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2012.06.21

「萌え」とは何か? 定義してみる

「萌え」とは何か? 定義をしてみたいと思います。

「萌え」とは、動画のキャラクターなどの仕草などに好意を抱くこと。

ストーリーや文脈に依存しないことから、「萌え」は発生しやすい。

ウェブの「ハイパー・リンク」、ゲームの「隠れキャラ」とともにデジタル・コンテンツにおける三大発明の一つ。

いずれも、ストーリーや文脈よりも、「らしさ」が求められる。

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2006.11.12

映画『Borat』面白いですよ

・・・ちょっと下品ですが。予告編はこちらから見ることができます。
http://www.apple.com/trailers/fox/borat/trailer/

Borat(ボラット)に関する記事はこちら。

意外な初登場首位にサシャ・バロン・コーエンのコメディ
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200611060019.html

「ロサンゼルス──英国のコメディアン、サシャ・バロン・コーエンが扮するカザフスタン人ジャーナリストを描いた「Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan」が、3─5日の北米興行収入で2640万ドル(約31億2000万円)を売り上げ、初登場で首位に立った。 」

10月に開催されたロンドン映画祭で上映されて、イギリス中の話題をさらいました。もちろんアメリカでも大ヒット。ロシアでは上映禁止になったとのこと。

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2006.10.11

中日優勝おめでとう

中日ドラゴンズが2年ぶりのセ・リーグ優勝を果たしました。

10日は、朝からずっと外出していたのですが、もちろん携帯電話(Nokia 6630)でネットに接続し、2ちゃんねるの実況で試合の経過を逐一チェック(実況のみなさんありがとうございました)。

帰宅してからは、あまり大きな声では言えませんが、優勝した瞬間や落合監督の胴上げシーンをビデオで見ることができました。これもYouTubeのおかげです。便利な時代になったもんです。

ところで、中日が優勝すると大事件が起こる、というジンクスがあります。1999年に優勝した際には、東海村で臨界事故がありました。この事件があった時は、イギリスにきたばかりだったのですが、こちらでも臨時ニュースとして大きく取り上げられました。そして、いま、こちらでも連日報道されていることと言えば・・・。嗚呼。

ちなみに私は名古屋出身じゃありませんので、「おみゃーさんがた」とか、「やっとかめ」とか言いませんよ。「じゃんだらりん」のほうですので。念のため。

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2006.05.08

オーディオ・ブックが売れてます

オーディオ・ブックとは、本を朗読したものなのですが、アメリカでは、iPodやMP3プレイヤーの普及にともない、このオーディオ・ブックの売れ行きが伸びているそうです。

オーディオ・ブック自体は、昔からあるもので、テープやCDに収録されたものが売られていたのですが、どちらかというと、書店の片隅でひっそりと、売られているものでした。

しかし、最近は、音声データをウェブサイトからパソコンなどにダウンロードできるようになったために、特に40歳以下の人たちが気軽に購入するようになっているそうです。

アメリカのオーディオ出版社協会(Audio Publishers Association of America)の推計によると、オーディオ・ブックの世界の市場規模は10億ドル(1100億円)超で、うちアメリカは8億3200万ドルを占めているそうです。

アメリカではAudibleという会社が、オーディオ・ブックの販売では大手のようですが、イギリスでも、これに対抗してSpoken Networkという会社が設立されました。

London_035 Audibleのベストセラーの上位は、書籍のベストセラーとほぼ同じで、本を読む代わりに、手軽に聞いて楽しもうという人が増えているのではないかと思われます(ベストセラー・ランキングは、5月2日付けの英タイムズ紙より)。音声データならば、書籍やテープやCDと違って、かさばらないからいいですよね。

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2006.04.17

Pixar: 20 Years of Animation

London_029 イースター休暇は、どこにもいかないつもりだったのですが、ついふらふらとロンドンのサイエンス・ミュージアムで開催されている"Pixar: 20 Years of Animation"に行ってしまいました。

これは、今年2月までニューヨークの近代美術館(MoMA)で行われていた展示を、そのままロンドンに持ってきたもので、アニメ・スタジオのピクサーの創立20周年を記念したものです。

