1994.09.10

▽『PANJA』



 JAPANをひっくり返してPANJA。『週刊SPA』が好調の扶桑社が、6月に新創刊した月刊誌。編集長は、『週刊SPA』を、カルチャー誌として定着させた渡辺直樹氏。

 一方、文芸春秋の『マルコポーロ』は、『PANJA』の一週刊前に、リニューアル第一号が発売された。こちらは『週間文春』を躍進させた、花田紀凱編集長。刷り部数に違いが有るため簡単には比較できないが、書店にうず高く積まれた『マルコポーロ』と、残りがわずかの『PANJA』とを比べれば、勝負あったという印象を受ける。

 どちらも、週刊誌のスタッフを、かなり引っ張ってきたために、週刊誌との間で冷戦状態になっているという。週刊誌の手法を、そのまま月刊誌に持ち込んだ感じだが、それが月刊誌の性質にあっていたかどうかで明暗を分けたようだ。テーマ主義のPANJAに対して、ジャーナリスティックなマルコポーロはちと分が悪い。

宝島社の『宝島30』も、6月号からリニューアルしている。天皇家批判で右翼から銃弾を打ち込まれるなど、言論誌としての一面を持ち合わせていたが、リニューアル後は、『別冊宝島』的なテーマ主義に切り替えてしまった。売れ行きは好調だというが、『別冊宝島』と同じようなネタが多くなってしまった。

 出版社が利益を追求するのはかまわないが、週刊誌そのままの月刊誌を作ったり、同じネタの使い回しをしたり、読者を馬鹿にしていると、いつか痛い目にあうのではないか。



|

書評1990s」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ▽『PANJA』:

« ▽『寄生獣』――90年代を代表する傑作エンターテイメント | トップページ | ▽『官公庁のカタカナ語辞典』――使いやすく使いがいのある辞書 »