2010.12.07

ネットサービスで訴えられないためには――ウィキリークス創設者逮捕に思ふ

ウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏が逮捕されたわけですが……。

ウィキリークスの創設者が逮捕
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/news/2010/12/post-7431.html

以前、『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』という本の書評をしたことがあるのですが、

その時、次のような疑問を呈したことがあります。

▽誰でもメディアの時代?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/04/post-45da.html
《しかし、いつも、この手の本を読んで思うのは、さすがに個人のレベルだと、訴訟やトラブルに巻き込まれた場合のデメリットが大きすぎて、それに、どう対処すればいいのかが明確ではない点ですよね。》

そして、昨日、『ウェブで儲ける人と損する人の法則』という本を下記のエントリーで紹介しましたが、

▽もしもホリエモンがフジテレビを買収していたら
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/12/post-b497.html

ネットニュースの編集者である著者が、ネットニュースがどのような基準で書かれるのかということに関して、「炎上・裁判沙汰を避ける」として次のような6点をあげています。

・特定個人を中傷する内容は書かない(クレームが怖いから)

・記者の主観を書かない(記者の顔が見えると読者からコメント欄でたたかれる)

・不祥事をしつこく追及しない。傷に塩を塗らない(将来的な逆襲が怖いから。放っておけば他社がやる)

・ネガティブな噂話は載せない(「関係者によると」といった表現でネガティブなことを書くと、内部で害者捜しがはじまる可能性があり、コメントした人に危害が加わる可能性があるから。また、そのコメントが私怨である可能性もあり、信憑性も分からないため)

・犯罪者の実名を書かない

・人の顔が特定できる写真を載せない

これらの基準について、著者は、

《最初の四つはやや臆病な感じではあるが、比較的まっとうな基準だろう。私たちは人数が少ないだけに、クレームを受けようものなら業務が止まってしまう。だから極力穏やかな記事を出しているのである。》(pp.99-100)

と語っています。また、

《これらを見ると、ネットニュースというものは、かなりクレームを受けやすい存在であるという点がお分かりだろう。なにせ、ネガティブなネタが広がりやすいネットの世界だけに、関係者が知ったり、さらにはクレームをつけたいだけの暇人にとっての格好の遊び場になるからだ。》(p.101)

とも述べています。

こうして見るとウィキリークスは、書かれた側から恨みを買うようなことをしまくっていることがわかりますね。逆に、ジャーナリズムとして見れば、ネットニュースは、腰が引けまくっているわけで、ウィキリークスと、ネットニュースの間を埋める存在として、いろいろな意味で良く訓練されたジャーナリズムが生き残る可能性はあるとも言えます。


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