ただ、ちょっと気になったのは、創立20周年とはいうものの、展示されていたのは、『トイ・ストーリー』や『インクレディブルズ』など、ここ数年のCGアニメに関連するものが、ほとんどで、スタジオ創設初期に何をやっていのかが、今ひとつわからなかったこと。

また、粘土で作ったキャラクターを回転する台の上に乗せて、そこに点滅させたライトをあてて動いているように見せる「ゾートロープ」の展示が、ジブリ美術館にあるトトロのそれと、同じようなデザインだったこと。

この展示には、イースター休暇中だったおかげなのか、かなり多くの人がきていて、まだ外は肌寒いのに、場内は汗をかくほどの暑さでした。イギリス人は、アメリカ製のキャラクターは、あまり好きではない、というか、嫌っていて、ミッキー・マウスをロンドンで見かけることは、ほとんどありませんが、ピクサーのキャラクターは、抵抗無く受け入れているようでした。

ディズニーがピクサーを買収した理由は、このあたりにあったのかもしれませんね。

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2006.04.07

ダ・ヴィンチ・コード裁判

『ダ・ヴィンチ・コード』を出版している出版社が、著作権侵害で訴えられていた裁判で、7日午後、イギリスの高等裁判所(High Court)は、訴えを退ける判決を下しました。

ロイターの記事によると、訴えていたのは、Michael Baigent と Richard Leigh という2人の歴史家で、『ダ・ヴィンチ・コード』は、2人の著作"The Holy Blood and the Holy Grail"の盗作であると主張していました。

今回裁判で負けたことにより、この2人は、100万ポンド(2億円)の裁判費用を支払わなければならないことになりました。ただ、裁判がニュースになったために、2人の本の売れ行きも伸びたそうなので、いい宣伝になったとも言えます。

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2006.03.31

デジタルな野球

3月31日に、日本のプロ野球セ・リーグが開幕します。私は、東海地方某県出身のため、地元のチームである中日ドラゴンズを応援しています。といっても、普段は、ほとんど忘れていて、ドラゴンズが優勝しそうなシーズンだけ応援するという、かなりいい加減なファンなのですが。

ドラゴンズは、1999年にセ・リーグで優勝した後、しばらく成績は良くなかったのですが、落合監督になってからは、優勝、2位と、2年連続してペナント・レースを争っています。そのため、2年前から、試合の経過や試合後の監督のコメントをインターネットでフォローするようになりました。

もちろんインターネットで得られるのは文字情報だけなのですが、それでも、「9回裏ツーアウト満塁、バッター福留、一球目はストライク・・・」といった情報を、刻々とフォローするだけで、それなりの臨場感はえられます。野球というのは、本質的には、局面局面を、デジタルに切り取ることのできるスポーツと言えます。つまり、インターネットとの親和性が高い。

これに対して、サッカーは、たとえば日本対エクアドル戦の経過を文字データだけでフォローしても、試合内容は、今ひとつよくわかりません。似たような局面が発生することも少なく、流れを無視して見ることのできないアナログなスポーツと言えます。つまり、テレビ向きと言えます。

WBCの盛り上がりを見ると、決して野球の人気がなくなったとは思いませんが、テレビ用コンテンツとして見ると、野球には、試合が終わる時間がはっきりしない、という致命的な欠点もあります。ですから、今後もテレビでの野球中継は、少なくなっていくのではないかと思います。

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2006.02.25

BBCは国策会社

イギリスの国営放送であるBBCが、イギリスの映画産業の発展に貢献する、という話題を。

BBCは、これまでにも映画の制作を行ってきたのですが、それに関する予算を増額するという計画が、先週発表されました。

BBCが、今まで、映画の制作に投じてきた予算は、年間1000万ポンド(20億円)だったのですが、2007年から10年間にわたり、年間1500万ポンド(30億円)に増額します。

また、同じ期間、年間500万ポンド(10億円)の予算で、イギリスで作られた映画の放映権を獲得するそうです。あわせて、年間2000万ポンド(40億円)を、イギリスの映画産業に投じることになります。

