英語

2011.02.08

英語力強化法Vol.18 Grammar in Use が売れてる理由

遅ればせながら、AERA English の2月号を手に入れたので、紹介します。この号の特集は、マーフィーの文法書として知られる Grammar in Use の特集。

Grammar in Use というのは、レイモンド・マーフィーというイギリス人の英語教師が、1985年に書いた英語文法の問題集で、累計1500万部も売れている世界的なベストセラーだそうです。

マーフィーの文法書は、左ページが文法の解説、右ページが問題と、見開きで1つのユニットを構成している点が特徴で、例文や問題文は、実際の生活で使われるようなものが厳選されています。解説を読んで、問題を解くだけで、体系的に、ネイティブの英語を学ぶことができます。

そして、AERA English 2月号では、30ページにわたる特集で、マーフィーさんへのインタビューも交えて、マーフィーの文法書の魅力をあまさず伝えています。なんでも、イギリス英語版、アメリカ英語版、日本語版のそれぞれに、初級、中級があり、計6種類のマーフィーの文法書があるそうです。

また、iPhoneアプリとして English Grammar in Use Activities と English Grammar in Use Tests の2つが販売されており、通勤途中などでも英語の勉強ができます。

English Grammar in Use Activities
English Grammar in Use Activities - Cambridge University Press - English Language Teaching

English Grammar in Use Tests
English Grammar in Use Tests - Cambridge University Press - English Language Teaching

ただ、この特集で驚いたことは、私も愛用していた Advanced Grammar in Use だけは、著者がマーフィーさんではないとのこと。紹介した意味無かったよ (´・ω・`)ショボーン

でも、このAERA English 2月号は、ハリーポッターを生み出したエジンバラを写真付きで紹介する特集や、映画「ソーシャル・ネットワーク」の紹介記事もあって、お買い得ですよ!

もう書店の店頭にはありませんが……。

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2011.01.15

英語力強化法Vol.17 「非ネイティブの英語」をあまりお薦めしない理由

最近、「世界的に見れば英語話者の数は、ネイティブよりも非ネイティブの方が多いんだから、無理してネイティブの英語をめざす必要は無い」という「非ネイティブの英語のススメ」が流行っているようですね。うん。言いたいことはわかるんだけどね。それでもやはり、あまり、お薦めしないので、うん、その理由を書いてみようか。

先日、二本の映画を見ました。脈絡無く選んだ二つの映画なんですが、実は、ある点で共通項があったのです。

まず、『インビクタス / 負けざる者たち』。

これは、アパルトヘイト後の南アフリカにおいて、ネルソン・マンデラが、初の黒人大統領となった時の実話に基づいた映画です。南アフリカでは、1995年にラグビーW杯の開催が予定されていましたが、当時の南アフリカ代表チーム「スプリングボクス」は低迷期にありました。また、ラグビーはアパルトヘイト時代の支配層のスポーツだったこともあり、黒人の間では不人気でした。そして、過去の負の遺産を象徴する「スプリングボクス」のユニフォームやエンブレムを、新しいものに変えようとする意見が黒人から出されましたが、白人との宥和政策をとるマンデラはこれを拒否して、「スプリングボクス」を応援しました。こうしたマンデラの熱意もあり、「スプリングボクス」は、じょじょに黒人の支持を集めるとともに、チームを建て直し、W杯では強豪ニュージーランドのオールブラックスと決勝戦を戦うまでになります。ラクビーのルールを知らなくても楽しめる感動物語です。

もう一つは、『第9地区』。

南アフリカのヨハネスブルグ上空に現れた巨大宇宙船の中には、エビに似た宇宙人がたくさんいました。宇宙船直下には、「第9地区」と呼ばれる宇宙人のための難民キャンプが設営されましたが、これがスラム化したことから、宇宙人達を、ヨハネスブルグ郊外に新たに創った別のキャンプに移送することになりました。主人公であるヴィカス・ファン・デ・メルヴェは、移送を委託されたMNUという企業の中間管理職で、「エビ」たちを強制退去される仕事をまかされるが……。

もちろん宇宙人を退去させる、というのは、かつての南アフリカのアパルトヘイトを彷彿とさせるものであることは言うまでもありません。シリアスなドキュメンタリー・タッチながらも、ユーモアもペーソスもある、良質のSFエンターテイメントに仕上がっています。

さて、私が気になった、この二つの映画の共通点とは……、どちらも舞台が南アフリカ……、ではなくて、どちらも主人公たちが非ネイティブの英語を話していること。そして、どちらも聞き取りにくいという点です。

『インビクタス』では、モーガン・フリーマンがネルソン・マンデラを、スプリングボウズのキャプテンをマット・デイモンが演じているのですが、二人とも、南アフリカ風の訛りのある英語を話しています。俳優は二人とも、アメリカ人なので、南ア訛りを練習した上で話しているのですが、やはり、聞き取りにくいんですね。

もう一本の『第9地区』も主人公のヴィカス・ファン・デ・メルヴェ ( Wikus van de Merwe ) を演じたシャールト・コプリーは、イギリス系南アフリカ人の英語ネイティブなのですが、役名の姓のファン・デ・メルヴェ ( van de Merwe ) からわかるように、オランダ系の訛りの入った英語を話しています。やや、たどたどしい感じのする英語が、たくまざるユーモアを生み出しているのですが、やはり聞き取りにくい点があるのは否めません。

正直に言えば、そして、あえて自分のことを棚にあげて言えば、非ネイティブの英語は聞き取りにくいし、長時間聞いていると苦痛です。

もちろん、「非ネイティブの英語のススメ」のメッセージである
・発音や文法なんか気にしないでガンガン話しちゃおう
という意見には同意します。というか、話す時に、発音や文法を気にしてる余裕なんかありませんから!

