1995.12.22

▽『最終戦』



『最終戦 10.19 川崎球場~優勝を賭けた近鉄の死闘7時間33分』(文藝春秋)



 1988年10月19日、仰木監督率いる近鉄バッファローズは、対ロッテ二五・二六回戦のダブルヘッダーを戦っていた。この試合に連勝すれば、近鉄は八年ぶりのリーグ優勝を果たすことができるはずだった。

 近鉄は一試合目を難なくものにしたものの、二試合目は延長一〇回、ついに時間切れ引き分けで惜しくも優勝を逃してしまった。奇しくも、その日、オリックスが、阪急ブレーブスの買収を発表した――。

 仰木監督は、近鉄時代にも一度リーグ優勝を果たし、オリックスも就任二年目で優勝に導いた。こうした指導者の能力を高く評価して、多数のビジネス雑誌による仰木監督への取材申し込みが殺到している。しかし、仰木監督は、「野球以外の話はできない」と断っているという。

 そういえば、ヤクルトが優勝した時にも、マスコミに登場した野村監督に対し、必ずと言っていいほど「若い選手との付き合い方」について質問されていた。広岡達朗の管理野球ブーム以降、スポーツをビジネスのお手本にしようという風潮が強いが、私生活まで管理するようなやり方はどうかと思う。

 一方の、仰木監督は、自由放任を旨としながらも、成績にはきわめてシビアだという。いい結果が出れば何をしていても構わないというが、私生活も含め自己管理のできない選手にいい仕事ができるはずもない。結果からみれば、管理野球と同じかそれ以上の効果が得られているという。



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