なぜ、こういう計画を打ち出したかというと、ここ数年のBBCは、視聴率を稼ぐために、『タイタニック』などの、ハリウッドの超大作の放映権を、巨額の資金を投じて獲得してきました。

しかし、当然のことながら、「そんなカネがあるなら、イギリス映画のために使え」との批判が起こり、この計画が立案されたわけです。

いままで私が紹介してきた映画のうち、BBCが制作したものは、『Billy Elliot』(邦題『リトル・ダンサー』)と『Bullet Boy』です。これ以外にも、10本以上制作していますが、地味なものが多いですね。

最近見たものでは、実在した女流作家アイリス・マードックを描いた『IRIS』(アイリス)があります。タイタニックのケイト・ウィンスレットが、アイリスの若い頃を演じています。いい映画なんですが、地味といえば地味です。

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2006.02.19

チャーリーとチョコレート工場

London_013 「チャーリーとチョコレート工場」も好きな映画の一つなんですが、ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビの作品の中では、ベストといってもよいでしょう。

原作は、イギリス人のロアルト・ダールですが、この話のモデルになったチョコレート工場というのは、実在するんですよ。それはバーミンガムにあるカドバリーというチョコレート会社です。

この会社は"カドバリー・ワールド"というチョコレートに関する博物館も運営しています。先日、バーミンガムに所用で行った時に寄ってみたのですが、映画のヒットのおかげで、平日にもかかわらず、子供からお年寄りまで、かなりたくさんのお客さんがきていました。

London_014 展示は、カカオ豆の採取から、チョコレートの製造・包装までを順を追ってみることができます。途中で、作ったばかりのチョコレートをテイスティングしたり。食べ過ぎると、映画みたいに・・・と不安になってしまうので要注意。

ちなみに、このカドバリーは、バレンタインの贈り物用に「チョコレート・ボックス」を発売した会社としても知られています。

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2006.02.11

イタリアン・ジョブ

トリノ・オリンピックが始まりました。開会式をテレビで見ていましたが、いやー、さすがイタリア人。始めの方の、大勢でするダンス・シーンなんか、まったく振り付けがあっていませんでしたね。スタジアムの建設なんかも、開会までに間に合わないんじゃないか、と言われていましたし。

ところでイギリスは、ウィンター・スポーツはあまりさかんでなく、メダルが確実視されているのは、女子カーリングぐらいのもの。いまは、むしろ六カ国対抗ラグビーの方が、一般の関心は高いようです。

London_012 そんなわけで、イタリアのトリノ(英語ではTurin)を舞台にしたイギリス映画が1969年製作の『イタリアン・ジョブ(The Italian Job)』。邦題は、『ミニミニ大作戦』で、小型車『ミニ』を使って金塊を盗むというストーリー。TVアニメ『ルパン三世』の第1期シリーズにノリがそっくり。『フィアット500』も画面のすみっこに登場してるし。どっちかが、どっちかにインスパイアされたのでしょう、たぶん。

この映画、2003年に同じタイトルで、リメイクされていますが、イギリス的味わいが深いのは、やはり1969年版のほうでしょう。ラスト・シーンも、ある意味、衝撃的でしたし(笑)。

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2006.02.05

イーリング・スタジオズ

私の家からバスで15分ほど行ったところに、イーリング・スタジオズ(Ealing Studios)という映画の撮影所があります。

1930年代から1950年代にかけて、"イーリング・コメディ"と呼ばれる喜劇が数多く撮影された場所で、代表作は1955年の『The Ladykillers』(邦訳『マダムと泥棒』)などです。