だからといって、変な癖のある英語に慣れていても、英語が上達するとは思えません。やはり、常に、正しい英語に接するように心がけていないと、上達するものもしなくなってしまうおそれがあると思うのです。

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2010.08.22

英語力強化法Vol.16 イメージ化に挑戦

前回のエントリーで、単語や英文を聴いた時に、別の単語や文章にパラフレーズしろ、と書きましたが、もっと凄いことをいう方もいます。それは、「聞こえてきた言葉を、そのままイメージ化しろ」というのです。

パラフレーズは、言葉を言葉に置き換えるのですから、訓練すれば、なんとかできるようになるとは思うのですが、では、聴こえてくる英単語や英文を瞬時にイメージ化できるものなのでしょうか?

まあ、結論から言うと、これは人それぞれなのかもしれませんね。

日本人が日本語を聴いている場合でも、言葉をそのまま記憶している人、違う言葉に置き換えている(パラフレーズしている)人、イメージとして記憶している人とばらばらだと思います。あるいは、この三つがミックスされている人もいると思います。

私は、どちらかというとパラフレーズ派だと思うのですが、以前、うとうとしながらBBCラジオを聴いていて、目を覚ましたら頭の中に砂漠を戦車が走っているイメージが残っていたので、ニュースを調べたら、アフリカの砂漠地帯で戦争が始まっていた、という体験をしたことがあります(笑)。イメージ化は自然にできるようになるものなのかもしれません。

ですから、試験対策としては、パラフレーズできるようになることをめざしつつ、できたらイメージ化にも挑戦してみる、というあたりで良いのではないでしょうか。

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2010.08.21

英語力強化法Vol.15 パラフレーズとは

パラフレーズというのは、英単語や英文を、別の単語や文章に置き換えること。これは、TOEFLなどの試験対策にも有効です。

パラフレーズが、なぜ試験に役立つかというと、パラフレーズによって引っかけ問題のトラップから逃れることができるからです。

たとえば、問題文の中に

white elephant (白い象=無駄なもの)

のように elephant という単語が混ざっている場合、「これは動物に関する話です」とか、「ここは動物園です」という選択肢があると、つい選びたくなってしまいます。TOEFLでは、こうしたトラップは数多く仕掛けられています。

そして、このトラップから逃れるためには、white elphant という単語を聞いた瞬間に"useless"という単語にパラフレーズしておくことが有効です。TOEFLの試験対策としては、英語ではなくて日本語に「無駄」とパラフレーズすることも有効ですが、じょじょに英語にパラフレーズしていった方がよいでしょう。

もちろん英作文においてもパラフレーズは重要です。

まあ、要するに、ボキャブラリーや文章のパターンをたくさん覚えていくことが、パラフレーズする能力を高めていくことにつながると思います。

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英語力強化法Vol.14 TOEFLライティング攻略法

前回のエントリーでは、TOEFLのスピーキング試験について考察しましたが、スピーキングの試験対策にも役立つ、ライティング試験の攻略法を教えたいと思います。

まあ、これは簡単に言ってしまうと、あらかじめ試験に出そうなテーマごとに、自分で例文を作っておいて覚えておく、ということです。

TOEFLのライティング試験で出題されるテーマは、人生、学校、職業、家族、趣味といった抽象的なものがほとんどです。解答においては、英作文の主張が、正しい正しくないを問題にしておらず、論文の形式に叶っているか、論旨に矛盾は無いか、文法は間違っていないか、などが採点されます。

こうした試験の場合は、その場で解答を考えるのではなくて、あらかじめ、大くくりなテーマごと、エピソードごとに英文を作っておいて、臨機応変に組み合わせられるようにしておくのが最適です。

これは、前回のエントリーで触れた、TOEFLスピーキング試験においても、使える技だと思います。

現実の世界でも、会話や作文というのは、だいたいは定型の文章の組み合わせでなされていますからね。

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2010.08.20

英語力強化法Vol.13 TOEFLスピーキング攻略法

最近のTOEFLは、インタネーットを使ったiBT(Internet Based Testing)にかわり、さらに、文法問題が無くなって、スピーキングが加わったそうです。このTOEFLのスピーキング試験について考察したいと思います。

まずは、簡単に、TOEFLのおさらいを。

TOEFLというのは、Test of English as a Foreign Language の略で、要するに英語を外国語とする留学生が、アメリカをはじめとする英語圏の大学や大学院に留学する際に、英語力を示すための試験です。昔は、TOEFLはペーパー試験( PBT: Paper Based Testing )で、目標とする点数は550~600点といったところでした。

たいていの日本人にとっては、この600点とはかなりハードルが高いもので、英語学習者にとっては「TOEFL600点」は、「難関」という言葉と同義でした。PBTでは、文法、リスニング、リーディングの3つの試験に加えて、希望者はライティング試験も受けることができました。日本人の多くは、文法で満点をとって、苦手なリスニングをカバーするという戦略をとっていました。

そして、2000年頃から、コンピュータを使ったCBT( Computer Based Testing )も行われるようになりました。PBTの600点は、CBTの250点に相当し、試験も、文法、リスニング、リーディング、ライティングの4つが必須となりました。この移行期には、PBTのリスニングやリーディングの文章もCBTにあわせて長くなるなど、若干の混乱があったようです。しかし、CBTにおいても、日本人の多くはは文法で点を稼いで、苦手なリスニングをカバーする、という戦略をとっていた思います。

ところが、2006年から始まったiBTでは、なんと文法がなくなり、かわりにスピーキングの試験が加わりました。このスピーキングは、問題を文章で読む、または、音声で聞く、その後に、しばらく答えを考えて、英語で話して回答する、というもののようです。

私は、iBTは受けたことが無いのですが、問題集などをみた限りでは、リーディングとリスニング、さらに、英作文、そして英会話の4つの能力を同時に試される試験のようです。これは、日本人にはきついでしょう。しかも、日本人が点の取りやすい文法の試験も無いわけですから。

最近、日本人で、海外の大学に留学する人の数が減っている、というニュースを耳にします。しかし、もしかしたら、このTOEFLがiBtにかわったことも理由の一つなのかもしれません。

今回のエントリーのサブタイトルは、「TOEFLスピーキング攻略法」としてみましたが、はっきり言ってそんなものはありませんね。着実に英語力をつけていくしかないと思います。

ただ、そうは言っても、TOEFLのスピーキング試験は、リーディング、リスニング、英作文、英会話の4つの能力がためされるわけですから、その中でも、英作文について、TOEFLの試験対策も含めて、次のエントリーで紹介したいと思います。

