSymbian? その3

ノキアが、Symbian OSをオープンソースとして管理する団体Symbianファウンデーションを、ふたたび自社の管理下に置くことを発表しました。

Nokia reaffirms commitment to Symbian platform
http://www.nokia.com/press/press-releases/showpressrelease?newsid=1460185
Following an announcement by the board of the Symbian Foundation that it will be transitioning from its current operational activities to become a licensing operation only, Nokia today reaffirmed its commitment to the Symbian platform. Nokia plans to continue to invest its own resources in developing Symbian, the world's most widely used smartphone platform, and expects to deliver a strong portfolio of Symbian-based smartphones to people around the world. 

Symbian OSは、もともとはイギリスのPSIONという会社が販売していたEPOCという携帯情報端末のOSをベースに開発されたものです。ノキアが、PSIONを傘下におさめてSymbianというOSメーカーを設立しました。

Symbian OS上で作動するUI(ユーザー・インターフェース)として、ノキアはS60を開発、英ソニー・エリクソンなどはUIQというUIを採用しました。そして、2007年になると、米アップルのiPhoneや、米グーグルのAndroidに対抗するために、Symbian OSをオープンソースとして管理する団体としてSymbianファウンデーションを設立して、これらに対抗しようとしました。

しかし、この秋になると、韓国のサムスンや英ソニー・エリクソンが、Symbian端末の開発を中止することが発表され、Symbianの行方が注目されていました。そしてSymbian OSは、ふたたびオープンソースではなく、ノキア管理下に置かれることになりました。もちろん希望する携帯電話メーカーには、ライセンスが供与されます。

Symbianをめぐる戦略の背景には、かつてのPC市場を支配したウィンテル・モデルに対する警戒心が現れていました。WindowsとIntel製CPUという二つのプラットフォームに支配されてしまったPC市場に対抗するため、ノキアは常に複数のプレイヤーが協力するような体勢を作るように心がけてきました。

しかし……。

iPhoneにしろ、Androidにしろ、ウィンテル以上に単一のプレイヤーの支配力の高い製品がIT市場を席巻しつつあります。というわけで、ノキアの次の一手が注目されています。

Symbian still on top, but Android catching up
http://www.cnet.com/8301-19736_1-20022341-251.html
Driven by its year-long surge, Google's mobile OS took home a 25.5 percent share of the global market, jumping from just 3.5 percent a year ago. Though still on top, Nokia's Symbian continued to lose ground with a 36.6 chunk of the market, down from 44.6 percent in the year-ago quarter.

20101110gartner

米ガートナー社が発表した最新のデータ(2010年7-9月)では、Symbianが36.6%シェアトップ、次いでAndroidが25.5%で猛追しています。前年の同月と比べると、Symbianが44.6%シェアトップ、次いでAndroidが3.5%だったので、Androidの急成長ぶりが伺えますね。

[参考]
どうなるSymbian?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/09/symbian-9ae9.html
どうなるSymbian? その2
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/10/symbian-3f60.html

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2010.11.03

英タイムズのオンライン版、有料購読者数を公表

7月から、英タイムズ、英サンデー・タイムズ両紙のオンライン版の記事の有料化が開始されました。10月下旬に、調査会社のニールセンが36万2000人という推計値を発表しましたが、同紙は、これを受けて、正式なデータを公表しました。

UK Times’ Paywall Numbers: 105,000 Sales Since Summer, 50k Subs
http://paidcontent.org/article/419-uk-times-paywall-numbers-105000-customers-since-summer/
News International today announces that the new digital products for The Times and The Sunday Times have achieved more than 105,000 paid-for customer sales to date.

同紙の公表データによりますと、10万5000人がオンライン版の有料購読者とのこと。このうち、約半分が月刊購読をしている読者でiPad版やKindle版の読者も含まれています。残りの半分が1日1ポンドや1週間2ポンドのコースを選択した読者ということになります。

これとは別に、新聞の月刊購読者でオンライン版の購読登録している読者が10万人いるとのこと。あわせて20万5000人がオンライン版の読者と同紙では発表しています。

7月から4ヶ月で、購読者20万人は、なかなか厳しいんじゃないかと思います。あえて、私の意見を書くとすれば、ニュース・コンテンツで利益をあげられる可能性があるのは、

<1>アグリゲーション・モデル - Yahoo!やGoogle
<2>ビジネス・ニュース・モデル - FT.com
<3>コミュニティ・モデル

の3つだけです。最後のコミュニティ・モデルとは、ニュース・コンテンツを無料で配信して読者のコミュニティをつくり、広告やセミナーなどの付帯ビジネスで稼ぐというモデルです。私見では、これがうまくいく可能性があるのは、英ガーディアン紙です。

では英ガーディアンでは、どのようなコミュニティを作っているか? ヒントは下記のサイトにあります。

メディア: http://www.guardian.co.uk/media
教育: http://www.guardian.co.uk/education
社会: http://www.guardian.co.uk/society
技術: http://www.guardian.co.uk/technology
法律: http://www.guardian.co.uk/law

それぞれの専門サイトで、メディア、教育、社会、技術、法律に関心のある読者を集めて、そこに求人情報を掲載することで広告収入を得ています。なぜこれが可能かといえば、中道左派の英ガーディアン紙の読者は、理想に燃える若い人達で、自分の仕事に関する問題意識も高いわけです。

英ガーディアン以外でこのモデルが可能なのは、金融関係の求人広告を集めている英FT紙だけだと考えられます。

ぶっちゃけて言えば、読者の平均年齢が高い英タイムズ紙は、なにやっても衰退の一途、一握りのジャーナリストが生き残れるかも、という段階だと思います。

[参考]
英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者は66%減
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/07/66-7458.html
英タイムズのニュース・サイト、課金後の読者数は90%減少か?――ライバル紙が推計
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/07/pv90-cec4.html
英タイムズのオンライン版の有料読者数は36万2000人
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/10/362000-e210.html

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