1960年代以降は、テレビの撮影所として、細々と命脈を保ってきましたが、2000年になって、オーナーがかわり、再開発が始まりました。 スタジオを新しくしたほか、オフィス用のスペースも新設し、そこには映画関連の会社だけでなく、音楽、ゲーム、デジタル機器のメーカーなどにも入居してもらい、デジタル・コンテンツの制作拠点として発展させることをめざしています。

http://www.ealingstudios.co.uk/facilities_development.html

再開発の第一フェーズは終了し、デジタル・アニメの『シュレック』を制作したヴァンガード・フィルム社が、すでに入居しています。2005年3月には、第二次大戦中の伝書鳩を主役にした、ヨーロッパ初の長編デジタル・アニメ『ヴァリアント』が公開されました。

http://www.valiantmovie.co.uk/

この『ヴァリアント』ですが、アメリカで製作した場合のコストは、8000万ドル(88億円)と見積もられていましたが、イギリスでは、税金の還付などの特典により、その半分の製作費で済んだそうです。また、イギリスの宝くじロタリーの収益から与えられる援助も受けているそうです。

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2006.01.29

『西遊記』

London_008 なんか今、日本では、テレビで『西遊記』を放映しているそうですが、私の年代では、『西遊記』と言えば、やはり堺正章主演の『西遊記』を思い出します。

この『西遊記』ですが、実は、イギリスでも1979年に放映されて、一部のマニアの間で、カルト的な人気を博しました。タイトルが、『Monkey!』というのは、ちょっとなんだかなぁ、という気もしますが・・・。

私も一度、この『Monkey!』が、深夜に放映されているのを見たことがあります。

台詞は、英語に吹き替えられていたのですが、それは、明らかに中国訛りというか、英語の話せる中国人によって、吹き替えられたものでした。

そりゃまぁ、確かに、『西遊記』は中国の話ですから、中国人が吹き替えを担当するのは正しいことなのでしょうが、堺正章が中国訛りの英語を話すのを見るのは、何か奇妙な感じがしました。

そして、この『Monkey!』がきっかけとなって、中国に関心を持ち、中国語の勉強を始めたイギリス人が増えたという話を聞いたことがあります。日本製のドラマ『西遊記』が、思わぬところで、英中友好に貢献していたわけです・・・。

London_009_1 ところで29日は、日本で言う旧正月。イギリス各地にある中華街でも、チャイニーズ・ニュー・イヤーを祝う行事が行われます。ロンドンのソーホーにある中華街にも、新年を祝う飾りがつけられています。

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2006.01.21

「イギリス映画」

2005年のイギリスでの映画の興行収入ベスト20のうち8本がイギリス映画だったそうです。

ただ、トップが「ハリー・ポッター炎のゴブレット」であることからわかるように、「イギリス映画」といっても、資本はハリウッドで、撮影はイギリスといったものがほとんどですが。

イギリスでは、イギリスで大部分が撮影される映画に関して、税金の免除や低利融資などを与える制度があり、ここ数年、イギリスでの映画製作が活発になっています。

この制度により、ハリウッド側は、映画製作費を安く押さえることができ、その一方、イギリス側は、スタッフや役者の雇用を含め、映画産業自体を活発化させることが可能となります。

[参考] A magic year for British cinema thanks to Harry http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-1988903,00.html

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2006.01.15

ロタリーとイギリス映画

最近のイギリス映画には面白いものが多いのですが、その理由は、ロタリー(Lottery)という宝くじにあります。

ロタリーというのは、スーパーの店頭などで買える1口1ポンドの宝くじで、6つの数字の組み合わせを予想するものです。毎週水曜と土曜日に抽選があって、予想した数字が6つとも当たると数百万ポンド(数億円)の賞金がもらえます。

このロタリーの収益の一部は、文化的な事業に寄付されることになっていて、現在建設中のサッカー場ウェンブリー・スタジアムなどの建設費にもあてられています。 そして、この寄付金は、イギリスで製作される映画にも投じられています。これが、最近のイギリス映画に面白いものが増えていることの要因の一つとなっています。

たとえば、以前紹介した「ベッカムに恋して」(原題:Bend It Like Beckham)には、約100万ポンド(2億円)の資金がロタリーから提供されましたが、この映画が全世界であげた興行収入は、その35倍にものぼったそうです。 どの映画にロタリーの資金が提供されるかは、UKフィルム・カウンシルという政府の外郭団体が決めますが、映画の企画を吟味するセンスは良いようです。

