2009.04.16

▽2001年の時点ですでに指摘されていた特捜検察の闇

魚住昭『特捜検察の闇』(文藝春秋)

ダミー会社認定のあやふやさ、検察側の証人が実は横領していた、被告の発言のこじつけ的解釈、ずさんな国策捜査による冤罪の可能性……。

これ、最近の事件ではなくて、ジャーナリスト魚住昭が2001年に上梓した『特捜検察の闇』において、人権派弁護士・安田好弘の債権回収妨害事件の裁判のくだりで、明らかにしたことです。この裁判、一審では被告無罪、二審では罰金刑がくだり、現在は最高裁の判決待ちという状態ですが、昨今の特捜批判の世論の中では、検察にとって厳しい判決がでる可能性も否定できません。

著者のあとがきが印象的です。

《正直言って、私はつい最近まで自分がこんな本を書くことになろうとは夢にも思っていなかった。四年前の拙著『特捜検察』(岩波新書)を読まれた方ならおわかりになるだろうが、私はリクルート事件などで政官界の腐敗構造をえぐり出した東京地検特捜部を高く評価していたし、そこで働く検事や事務官たちが好きだった。
 その気持ちは今もまったく変わらない。だが、時が流れ、人も移り変わって検察はかつての検察ではなくなった。》


魚住昭『特捜検察の闇』(文藝春秋)
[目次]
第1章 許永中の盟友
第2章 大阪特捜に田中森一あり
第3章 闇世界の守護神
第4章 石橋産業事件
第5章 夢の終わり―カブトデコム事件
第6章 中坊公平の「正義」
第7章 安田弁護士の逮捕
第8章 法廷の逆転劇
第9章 国策捜査
終章 変容する司法


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