1995.12.22

▽『デリバティブ規制で金融はこう変わる』――金融後進国ニッポンの「変わらなきゃ!」



安達智彦『デリバティブ規制で金融はこう変わる』(日本実業出版社)



 本書を書店で見かけたとき、表紙に描かれた「規制」の文字が小さく緑で囲まれていたこともあって、タイトルを『デリバティブで金融はこう変わる』と勘違いしてしまった。

 どちらともとれるような表紙のデザインは、ある意味でデリバティブと日本の金融界を取り巻く状況をうまく表現しているといえるだろう。内外の金融情勢を考えた時、デリバティブによって金融は変わるだろうし、その規制によっても変わらざるを得なくなる。特に、金融後進国ニッポンにとっては、厳しい変化を求められる時期を迎えている。

 日本にとって最大の変化は、デリバティブによって金融自由化の速度が加速される点にある。デリバティブによって資金の長期、短期や金利の変動、固定といった区別が取り払われたが、これは日本の金融界特有の業態という概念を一掃させ、予定よりも早く自由化の波をもたらした。

 一方、97年度にも導入されるBIS二次規制によって、邦銀のリスク管理能力も厳しく問われることになる。この二次規制を最高の条件でクリアーできる銀行は、日本にはわずか三~四行しかない。規制によってつけられる資本金格差は、収益力の格差をもたらし、必然的に邦銀の再編も加速させることになる。

 こうした背景をデリバティブの第一人者が易しく解説する。



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