といっても、ロタリーの資金が提供された映画がすべてヒットしたわけではありません。たとえば、サッカーのイングランド代表監督が主人公のギャグ映画「Mike Basset: England Manager」には、210万ポンド(4億2000万円)のロタリーの資金が与えられましたが(もちろん総製作費はもっとかかっています)、全世界での興行収入は360万ポンド(7億2000万円)にとどまっています。

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まぐれでワールド杯の予選を勝ち抜いたマイク・バセットという架空のイングランド代表監督の話で、私の好きな映画の一つです。最近は、テレビ版も放映されていますが、イングランド以外の国の人で、わざわざこれを見たいと思う人はあまりいないんじゃないかとも思います。

[参考] Tha Guardian G2 "The UK film industry", November 14th, 2005, pp.4-5.

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2006.01.07

ミュージカル

先日、映画『Billy Elliot』(邦題はリトル・ダンサー)のミュージカル版を見てきました。

日本にいた頃は、ミュージカルなんて一度も見に行ったことがなかったのですが、ロンドンに来てからは、ちょくちょく行くようになりました。

その『Billy Elliot The Musical』なんですが、元になった映画自体がミュージカルのようなものだったので、映画で使われた曲を、そのまま使ってるのかと思っていたら、なんとほとんどがオリジナル。それも作曲はエルトン・ジョン。

微妙に映画版とは、テイストが異なりましたが、それでもなかなか楽しめました。やるじゃんエルトン・ジョン って感じ。

でも、よく考えたら、音楽をオリジナルにしないと、ミュージカルは儲からないのですよね。なぜなら、ミュージカルの製作費は入場料収入だけでは回収できないため、楽曲のCD、パンフレット、Tシャツなどを売ることで回収を図るわけです。だから、映画とまったく同じ楽曲を使うと、映画のサントラが売れるだけで、ミュージカルの製作サイドは困るわけです。

この「入場料収入だけでは赤字だが、グッズやCDの販売などで稼ぐ」という収益構造は、他のミュージカルでも同じです。

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2005.12.31

インスパイア-2-

2005年の流行語大賞は逃したようですが、「インスパイア」という言葉から、いろいろなことを考えました。

前にも書きましたが、先行する作品にインスパイアされて、新しい作品を生み出すことは、あらゆるジャンルの芸術で行われていることで、何ら問題はありません。しかし、それが新しい芸術として賞賛されるには、オリジナリティが加えられていなければなりません。

イギリスでは、音楽、小説、映画、ミュージカル、コメディなどの分野で、十年に一度くらいのペースで、突然、すごい才能が登場します。それらは、オリジナリティがあって新しくて、そして面白く、世界的な賞賛を浴びる。イギリス人は、そうしたものを非常に大事にして、それを何度も味わいます。

しかし、その一方で、その「十年に一度」の間は、とても退屈です。次の才能が出てくるまで、ひたすら同じものを繰り返し楽しむだけ。だから、テレビの番組欄を見ても、再放送や、同じフォーマットを踏襲している番組が、やたらと多い。

退屈なのを我慢しながら、十年に一度、新しい才能が出てくるのをひたすら待つのか、それとも、日本のように、ややオリジナリティには欠けるものの、そこそこ楽しめるものが、切れ目無く供給されている状態を良しとするか?

・・・なんてことを大晦日に考えてみました。元旦の更新は休みます。1月3日から再開しますので、2006年も引き続き、よろしくお願いします。

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2005.12.13

続・グーグルワックの冒険

小説を書くという約束で、出版社からお金を前借りしていたゴーマン氏だが、「グーグルワックでヒットしたサイト管理者10人に続けて会う」という旅をするために、このお金をすべて使い果たしてしまった。しかも、小説は、まったく書けていない・・・。

ゴーマン氏が、芝居の中で告白したところによると、この借金を返すために、『グーグルワック・アドベンチャー』という芝居が作られたという。最初は、オーストラリアで上演され、その売上は、そのまま出版社への借金の返済にあてられた。

