2009.04.25

▽アメーバニュース編集者が語るネットのバカたち

中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)

面白い本です。梅田望夫の『ウェブ進化論』に代表されるようなウェブの希望的な面を強調する論調に対し、アメーバニュースの編集責任者でもある著者は、自身の体験からウェブの持つ実態、つまり駄目な部分をつまびらかにしていきます。

《梅田氏は、ネットのこちら側(ハード上で情報処理を行う主体:IBM、マイクロソフトに象徴される古い勢力)と「あちら側」(ネット上で情報処理 を行う主体:グーグル、アマゾンに象徴される新しい勢力で、コンピューター・サイエンス分野のトップクラスの人々がその才能を活かす場所)という概念を説 き、「あちら側」の優れた点について言及した。
 それに対し、私はネットの使い方・発信情報について、「頭の良い人」 「普通の人」「バカ」に分けて考えたい。梅田氏の話は「頭の良い人」 にまつわる話であり、私は本書で 「普通の人」 「バカ」 にまつわる話をする。》(pp.18-19)

本書で語られる内容については、上記のような文章やタイトルからも伺えると思いますが、著者の言いたいことは、「ネットにあまり期待するな」ということに尽きると言えます。ネットの世界の現実が理解できる、とても面白い本ですので、お奨めしますよ。

[目次]
第1章 ネットのヘビーユーザーは、やっぱり「暇人」
 品行方正で怒りっぽいネット住民
 ネット界のセレブ「オナホ王子」
第2章 現場で学んだ「ネットユーザーとのつきあい方」
 もしもナンシー関がブログをやっていたら…
 「堂本剛にお詫びしてください」
第3章 ネットで流行るのは結局「テレビネタ」
 テレビの時代は本当に終わったのか?
 ブログでもテレビネタは大人気
第4章 企業はネットに期待しすぎるな
 企業がネットでうまくやるための5箇条
 ブロガーイベントに参加する人はロイヤルカスタマーか?
第5章 ネットはあなたの人生をなにも変えない


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