2009.01.10

▽ダイエー中内の強さの源泉

佐野眞一『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上・下〉』 (新潮文庫)

ジャーナリスト佐野眞一による中内ダイエーの研究の書。いまは亡きダイエー創業者・中内功の強さの源泉を次のように描いている。

《 このとき私はある経営コンサルタントに会い、目からウロコが落ちるような話を聞いた。
 ダイエーは地元からどんなに強い反対運動があっても最後は結局、出店してしまう、なぜなんでしょう。そうたずねると、経営コンサルタントは、なんでそんな簡単なことがわからないのか、という顔をした。
「簡単です。地元の反対運動は大勢ですが、ダイエーは中内さん一人だからです」
「多勢に無勢では、ダイエーの方が不利なんじゃないですか」
「そこが違うんです。複数は弱い。特に時間がたてばたつほど。あいつはひょっとして賛成派に回っているんじゃないかとか疑心暗鬼になり、最後は仲間割れになる。その点、一人は強い。絶対に割れっこないからです」
 私はあっ、と思った》(下巻p.424)

佐野眞一『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉』 (新潮文庫)
[目次]
第1部 苦悶と狂気
 沈む半月マーク
 メモリアルのなかの流通帝国
第2部 飢餓と闇市
 三角の小さな家
 書かれざる戦記
日本一長い百貨店
 キャッシュレジスターの高鳴り
 牛肉という導火線
第3部 拡大と亀裂
 神戸コネクションと一円玉騒動
 わが祖国アメリカ
 黄金の60年代
 ベビーブーマーたち
 血と骨の抗争

佐野眞一『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈下〉』 (新潮文庫)
[目次]
第4部 挑戦と猜疑
 「わが安売り哲学」
 三島由紀夫と格安テレビ ほか
第5部 膨張と解体
 持ち株会社第一号とローソンの反乱
 宮古の怪、福岡の謎 ほか
第6部 懊悩と終焉
 中内ダイエーの一番長い日
 インサイダー疑惑の衝撃 ほか


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