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2010.08.17

英語力強化法Vol.12 コロケーション――英単語の自然なつながり

前回のエントリーでは、動詞に副詞や前置詞が組みあわさった Phrasal Verb を紹介しましたが、今回は、英単語と英単語のつながりについて。

この英単語と英単語のつながりのことを、コロケーション( collocaton )と言います。要するに英単語には、自然につながる組み合わせと、そうではない組み合わせ、があり、自然なつながりであるコロケーションを覚えないといけない、ということです。

前回のエントリーで紹介した Phrasal Verb は、英熟語と言うべきもので、組み合わせが決まっていますが、コロケーションの場合は、慣用的に自然な組み合わせというものがあります。

たとえば、日本語では「強い」と「雨」は、「強い雨」と自然につながりますが、「重い」と「雨」は自然な日本語としては成立しません。

一方、英語では、日本語で言う「強い雨」は、heavy と rain がつながって heavy rain と表されますが、日本語とは反対に strong rain では自然な英語としては成立しません。

もちろん、「重い雨」や strong rain でも、言いたいことはわかりますが、自然な日本語、自然な英語ではないことはおわかりいただけると思います。この自然なつながりのルールは、形容詞と名詞だけでなく、動詞と副詞、副詞と形容詞など、多岐にわたるのですが、文法的にどうこういうよりも、ただひたすら覚えるしか無いというのが正直なところです。

このコロケーションは、英会話でも重要ですが、しかし、どちらかと言うと英作文をする時に参考書を脇に置いて、まめに引きながら、覚えていくしかないと思います。

お薦めは、Dictionary of Selected Collocations です。

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2010.08.16

英語力強化法Vol.11 英会話で難しいのは簡単な単語

英会話で一番難しいのは、実は、簡単な単語の組み合わせ、という話を。

英会話で一番難しいのは、簡単な動詞に、副詞や前置詞の組みあわさったものです。これは、日本では「英熟語」というように呼ばれているものですが、正式には、Phrasal Verb ( 句動詞 )と言います。

この Phrasal Verb の何が難しいかというと、簡単な動詞に、副詞や前置詞がついただけで、さまざまな意味の違いが表現されることです。

たとえば、die (死ぬ)という動詞に、down がついた場合と、away がついた場合で意味が異なってきます。

die away は、窓の外をパレードが通りかかって、大きな音が聞こえてきたが、パレードが遠ざかるとともに音が小さくなって、とうとう聞こえなくなった状態。一方、

die down は、近所で火事が発生して、あたりは煙で真っ白になったが、火事が消えて、煙が徐々に消えていった状態です。

言われてみれば、なんとなくニュアンスの違いがわかるのですが、die away にしろ、die down にしろ、突然言われると、わかったようなわからないような状態になってしまいます。

そして、英会話では、この Phrasal Verb が、やたらとたくさんあるのです。日常英会話では、さまざまな局面で、簡単な動詞と、副詞や前置詞で、微妙なニュアンスの違いを表現しているのです。

TOEFLなどで暗記する難しい単語は、実際のところ、日常生活で使うことはなくて、むしろ、この Phrasal Verb を、みっちり暗記した方が日常生活では役に立つはずです。参考書としては、Phrasal Verb Organizer がお薦めです。

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2010.08.15

英語力強化法Vol.10 英会話にも文法が必要という話

英文法の勉強というのは、英文の読解に役立つという話をしましたが、英会話の文法が必要という話をしたいと思います。

英語力強化法Vol.8 文法は役に立つのか?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/08/vol8-e8d6.html

英文法の勉強というのは、英文の読解、あるいは、英作文をする時に、役に立ちますが、これは、いわゆる書き言葉ですよね。教科書に載っている英文法というのは、基本的には、書き言葉に関する英文法なわけです。

しかし、会話にも文法というか、ルールがあると思います。

たとえば、近い将来を表すには、I will、I am going to ~ の二つがあるのですが、それぞれに微妙にニュアンスが違います。たとえば、

I will go to Paris. パリに行きたいという意思はあるが、具体的な予定は無い。
I am going to go to Paris. パリに行く予定があり、準備をしている。

というように。

文法的には、いずれも近い将来を示す表現ですが、これらの英会話における微妙なニュアンスの違いを理解する方が、実際の生活には、ずっと役に立つと思いますし、こういう英会話の文法を、学校などで、もっとみっちりとやった方が良いのではないかと思います。

なぜなら書き言葉の文法って、割と独学ができるのですが、英会話の文法は独学するのが難しいですからね。Hugh Dellar の英会話の参考書はお薦めですよ、イギリス英語ですが。

▽Hugh Dellar "Outcomes Pre-intermediate: Real English for the Real World"

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2010.08.14

英語力強化法Vol.9 定冠詞/不定冠詞/冠詞無し

定冠詞/不定冠詞/冠詞無しを、すっきり理解するにはどうすればいいのか? ということについては、いろいろな方がいろいろな考え方を紹介してくれていると思います。ただ、これも、例外が多いので、結局、覚えるしかないのかも知れませんが、あえて私なりのまとめ方を紹介してみます。

これは、ある時に偶然、古本屋で見かけた本に書いてあった考え方なのですが、残念ながら、その本のタイトルは忘れてしまいました……。

で、その本に書いてあったことは、定冠詞、不定冠詞だけでなく、数詞、数や量を示す形容詞、人称代名詞の所有格、指示代名詞、もまとめて覚えよう、ということでした。

どういうことかというと、

可算名詞単数では、
a car = one car
the car = my car = this car

可算名詞複数では
cars = two cars = many cars
the cars = my/our cars = these cars

不可算名詞では
juice = much juice
the juice = my/our juice = this juice

というように。

いずれの場合も、上の段は、語られている対象が曖昧、下の段は明確という違いがあります。

このルールを、あえて言葉にしてまとめると、
《話し手と聞き手の間で、対象となる物や物質について、明確な了解が存在する(または、論理的に決められる)状態において the とその仲間(人称代名詞の所有格、指示代名詞)がつく》
となります。

なんかわかったようなわからないような言い回しになってしまいましたが、私なりには、こういう考え方でとりあえず理解していますが、おわかりいただけましたでしょうか?

