2009.04.16

▽司法記者が見た特捜部の崩壊

石塚健司『「特捜」崩壊 墜ちた最強捜査機関』(講談社)

最近なにかと話題の「特捜」、つまり東京地検特捜部の捜査が「崩壊」しているのではないか? という問題提起をしている。著者は、産経新聞の記者で、司法記者クラブのキャップや、社会部次長などを歴任している。

著者は、「特捜崩壊」の事例として、著者が関わった二つの事件を挙げている。一つ目は、1998年の大蔵キャリア官僚の過剰接待事件。二つ目は、2008年の防衛省汚職事件の″防衛利権のフィクサー″として、団体役員が脱税で逮捕された事件。この事件では、著者は、逮捕された容疑者の友人として、事件そのものにリアル・タイムで接していた。

著者のいう「特捜崩壊」とは、つまり特捜の事件の見立てに誤りがあり、その原因は、検察の人事のあり方にある、としている。

なお、1998年の大蔵キャリア官僚の過剰接待事件の過剰接待が無理筋であったことは、朝日新聞記者の村山治の『特捜検察 VS. 金融権力』や『市場検察』でも触れられている。



2008年の防衛省汚職事件の方は、容疑者自ら反論の書を上梓している。


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