ところが、予想外に芝居がヒットしたことから、借金はあっという間に完済。イギリスやアメリカでも上演されたほか、同じ出版社から、芝居を小説仕立てにした書籍の出版も依頼された。それは、英語版だけではなく、ドイツ語やオランダ語、さらには日本語にも翻訳される・・・。

この『グーグルワック・アドベンチャー』という芝居が、多くの人に受けた理由は、「何かをしようとしてバソコンに向かったものの、気がついたら、まったく関係の無いことに夢中になっていた。それも、本来やるべきことは、そっちのけで・・・」という、誰もが身につまされることがテーマになっているから・・・なんでしょうね。

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2005.12.11

グーグルワックの冒険

グーグルワック(Googlewhack)という遊びを、ご存じですか? グーグルで、2つの単語を検索して、1つしかヒットしない組み合わせを探すというゲームです。

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 これは、2002年にアメリカ人のガリー・ストック(Gary Stock)氏によって始められた遊びです。発見した2つの単語の組み合わせは、グーグルワック・ドットコム(http://www.googlewhack.com/)に登録できます。

そして、このグーグルワックを題材にした一人芝居『グーグルワック・アドベンチャー』(Googlewhack Adventure)をヒットさせたのが、イギリス人のコメディアン、デーブ・ゴーマン氏です。

ゴーマン氏は、1990年に、スタンダップ・コメディアンとしてデビューしました。2002年、31歳になったゴーマン氏は、ある日突然「小説を書こう」と思い立ちます。そして、パソコンに向かいますが、いっこうに筆が進みません。そうこうするうち、ある人からグーグルワックという遊びがあることを知らされ、それに夢中になります。

そして、グーグルワックでヒットしたサイトの管理人に会い、その人から、さらにグーグルワックに該当するサイトをみつけてもらい、という形で10人のサイト管理者にあう、という旅に出ます。はたしてゴーマン氏は、10人目の管理者にまで、たどりつくことができるのか・・・? 

この顛末を描いたのが、『グーグルワック・アドベンチャー』という一人芝居です。

『グーグルワック・アドベンチャー』は、イギリスだけでなく、オーストラリアやアメリカでも好評を博したことから、小説仕立てにした書籍と、芝居を収録したDVDが発売されています。また、ゴーマン氏のサイトによると、書籍の日本語版を出版する予定もあるそうです。


http://www.davegorman.com/shop.htm

これは、とても面白いコメディですので、お薦めします。日本語版が出たら、是非、読んでみてください。

[参考]『ASAHIパソコン』 2005年10月15日号

グーグルワック・アドベンチャー 日本にも上陸間近!?

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2005.12.05

インスパイア

5日にイギリスでモダン・アートの「ターナー賞」が発表されますが、2000年には、候補作の1つが盗作ではないかと大きな騒ぎになりました。

このターナー賞(Turner Prize)は、毎年4人の若手モダン・アーティストを候補者としてピックアップし、ロンドンにあるテート・モダンという現代美術館で展示を行い、11月下旬から12月上旬にかけて、優れた作品のクリエイターを表彰するという毎年恒例のイベントです。

2000年に盗作ではないかと大きな騒ぎになった作品は、グレン・ブラウンというイギリス人アーティストの「The Loves of Shepherds 2000」という作品です。

この年は、日本人の女性も候補者の一人に含まれていたことから、私もテート・モダンに見に行きました。問題の作品は、大きな惑星を背景に宇宙船が飛んでいる、というSFチックな大胆な作品で、下馬評では、グレン・ブラウン氏が、この年の最優秀賞の筆頭にあげられていました。

しかし、ターナー賞が発表される直前に、この作品は、1974年に発売されたSF作品の表紙の盗作ではないかとの指摘がなされました。上が問題の絵で、下が本の表紙です。

[問題の絵]

http://news.bbc.co.uk/olmedia/1040000/images/_1044375_glenn300.jpg

[本の表紙]

http://news.bbc.co.uk/olmedia/1045000/images/_1045089_heinleinnew300.jpg

盗作の元になった本は、ハインラインの『Double Star』という有名なSF作品で、表紙を書いたのは、アンソニー・ロバーツというイラストレイターでした。 盗作ではないかとの指摘に対して、グレン・ブラウン氏は、「絵のスケールと色を大きく変えた」と反論しました。また、ターナー賞の審査員も、「盗作にはあたらない」と擁護しました。このため、グレン・ブラウン氏は、失格とはなりませんでした。