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英語力強化法Vol.8 文法は役に立つのか?

英語の文法の問題を解いていると、ふと、「試験以外で文法は役に立つのだろうか?」と思うことがありますよね。実際のところ英文法って役に立つのでしょうか?

まあ、ぶっちゃけて言うと、語学は記憶に頼る部分が多いし、例外も多いので、文法の勉強だけで、英語が身につくとは言い難い部分があります。

しかし、あえて英文法が役に立つ局面を考えると……、英文を読む時には文法的な知識を使うことはありますね。

たとえば、英語の新聞記事を読んでいる時に、内容が複雑で一読して意味がとれない時などは、代名詞の単数複数、動詞の時制、冠詞の有無などを手がかりに意味を解読することはあります。

そういう時は、書き手が文法的に間違っていないことが前提になるので、英字新聞でも、いわゆる高級紙の部類に入るようなものしかあてはまりませんけどね。

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2010.08.11

英語力強化法Vol.7 仮定法の謎

日本で使われている英語の文法書には、「仮定法」という項目があるはずです。英語で書くと、subjunctive mood。ところが、この「仮定法」という文法用語は、実は、イギリスの英文法書には無いのです!

では、仮定法( subjunctive mood )は、どのように扱われているかというと、条件節( conditional )の一つとと見なされているのです。

zero conditiomal = 普遍的な条件を示す
first conditional = 未来の行動を示す
second conditional = 現在の事実と異なることを示す
third conditional = 過去の事実と異なることを示す

[参考]English Conditionals
http://www.englishclub.com/grammar/verbs-conditional.htm

つまり、second conditional が、日本の文法用語でいう「仮定法過去」、third conditional が「仮定法過去完了」となります。

これを知ったときは、ちょっと驚きましたね。仮定法というと、文法書の最後の方に載っている難しいものという印象があったのが、「あ、そんなに難しくないよ。条件節の一種だから」と言われているような気がしました。

ところで、英語の仮定法に特徴的な点は、事実と違うことを示すときには、時制を一つ過去にずらすことでしょう。場違いな時制を使うことで、それをわからせるわけです。他のヨーロッパの言語では、仮定法に相当するような用法には、動詞が変化することが多いようですが、英語は、時制をずらすことで、その機能を果たしています。

これは、おそらく英語の時制が他のヨーロッパの言語よりも厳密だからではないか、と推測しています。日本語も比較的自制の感覚がいい加減なので、場違いな時勢を使って表現する仮定法が難しく感じるのではないかと思います。

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2010.08.10

英語力強化法Vol.6 リスニングの難関は?

ながらリスニングをしながらシャドウイングをすれば、リスニングの能力は飛躍的に上がる!……はずですが、いつまでたっても聞き取れない難関があります。それは……?

日本人の英語学習者にとっては、文法的に難しいのがいわゆる「仮定法」。"should have ~ed" で、「~すべきだったのに……」という、現実に起きたこととは違うことを意味する表現ですが、これはリスニングにおいても難関です。

この仮定法においては、should have は、「シュッドゥ ハブ」と、日本人にもわかりやすく発音されることはなく、たいていは「シュッダ」と発音されます。あるいは、 should've 「シュドゥヴ」と短縮されて発音されることも多いようです。

また、could have や would have も、「クッダ」、「ウッダ」と、あるいは could've 「クッドゥヴ」、would've 「ウッドゥヴ」と、短縮して発音されます。

このように現実とは違うことを示すための仮定法のhave が、「ハブ」ではなくて、「ダ」や「ヴ」などという、日本人にとっては非常に聞き取りにくい音になってしまうのは、なぜだろう? と、いつも思います。

しかし、日本語でも、現実と違うことを言う時は、「~のに」、「~なあ」と必ずしも外国人にとって聞き取りやすい単語を使うわけではないので、これは世界共通の現象なのかなあ、と思ったりもします。

まあ、はっきりと聞き取れなかった場合は、前後の文脈で判断するしかないんですけどね……。

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英語力強化法Vol.5 シャドウイングの効果は?

シャドウイングってご存じですか? 英語を聞きながら、それを追いかけるかたちで発音するという英語学習法です。では、その効果は……?

シャドウイングというのは、通訳をされている方が訓練の一環として行っていることが多いようです。そして、通訳を目指していない英語学習者にも効果のある英語学習法です。

日本語よりも、ずっと早く感じる英会話のスピードに慣れることができるからです。また、英語の発音を注意して聞くことになるので、リスニングの能力向上にも役立ちます。

さらに、何よりも重要なことは、
・人間は自分の発音できない音は聞き取れない
のだそうです。

ですから、シャドウイングをやりながら、英語の発音を訓練することで、リスニングの能力も向上させることができます。

シャドウイングは、特に、教材は必要ありません。前回のエントリーで紹介したラジオの英語放送を聴きながら、簡単に行えます。

英語力強化法Vol.4 ながらリスニングにふさわしいラジオは?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/08/vol4-56f6.html

また、英語の会話シーンの多い映画やテレビドラマを見ながら、ぶつぶつつぶやけばいいので、とても簡単に行うことができます。

ただし、映画館などでシャドウイングを行って、他の方に迷惑をかけないように気をつけてくださいね……。

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2010.08.09

英語力強化法Vol.4 ながらリスニングにふさわしいラジオは?

リスニングの能力を向上させるには、何かをしながら英語を聴くことのできるラジオが一番。さて、どのラジオが、ながらリスニングにふさわしいでしょうか?

