2009.11.20

▽リクルート報道の再検証

田原総一朗『正義の罠 リクルート事件と自民党 二十年目の真実』(小学館)


『リクルート事件・江副浩正の真実』(中央公論新社)の中で触れられていた本を、いくつか読んでみました。

まず、田原総一郎の『正義の罠 リクルート事件と自民党 二十年目の真実』。本書において、著者は、「リクルート事件は、検察が作った冤罪である」という主張をしています。
ところで、リクルート・コスモスという不動産会社の未公開株を譲渡したことの是非はさておき、側近の証言として紹介されている次の二点が、リクルート事件の背景にあったことがわかります。

《江副が側近に「広告情報誌事業では、どんなに飛ばしても年間に一〇〇〇億円の利益をあげるのに二〇年かかる。それが不動産だと、五〇〇億円で買った土地を、うまくすると明日にでも六〇〇億円で売れる」ともらしたのはホンネのホンネで、メーカーになりたいという悲願と合致したのだろう》(p.98)

《リクルート元部長も、「江副さんは、経済同友会や経団連に顔を出すようになっても、『どこの馬の骨かわからない男』だし仲間外れにされ、メジャーでないというコンプレックスを強く感じていた。特に第二電電入りを拒否されたことは痛手だった。だから、何とかして、一人前として仲間に入れてほしい。仲間にしてほしい。そんな願いがあって、未公開株を政財界の要人たちに譲渡した」のだと強調した。》(p.108)

ただ、事件当時の感覚では、未公開株の譲渡自体は違法ではない、という感覚が政財界の中にあったのは事実のようです。

リクルート疑惑の報道の端緒を開いた朝日新聞横浜支局、そして朝日新聞社会部の側の様子は、次の二冊を読むとわかります。

『追跡 リクルート疑惑―スクープ取材に燃えた121日』(朝日新聞横浜支局)

『ドキュメント リクルート報道』(朝日新聞社会部)


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