では、下馬評通りに、グレン・ブラウン氏が受賞したかと言うと、そういう訳でもなく、2000年のターナー賞は、ドイツ人カメラマンが受賞しました。

結局のところ、先行する作品にインスパイアされた作品自体を否定することはできないものの、元の作品にあまりにも似すぎている、つまり、オリジナリティの乏しい作品に対しては、賞を与えることはできない、という、しごくもっともな結論に落ち着いたわけです。

[参考]Copycat row hits Turner Prize

http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/1044375.stm

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2005.11.29

マンチェスター・ユナイテッド(下)

最後に、マンチェスター・ユナイテッドの世界戦略について簡単に述べておきたいと思います。マンチェスター・ユナイテッドが、英国外で、ファンの拡大を図ってきた地域というのは、

<1>英語圏または英語学習熱が高い
<2>多チャンネルTVが発達(しつつある)
<3>地元のサッカー・リーグが弱い

という三つの条件が揃ったところです。これらの条件にかなう地域といえば、

北米:英語圏かつサッカー後進国
北欧:英語の話せる人が多い
東欧:社会主義崩壊後は英語が第一外国語に
東南アジア:イギリスの旧植民地のため英語が通じる人が多い

などです。東アジアの日本、韓国、中国なども、英語の学習熱が強いと言えます。

マンチェスター・ユナイテッドだけでなく、プレミア・リーグの他のビッグ・クラブも同じような戦略で、英国外のファンの開拓に力を入れています。

これに対し、イタリアやドイツは、ヨーロッパ以外に同じ言語を話す地域が無く、スペインやポルトガルは、つながりの深い南米がサッカー大国のために、進出することはできません。

つまりスペインやイタリアやドイツのチームが毎年のように日本にくるのは、ほかに行くところが無いためです。これに対して、イングランドのチームが、数年に一度しか来日しないのは、日本以外にも、ファンを開拓すべき地域があるからです。

というようなことを踏まえつつ、最近の日本のテレビとインターネットを取り巻く状況を見ると、たとえば「日本プロ野球」というコンテンツは、日本での試合を日本の視聴者に届けるだけのものであり、それはテレビを介そうが、インターネットを介そうが、視聴者が、そのコンテンツにかけられる費用や時間の総和には、あまり大きな変化が無いような気がします。

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2005.11.27

5人目のビートルズ

25日金曜日、マンチェスター・ユナイテッドの往年の名プレイヤー、ジョージ・ベストが、亡くなりました。BBCテレビは、彼のことを「イギリスのサッカー史における最初のスーパースター」と紹介。新聞は各紙ともに一面で報じ、テレビは各局が追悼のニュースなどを流しました。

Football legend George Best dies
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/4380332.stm

ジョージ・ベストは、日本では、一部のサッカー・ファンにしか知られていないようですが、1960年代にマンチェスター・ユナイテッドで活躍した選手で、サッカーの実力だけでなく、そのポップ・スターのようなルックスから、ものすごい人気のあったプレイヤーです。いまのデイビッド・ベッカムと同じか、それ以上の人気がありました。

そして、彼の長髪は、その当時、同じように人気のあったビートルズを彷彿とさせるため、「5人目のビートルズ」とも言われていました。

彼が存命中に、プレミア・リーグの試合を見に来ることもあったのですが、その際、テレビカメラが観戦中の彼を捉えても、アナウンサーは、彼が何者であるかについては、わざわざ説明する必要はありませんでした。アナウンサーが、「あぁ、ジョージが来てますね」と言うだけでわかるほどの、イギリスでは、良く知られた存在でした。