これも、一押しはイギリスの国営放送BBCです。最近は、インターネットでストリーミング放送も行われており、日本からでも聴くことができます(一部のスポーツ番組などは権利の問題で聴取できませんが)。

BBC 5 live
http://www.bbc.co.uk/iplayer/console/bbc_radio_five_live
BBC 4
http://www.bbc.co.uk/iplayer/console/bbc_radio_fourfm
BBC World Service
http://www.bbc.co.uk/iplayer/console/worldservice/

ながらリスニングをする上で大事なことは

・常に話し言葉を聴くことができる
・音楽が入らない

の2つです。

ラジオというのは、5秒間空白があると放送事故と呼ばれるメディアなので、ニュースであれ、トークであれ、間断なく話し続ける必要があります。

また、ラジオでながらリスニングをする時には、音楽が流されないことも重要です。というのは、いくら名曲でも、いくら流行の曲であっても、自分が聴きたくない曲を聴きたくない時に、聴かされるのは、けっこう苦痛なもので、ついラジオをOFFにしてしまうことがあります。

しかし、上で紹介したBBCの3局は、朝から晩までトーク、ニュースドキュメンタリー、ラジオ・ドラマ、コメディなどの「話し言葉」で埋め尽くされていて、音楽が流れることはほとんどありません。ですから、ながらリスニングに最適なのです。CMも入らないですし、ジングルも控えめなものですしね。

また音楽については、BBC Radioの他のチャンネルが専門的に放送しています。これは、リスナーのニーズにあわせて、局を専門分化させているのだと思います。

ひるがえって、日本のNHKラジオについて考えると、基本的には、総合放送で、音楽番組とトーク番組が一つの局に混在していたり、トーク番組にも音楽が流れる時間があったりして、一日中、日本語の話し言葉に浸れるラジオ局って無いんですよね。

BBCはイギリス英語なので、アメリカ英語を学びたい人はどうしたらいいんだろう、という質問もありますが、それについては、下記のエントリーで考察しています。

イギリスでTOEFL
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2006/03/toefl-dd86.html
イギリスでTOEFL 2.0
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2006/04/toefl-20-55d7.html

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英語力強化法Vol.3 読むべき英文は?

日々、接する英文は、できるだけクオリティの高いものがいい。では、そんな良質な英文を提供してくれるのは?

これは、間違いなくイギリスの経済誌 The Economist です。経済誌というと難しい経済記事が多いイメージがありますが、実際は、むしろ世界各国の政治や社会の状況を解説したような記事、あるいは、科学技術、アート、書評などバラエティに富んでいます。

The Economist の文章は、文学的、芸術的なものではありませんが、きちんと推敲されたもので、文法的に正確なものです。また、there is を there's と表記するような abbreviation を極力避けるようにしているのも特徴です。

学習法としては、The Economist のウェブサイト( http://www.economist.com/ )から、興味のありそうな記事を探して読んでいきます。意味のわからない単語に出くわしても、辞書は引かずにどんどん読み進んでいきます。

[参考]英語力強化法Vol.1 英単語は分解して覚えろ!
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/08/vol1-d17a.html

2~3回読んでも、意味が取れない単語、覚えておきたい単語があったら、ノートや単語帳にメモしていきます。この時、英和辞書ではなく英英辞書を使うようにしましょう。

[参考]英語力強化法Vol.2 英和辞書は捨てろ!
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2010/08/vol2-b652.html

The Economist はイギリス英語ですが、自分の学びたいのはアメリカ英語という方。あるいは、TOEFLなどの試験対策で、科学的な記事をもっと読みたいという方には、アメリカの科学誌 National Geographic ( http://www.nationalgeographic.com/ ) をお薦めします。

学習の仕方は、The Economist と同じです。とにかく、良質な英文をたくさん読むことが重要です。

当ブログでもNews Headlinesとして、日々の英文ニュースをピックアップしているのでご利用ください。→ http://thelightoflondon.txt-nifty.com/

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英語力強化法Vol.2 英和辞書は捨てろ!

とある英語学校の教室。イギリス人の先生が生徒に持っている辞書を机の上に出すように言いました。そして、おもむろに、「こんなものは捨てろ!」と命じました……。

これ実話です(笑)。

この先生が言いたいのは、英語の勉強をするには、英英辞書が一番ということです。英和辞書、あるいは、英中辞書、英印辞書のように、英語を外国語とする人間が、英単語をいったん母国語に置き換えて覚えると、意味のズレが生じてしまって、上級レベルへと進めなくなってしまいます。それを回避するには、英英辞書を使って英単語を英語のまま覚えていくことが大事というわけです。

私が使っていたのは、『OXFORD現代英英辞書』( Oxford Advanced Learner's Dictionary )。


これはイギリス英語の辞書なので、アメリカ英語を学びたい人は、アメリカ英語の英英辞書、『ロングマン現代アメリカ英語辞典』( Longman Advanced American Dictionary )などを使用した方が良いでしょう。


これらの辞書は、英単語の意味を説明するのに、より難しい英単語で置き換えるのではなく、2000語程度の基本英語だけで、解説しているため、英語を学ぶ学習者にもとても使いやすいものとなっています。

どうやって使うかというと、単語の意味を調べたら、その単語の意味をいままで母国語で書いていたところを、英語で書くようにするのです。

たとえば、前回のエントリーで出た concede を『リーダーズ英和辞書』で引くと次のような意味が出てきます。

1.《譲歩して》容認する、承認する、認める<that>;
 《競技・選挙などで》<(自分の)敗北・(相手の)勝利を>認める、
 《正式決定前に》<選挙など>で<相手に>敗北したと認める<to>
2.<権利・特権などを>与える<to>;
 《スポ》<ゴールを>許す、<試合>の勝利を許す

いままでは単語帳を作る時には、この日本語を書き出していたと思いますが、これを、英語で書くようにするのです。同じように concede を、『OXFORD現代英英辞書』で調べてみると……

concede
1. to admit sth is true, logical, etc
2. to give sth away, especially unwillingly; to allow sb to have sth
3. to admit that you have lost a game, an election, etc

sth は something(何か)の、sb は somebody(誰か)の略です。英和辞書の2と英英辞書の2を比較してみると、英英辞書の2の especially unwillingly のニュアンスが英和辞書では把握できないように感じられます。

つまり、いちいち英単語を日本語に変換して覚えるのではなく、英語のまま記憶して蓄積していくことが、英語力を強化する上での近道なのです。この作業は、英作文の練習にもなりますし、必要ならば、意味だけでなく、例文を書き出すのも良いでしょう。。

最近の電子辞書には、英英辞書も入っているので、是非、活用してみてください。


というわけで、
「英語力強化法Vol.2 英和辞書は捨てろ!」
でした。次回は、
「英語力強化法Vol.3 読むべき英文は?」です。

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2010.08.08

英語力強化法Vol.1 英単語は分解して覚えろ!

