2009.05.23

▽世襲を生み出す要因とは?

上杉隆『世襲議員のからくり』(文春新書)


本書は、ジャーナリストの上杉隆が、『週刊文春』誌上で連載していた政治家の世襲問題に関するレポートを再構成して、新書としてまとめたものである。世襲議員が有利とされるのは、政治資金団体の非課税相続、後援会組織の世襲、苗字などの継続性、という鞄、地盤、看板の三つのバンを引き継げるから、である。

これらの三バンについては、世襲批判の根幹として、かねてより指摘されてきた点である。それ以外の要因として、著者は、マスコミとの関係を指摘している。たとえば、鳩山家で、幼少時の由起夫や邦夫のお馬さん役をしていた人物は、現在は某新聞社の権力者であり、また、マスコミにも多数の政治家の子女が入社している、ということである。

[目次]
第1章 二世の投げ出しはなぜ続く
第2章 民主党の二世たち
第3章 からくりその1 - 政治資金管理団体の非課税相続
第4章 からくりその2 - 後援会組織の世襲
第5章 からくりその3 - どんな無理もする「看板の世襲」
第6章 世襲大国日本
第7章 国民の意思が世襲を断ち切る


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