2009.07.20

▽2011年に新聞・テレビ消滅の根拠は……

佐々木俊尚『2011年 新聞・テレビ消滅』(文春新書)


著者の佐々木俊尚は、なぜ『2011年 新聞・テレビ消滅』というタイトルをつけたのか? それは、

《アメリカのメディア業界で起きたことはつねに三年後に日本でも起きる。すべては約束された運命なのだ》(pp.10-11)

とし、アメリカでは2008年に新聞業界の崩壊が始まったから、日本でも、その3年後の2011年に新聞業界の崩壊が始まる。さらに、2011年には、地上波デジタルへの完全移行と、情報通信法の施行により、いわゆる電波利権が溶解する、と、やや2011年という年を新聞・テレビの崩壊の年と断定するには、根拠が薄いが、それでもマス・メディアの衰退は、インターネットの普及によって不可避と言える。

著者は、グーグルの及川卓也の言葉を引いて、メディア産業を「コンテンツ」、「コンテナ」、「コンベヤ」の三つの層からなるとし、マス・メディアの時代から、インターネットの時代へと、それぞれの層の担い手が変化することをあげて、メディア業界の変化を説明していく。

32ページには、新聞のケースとして
《コンテンツ=新聞記事、コンテナ=新聞紙面、コンベヤ=販売店》
とあげられている。これが、どのように変化していくか、については、著者のさまざまな考察が本書にあげられている。読者も自分なりに、メディアの将来像を考えてみるきっかけになりうるだろう。


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