しばらく英語の学習法について、書いてみたいと思います。

日本人の多くの方は、TOEFLやTOEIC、あるいはGMATなどの試験で目標スコアをとるために、英語の勉強をしていると思います。

私からの英語の試験対策のアドバイスとしては、「問題集は最低でも3回繰り返し解く」というもの。たくさんの問題集をやるよりも、厳選された問題を最低でも3回、すべての問題と答えを覚えてしまうくらい繰り返しやる、ということです。

ただ、そうした試験対策としての英語学習法は、参考書や問題集がたくさんあるので、ここでは、試験対策はすでにやっているものとして、それとは別に本質的な英語力を強化するにはどうすべきか、という点を中心に書いていきたいと思います。

第1回は「英単語は分解して覚えろ!」です。

英単語を覚えるには、接頭語、語幹、接尾語の意味を理解した上で、単語を覚えることが必要です。なぜ、接頭語、語幹、接尾語の意味が重要なのでしょうか?

それは、漢字の勉強に置き換えて考えれば、よくわかります。たとえば、漢字を初めて勉強する人が、サンズイが「水」を意味することや、クサカンムリが草を意味することを知らなかったら、漢字を覚える上で非常に効率の悪いものになってしまいます。

それと同じで、長い英単語は、接頭語、語幹、接尾語の意味を理解しておけば、効率よく暗記できると思います。

参考書としてお薦めなのは、高木義人『TOEFL対策必修単語集』(テイエス企画)です。

同じシリーズの最新版は、非常に分厚くなっていて持ち歩くのにも不自由するので、あえて古いバージョンをお薦めしますが、内容的には問題無いと思います。

本書の特徴は、語幹別に単語をグループ化して暗記できるようになっている点です。どういうことかというと、

たとえば、
cede  = go (進む)
という語幹に pro (突く)という接頭語がついて
pro cede = 進む
に、また、
con (一緒に)という接頭語がついて
con cede = 一緒に行く = 譲歩する
という風に暗記します。

ちょっとこじつけのような気もしますが、長くて難しい英単語を初めて見た時には、接頭語、語幹、接尾語に分解して、意味を類推することができます。語幹の意味だけでも知っていれば、前後の文脈から意味を類推することができるはずです。

というわけで、
「英語力強化法Vol.1 英単語は分解して覚えろ!」
でした。次回は、
「英語力強化法Vol.2 英和辞書は捨てろ!」です。

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2007.12.09

「鏡音リン・レン」の名前を発音してみる

前回のエントリーで、英語のRとLについて考察しましたので、今回は、リン(Rin)とレン(Len)を正しく発音してみたいと思います。

まず、小学校の音楽の授業を思い出して、「ドレミファソラシド」と言ってみましょう。そして「レ」は「Re」なので、これを「リ」つまり「Ri」にかえて「Rin」と。低く響く重々しい感じになります。続いて、「ラ」は「La」なので、これを「Le」にかえて「Len」と。明るい軽快な感じになります。

試しに「ドレミファソラシド」の「ドレ」の後をすべて「レ」にして、「ドレレレレレレレ」と言ってみると、「ファ」のあたりでちょっと苦しくなってきます。また、「ドシラソファミレド」の「ドシラ」の後を「ラ」にして、「ドシララララララ」と言ってみると「ミ」のあたりで苦しくなってきます。もちろん一オクターブ高い「レ(Re)」や一オクターブ低い「ラ(La)」もあるのですが、これを歌うのは大変です。

だいたいにおいて英語の歌というのは、「R」のところは低い音程が、「L」のところは高い音程がくるように作詞作曲されています。なぜなら、その逆は、とても歌いにくいからです。

ところが日本語の場合は、「R」と「L」の区別が明確ではないので、たとえば普段「れんあい(Ren-ai)」と発音している「恋愛」という単語を、声をはりあげて「レーンーアイ(Le-n-ai)」と歌ってもかまわないことになっています。これは欧米人からすると、不思議なことなんですが、でも、そのことをいちいち指摘してくれるわけではありません・・・・・・。

ところで、「初音ミク」が歌っている歌を、日本語英語含めて、いろいろと聴いてみましたが、どうも「萌え声」ということもあって、高い方の「ラリルレロ」、つまり「La Li Lu Le Lo」は発音できているのですが、低く響く方の「ラリルレロ」、つまり「Ra Ri Ru Re Ro」が、うまく発音できていないようですね。

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2007.12.05

「鏡音リン・レン」の名前からRとLについて考察する

いまもっとも注目を集めている双子「鏡音リン・レン」は、リンがRinで、レンはLenと表記するそうなので、これにちなんで英語のRとLの違いについて考察してみたいと思います。

「日本人は英語のRの発音ができない」とは、よく言われることなのですが、実はこれは誤解なのです。日本人はRの発音ができないのではなくて、「ラリルレロ」、つまりローマ字では「Ra Ri Ru Re Ro」と表記される音の中に、Rの音とLの音がごちゃ混ぜになっていて区別ができなくなっていると言うのが正確だと思います。

簡単に言ってしまうと、Rはラリルレロの低い音、Lはラリルレロの高い音と区別することができます。たとえば、ドレミファソラシドの「レ」と「ラ」は、英仏伊語では、それぞれ「Re」と「La」と表記されるように、ヨーロッパでは異なる音として認識されています。

日本人でもロンドン(London)と言う時は、始めのロを高く、ちゃんと「Lo」と発音しているし、パリ(Paris)ではリを低く発音するので、ちゃんと「Ri」になっています。

ところが、たとえば「ULTRA」(ウルトラ)という単語は「UL」の「L」を高く、「TRA」の「R」を低く発音しないといけないのですが、日本人はこれを「ル」を低く、「ラ」を高く、つまり「URTLA」と、まったく反対に発音しています。また「ラーメン」は、「La-men」と発音しているのに、ローマ字では「Ra-men」と表記してしまいます。