彼の半生をつづった映画も作られています。

『BEST』(邦題『マンチェスター・ユナイテッドの至宝 ジョージ・ベスト物語』)は、試合などの記録映像と、再現された部分を組み合わせた映画ですが、1960年代の雰囲気は、よく出ていると思います。あと、『Manchester United - The Official George Best Story 』というDVDも出されていますので、機会があったらご覧ください。

というわけで、合掌。

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2005.11.25

マンチェスター・ユナイテッド(中)

その昔、といっても1990年代のことですが、マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームには、「SHARP」と書かれていました。シャープの現地法人がマンチェスターにあったのが縁で、スポンサーになっていたからです。

かつては、年に1度、マンチェスター・ユナイテッドのホーム・スタジアムであるオールド・トラフォードに、スポンサーを招待する日というのがあったそうで、ヨーロッパで働いているシャープの方たちも、その日を楽しみにしていたそうです。

しかし、2000年から、このスポンサーの座をボーダフォンに奪われます。その時の、契約は4年間で3000万ポンド(約60億円)という巨額のもの。さらに、この契約は、2004年から4年間で3600万ポンド(約72億円)に延長されました。

マンチェスター・ユナイテッドは、2002年からは、ナイキとも契約しており、これにより「マンチェスター・ユナイテッド」x「ボーダフォン」x「ナイキ」の3つのグローバル・ブランドが揃いました。マンチェスター・ユナイテッドが勝てば、ボーダフォンやナイキのロゴがテレビや新聞に露出し、また、ボーダフォンやナイキが進出した地域には、マンチェスター・ユナイテッドの選手の写真が掲げられるわけで、3つのブランドの相乗効果を狙った戦略です。

これを仕掛けたのは、当時のマンチェスター・ユナイテッドのCEOのピーター・ケニヨン氏で、同氏は、この成功により、イギリスを代表するビジネスマンの一人に数えられています。

現在、ケニヨン氏は、ロシアの富豪ローマン・アブラモビッチ氏が買収したチェルシーのCEOを務めており、同じ戦略を、「チェルシー」x「サムスン・モバイル」x「アディダス」でやろうとしています。・・・ と、ここまで書いたところで、「ボーダフォンがマンチェスター・ユナイテッドとのスポンサー契約を、予定より2年早く、今シーズン限りで打ち切り」というニュースが・・・。

この契約解除は、ボーダフォン側が申し入れたようで、理由としては、ボーダフォンが、2006年から、欧州チャンピオンズ・リーグのスポンサーとなるため、としています。ただ、今シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは、成績も振るわず、グローバル・ブランドの相乗効果が期待できなくなったため、という見方が一般的です。

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2005.11.23

マンチェスター・ユナイテッド(上)

村上ファンドが提案した「阪神タイガースの株式公開」問題について、「株式を公開すると球団が買収されてしまう」と指摘し、その例として、アメリカ人投資家のマルコム・グレイザー氏に買収されたマンチェスター・ユナイテッドのことを持ち出す方がいます。

しかし、マンチェスター・ユナイテッドのケースを持ち出すのは、あまり適切ではありません。なぜなら、株式を公開していようがいまいが、買収される時は、買収されるからです。

たとえばグレイザー氏に買収される前のマンチェスター・ユナイテッドでは、少数の安定株主が過半数を超える株式を保有していたため、この大株主たちが、納得する買収価格を提示した時点で、買収は成立したも同然でした。

もしこれが、株式非公開のチームであれば、そのチームのオーナーと直接取引をすれば、買収することは可能です。イギリスでは、株式非公開のチームが買収されることも多く、現在は、外国人のオーナーも増えています。

マンチェスター・ユナイテッドのケースでは、株式公開をしていたために、グレイザー氏は買収後の経営計画を公にする必要があり、むしろ買収に時間がかかったとも言えます。

イギリスでは、サッカー・チームのオーナーが変わることは、よくありますが、この点は、あまり問題になりません。むしろ、本拠地を変えることへの抵抗感の方が強いようです。

日本のプロ野球では、オーナー企業の都合で、本拠地を変えることがありますが、こちらの方がファンを無視しているような気がするのですが、これがあまり指摘されないのはなぜでしょうか。

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