1994.06.10

▽『日本の潜在成長力』――持続的な繁栄か、それとも長期停滞か。

日本開発銀行調査部編『日本の潜在成長力―労働力減少を乗り越える成長策』(日本経済新聞社)



 本書は、不良債権問題、企業の売上高の減少、円高による国際競争力の低下など、日本の抱える短期的な問題も視野に入れながら、持続的な繁栄への条件を、需要と供給の両側面から検討する。

 今後の労働生産性の伸び率を80年代の平均値と同じ三・一%と仮定しても、労働力人口の減少や労働時間短縮により、2000年までの潜在成長力は二%にとどまることを実証的に明らかにする。そして、製造業に比べ労働生産性の低い非製造業の生産性向上のためには規制緩和が重要であることを主張する。

 マクロとミクロの両視点の混在、各章の整合性にかけるなど、議論にやや粗い点があることが惜しまれるが労作であることは間違いない。


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