1995.10.22

▽企業の戦争責任――『週刊ダイヤモンド』1995年7月22日号

 8月15日をピークに、あらゆるメディアで戦後五〇年というテーマが取り上げられている。

 『週刊ダイヤモンド』7月22日号では、「企業の戦争責任」という特集が組まれていた。7月22日号の発売は7月中旬となるために、他のメディアにおける戦後五〇年特集のピークよりも一カ月も早い特集であった。

 ただ、同誌が取り上げた「企業の戦争責任」というテーマは、これまであまりスポットのあてられた部分ではないと思う。

 90年代に入って、第二次大戦中に大企業によって行われた中国人・朝鮮人の強制連行に対する損害賠償請求が、相次いで提訴されている。こうした強制連行に対し多くの企業は「国策に沿って行動しただけ」と答え、また、社史にそうした事実が記載されていないことを、この特集は示している。

 日本全体の戦争責任問題も含め、こうした問題を戦後五〇年の年だけ、あるいは年に一回だけ検証すればよい、というものではないだろう。また、こうした問題の当事者やずっと研究している人たちからすれば、同誌の検証は物足りない部分もあるかもしれない。

 さらに、商業誌という観点に立てば、この特集をした号は、部数的にはあまり成績が良くなかった、とも問いている。

 しかし、歴史のある出版社として、時には商業ベースにこだわらずに、取り上げなければならない問題もあるだろう。ダイヤモンド誌の心意気にエールを送りたい。


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