日本人は、ある時は「R」も「L」も区別がついているのに、ある時は、正反対だったり、「R」と「L」の片方だけを間違えていたりしている、つまり、ごちゃ混ぜになっているだけで、決してRだけが発音できないというわけではありません。ただ、この状態は、欧米人からすると、さっぱり訳がわからないというだけなのです。

そして、英語においては、「R」または「L」を言いやすくするために、その前後を高く言ったり低く言ったりするので、「R」と「L」の音の違いがわからなかったとしても、前後の発音の仕方によって「R」か「L」を推測することができます。それほど厳密なものなのです。

ここで紹介した説は、もちろん専門的な学説ではなく、感覚的なものなのですが、それほど間違っていないと思います。西村肇『サバイバル英語のすすめ』(ちくま新書)という本でも、紹介されています(西村氏は「日本人はLの発音ができない」という前提で話をすすめていますが、論旨は同じです)。同書のまとめを紹介すると

Rは「低く響く音。顔を下に向けル・・・と響かせる。これは胸に響く」

Lは「明るく高く響く音。顔を上に向け、自然に舌を上あごにつけてルーと響かせる」

キャラクター・ボーカル・シリーズでも、将来は、英語の歌がきちんと歌えるものが開発されると、いっそうボーカロイドの可能性が広がることでしょう。

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2006.06.12

日本語の発声法は英語の発声法と違う

先日、ロンドンで歌舞伎の公演が行われたので観てきました。日本にいた頃は、歌舞伎なんて興味はなかったのですが、海外で暮らしていると、かえって日本文化に対する関心が高まるものです。

http://www.sadlerswells.com/whats_on/2005_2006/kabuki_syn.asp

歌舞伎については、あまり知識が無いので、演目の出来についてはよくわからなかったのですが、ぼんやりと歌舞伎を観ながら思ったのは、日本語の発声法は、英語を始めとする欧米語のそれとは違う、ということです。

歌舞伎とか、あるいは浪曲のような日本の古典芸能では、演者は、のどの奥から絞り出すような感じで話します。これに対して、欧米の舞台役者とか、オペラ歌手は、頭のてっぺんから頭蓋骨を響かせるような感じで発声します。これと同じように、普通の日本人は、のどから絞り出すように話し、普通の欧米人は、頭のてっぺんから声を出している・・・のではないかと。

おそらく、こういう違いは、ラジオやiPodなどの、電気的な処理をした音声では、わからないことだと思います。小学生に英語を教えるにしても、イギリス人やアメリカ人が実際に話す英語を、たっぷりと聞かせないと、あまり意味が無いかな、とも思います。

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2006.04.05

イギリスでTOEIC

TOEFLで必要なスコアをとってから、試しにTOEICも受けてみました。数年前のことですから、もちろん試験問題は、今年5月からの新形式のものではなく、従来のものと同じです。

結果は、TOEFLとTOEICの換算式で算出されるものよりも、低い点しかとれませんでした・・・。

TOEICというのは、アメリカ英語の世界で、生活したり、ビジネスをしている人が、「自分の英語力は、どれくらいだろうか」と思い、それを確かめるために受ける試験のように感じられました。

特に、リーディングの試験で、架空の電気製品のマニュアルや、架空のパーティーの案内状を読む、というものがあるのですが、アメリカ英語圏にいない人は、どうやって勉強しているのかなぁ、と、ちょっと疑問に思いましたね。

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2006.04.03

イギリスでTOEFL 2.0

イギリスにきて、すぐの頃、TOEFLを受験することから、アメリカ英語を聞く必要があり、そのために、短波放送が聞けるMatsuiのラジオを購入しました。もちろん、そのラジオで、AMやFMも聞けるので、短波放送が聞けない時は、BBCをつけっぱなしにしていました。

そして、今でも、よく聞いているのが、"BBC Radio Five Live"。

http://www.bbc.co.uk/fivelive/

このチャンネルは、ニュース、トーク番組、そしてスポーツ中継だけで構成されています。イギリス風のアクセントは、あまり強くなく、比較的ニュートラルな英語を聞くことができます。

一方、いわゆるクィーンズ・イングリッシュが聞けるのは、"BBC Radio 4"。

http://www.bbc.co.uk/radio4/

聞き比べてみると、違いがわかると思います。

ところで、イギリス英語を聞くことが、アメリカ英語の試験であるTOEFLの役に立つのか、という点ですが、結果から言うと、イギリス英語とアメリカ英語の違いは、あまり重要ではなかったと思います。TOEFLは、アカデミックな英語力を試すもののため、基礎的な英語力という点では、リスニングを含めて、あまり大きな違いはなかったと感じています。

その意味では、TOEICの方が、アメリカでの生活やビジネスに即した問題が多いため、アメリカ英語の影響は強いようです。今年5月から、TOEICのリスニング問題に、イギリス人やオーストラリア人の英会話が加わるのは、アメリカ英語にウエイトがかかりすぎているのを是正するためでしょうね。

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2006.03.29

イギリスでTOEFL

イギリスにきてすぐの頃、ちょっとわけがあって、こちらでTOEFLを受けることにしました。

イギリスならば、TOEFLではなくて、IELTSじゃないの? と思う方もいらっしゃるでしょうが、当時の私は英会話がヘナチョコでして(今もヘナチョコです)、会話の試験が無いTOEFLを選んだわけです。

TOEFLは、アメリカの試験なので、参考書には、「アメリカ英語をできるだけたくさん聴くように」と書いてあります。もちろん、TOEFL用のリスニング・テープも持っていたのですが、それに加えてリスニングの量を増やしたい。しかし、ここは、イギリス・・・。その頃は、もちろんポッド・キャストなんてのもありません。

さて、どうしたものかと考えて、手に入れたのが、アメリカの短波放送が受信できるラジオ、29ポンドなり(当時の為替レートで4500円くらい)。

そのラジオのブランドは、"Matsui"。あれ、日本にこんなブランドあったかなぁ、と思ったら、なんとイギリスのDixonsという家電量販店のオリジナル・ブランドなのだそうです。日本メーカーのような名前をつけたら売れるだろうと考えたらしく、当時の日本でもっとも有名なスポーツ選手、巨人の松井の名をつけたんだそうです。

