2009.01.27

▽ジャーナリストが感じた三島由紀夫と自衛隊

杉山隆男『「兵士」になれなかった三島由紀夫』(小学館)


本書は、もっと評価されるべき本だと思う。ある意味でスクープと言ってもいい。

1970年、盾の会のメンバーとともに自衛隊市ヶ谷駐屯地に乱入し、自衛隊員に決起を呼びかけた後に、割腹自殺をした三島由紀夫は、生前、自衛隊のレンジャー部隊の訓練に参加していたことはよく知られている。

本書は、自らも自衛隊に体験入隊した経験のあるジャーナリストの杉山隆男が、三島の訓練に立ち会った複数の自衛隊員を訪ねて、レンジャー訓練における三島の様子を浮かび上がらせたものである。

当時の自衛隊員が三島をどう思っていたかについても率直に語られており、「なぜあの決起が成功しなかったのか?」という疑問に対する、一般の自衛隊員の側からの回答が読み取れる。

[目次]
第1章 忍(黙契;走る人;懸垂;水兵渡り;救出;美学)
第2章 剣(段級審査;手合わせ;服装点検;同期の二人;メダリスト)
第3章 絆(告白;継続監視;自立の宴;最後の会話;運命)
最終章 手紙


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