2009.10.19

▽養老孟司と内田樹

『考える人』 (新潮社)2009年秋号・特集「活字から、ウェブへの……。」

昨日紹介した『考える人』 の中から、気になったコメントをいくつか。

まず養老孟司は、まず、ウェブで書かれる文章は、反論を予測しながら書くことになるため、

《官僚の作文に近くなっていきます。しかし、用意周到な文章なんて、読んでいてこれほどおもしろくないものはない》(p.44)

と指摘しています。また、ウェブの中にある文章とは、

《古典だろうが昨日の出来事だろうがすべては過去なんです。パソコンを使って向き合っているのは過去でしかない。……パソコンを使うようになるにしたがって、人類全体が過去に埋没しはじめたんじゃないか。だから生きている気がしない人が増えているのは当然ですね》(p.45)

と警鐘をならしています。一方、ウェブ上のテクストは著作権を放棄している内田樹は、

《あらゆる読者はその長い読書人生を『無料読者』という立場から始めます。……この膨大な無料購読者たちのうちの一部がやがて活字中毒者となり、……『有料購読者』になります》(p.65)

と、まずは無料の読者を増やすことが重要であると説いています。

『考える人』特集「活字から、ウェブへの……。」
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji.html


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