そのMatsuiのラジオ、いまも愛用しています。

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2005.11.17

英語のオフショアリング

イギリスの企業では、ここ数年、カスタマー・サービス用のコール・センターをインドに移すということが、さかんに行われています。たとえば、BT(ブリティッシュ・テレコム)やHSBC(香港上海銀行)などのカスタマー・サービス用の電話番号に電話をかけると、そのままインドに転送されて、インド人と会話をすることになります。

企業の側からすると、人件費が安いことが最大のメリットとしてあげられています。また、インドで雇用されるインド人にとっては、相対的に収入が良いということだけでなく、トレーニングの一環として、英語の発音の矯正を受けることができるというメリットがあるようで、人気の職業となっています。

日本の場合だと、せいぜい都市部のカスタマーからの電話を、地方の人件費の安い地域に転送するぐらいしかできませんが、英語ならば、英国外にオフショアリングすることも可能というわけです。

ただ、私のような外国人にとっては、インド人の話す英語は「ようわからん」というのが正直なところです。向こうも私の英語がわからないことが多く、そういう時は、双方が怒鳴りあうことになります。

そしてイギリス人にとっても、インド人の話す英語に対する不満が無いわけでは無いようで、最近は、Abbey(アビー銀行)が、コール・センターをインドからイギリスに戻すことを検討しているようです。

ただ、人件費の面から考えると、Abbeyのようなケースは、例外で、インドへのオフショアリングは、これからも進んでいくと思われます。

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2005.11.13

イギリスの英語-3-

映画『フル・モンティ』で、私が好きなシーンは、ダンスの練習の際にステップの踏み方がわからないところで、メンバーの一人が「これはアーセナルのオフサイド・トラップと同じだな」と気がついた途端に、うまく踊れるようになってしまうところです。

ところで、イギリスの地方の訛りの強い映画は、英語学習者には、お薦めできないかもしれませんが、これからも時々、紹介しますので、おつきあいいただけると幸いです。

今日紹介するのは、2000年に公開された『リトル・ダンサー』。原題は、主人公の名をとって『Billy Elliot』。舞台は、1980年代の北部イングランドのとある炭坑の街で、ビリー・エリオット少年が、バレエ・ダンサーをめざす、という話です。サッチャー時代の炭坑ストなどが、時代背景として描かれています。

この映画、初めから終わりまで、北部イングランドの訛りが満載なのですが、最後のバレエ学校の面接シーンでは、試験官が、いわゆるクィーンズ・イングリッシュを話していますので、比較してみてください。もちろん、この映画も、そういうことに関心が無くても楽しめますので、お薦めします。

イギリスでは、大ヒットした映画で、映画だけでなく、ミュージカルも作られて、上演されています。また、2003年の新年にBBCで放送したところ、実に1270万人が見た、と伝えられています。

イギリスでは、テレビ番組について、視聴率ではなくて、視聴者数が発表されます。もちろん、これは独立した調査機関によるサンプル調査による推計です。ちなみにイギリスの人口は、約6000万人なので、『Billy Elliot』は、単純計算でイギリス人の5人に1人が見たことになります。

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2005.11.11

イギリスの英語-2-

1980年代までは、イギリスのニュース番組などでは、いわゆるクィーンズ・イングリッシュしか使われなかったようですが、1990年代に入ると、そういうのを見直そうという動きがあって、昔ほど極端なクィーンズ・イングリッシュは聞かれなくなったそうです。

そして、そういう気運に影響されたのか、方言や訛りを、そのまま活かした映画も数多く作られるようになりました。というわけで、そういった映画の1つとして『フル・モンティ』(原題『The Full Monty)を紹介します。



これは、北部イングランドのシェフィールドを舞台にした映画で、失業した男たちが、一稼ぎしようと一回限りのストリッパーになる、という他愛もないストーリーの映画です。

この映画の中で話されるシェフィールド訛りの英語では、「come」は「カム」じゃなくて「コメ」だし、「fucking」は「ファッキング」ではなく「フッキング」だし、「money」は「マニー」じゃなくて「モネー」となります。ほとんどローマ字読みに近い発音になります。正直なところ、DVDで下に英語の字幕を出しながらでないと、何を話しているのか、さっぱりわかりません。

とあるイギリス人によると、この映画がアメリカで公開された時は、シェフィールド訛りを聞き取れないアメリカ人のために、英語の字幕をつけて上映したそうです。

そういうわけで、DVDを借りてきて、下に英語の字幕を出しながら見てみると、このシェフィールド訛りが、どんなものかよくわかると思います。まぁ、そういうことに関心の無い方でも、楽しめる映画ですので、お薦めします。

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2005.11.09

イギリスの英語

えー、1回目のエントリーでいきなりやらかしてしまいました。「alternative」のスペルを、「altanative」と書いてしまいました。ご指摘ありがとうございました。こっそり、直しておきました。やはり、「編集者の目」というのは、必要ですね・・・。

イギリスには、日本語の「標準語」に相当するものがないため、出身地や生まれ育った環境によっても話す言葉も違ってきます。有名なところでは、ロンドンの下町言葉の「コックニー」と呼ばれる訛りで、「H」は「ヘイチ」と発音します。「8」は「アイト」だし。知らないと、言われた瞬間「?」となります。

また、「number」という単語は、日本だと「ナンバー」と読みますが、マンチェスターなどの北部イングランドに行くと、「ぬんべぇ」と発音します。ローマ字読みに近くなるわけです。以前、マンチェスターのホテルにチェックインした際に、「room number」を、「るぅむ ぬんべぇ」と言われたのですが、突然言われると、これまた「はぁ?」となります。

実は、1990年代以降、こういう方言や訛りを、そのまま使った映画というのが数多く作られています。というわけで、次回は、そうした映画を紹介したいと思います。

ええと、あとイギリスに来たのは、ほとんど成り行き任せで、特に理由はありませんです。

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