2010.03.25

▽『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』

西田 宗千佳『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(エンターブレイン)

本書の内容は、タイトルの初めの部分『iPad VS. キンドル』よりも、その後の『日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』の方が正確でしょう。iPadとキンドルだけではなくて、ソニーリーダーも含まれています。三社それぞれの立ち位置や戦略の違いがよくわかります。

また、過去に行われた電子書籍の試みについて、失敗も含めて、当事者に幅広く聞き取りを行っていて、資料としても価値は高いと思います。

ただ、本書を読んでも、いままで電子書籍がうまくいかなかった理由はわかりますが、これから電子書籍市場がどう拡大していくか、そして誰が勝者になるかは、わかりませんね。数年後には、アップデート版が書かれることでしょう。

[参考]▽iPodは何を変えたのか? を振り返る
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/02/ipod-7562.html

西田 宗千佳『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(エンターブレイン)
[目次]
序 章 はじめに~eBookはコンピュータの夢だった~

第1章 キンドル・インパクト!
 あのジョブズ氏も「ライバル礼賛」
 巨大通販会社が「家電メーカー」になる
 見やすくて電気を食わない「電子ペーパー」
 「通信モジュール」~キンドルの持つ本当の革新~
 「ウィスパーネット」がキンドルの秘密
 「MVNO(仮想移動体通信事業者)」の常識を疑え
 キンドルの祖先は「ソニー」にあった
 キンドル・ブーム:2009年空港待合室にて
 eBookなければeBookリーダーも売れず
 ギフトと口コミで「食わず嫌い」を超えろ
 「キンドル」ビジネスの本質は「本を売ること」だ!

第2章 キンドルのライバル、ソニーとアップル
 アメリカで「再起動」したソニー
 発案したのは「ストリンガーCEO」だった
 秘密は「出版契約」にあった
 サンディエゴに本拠を移してビジネスを開始
 「ハードの強み」でまず攻める
 「アマゾンの敵」を味方につけろ
 アップルの狙いは「eBook」ではない?!
 アップルの狙いは「リビング」だった
 iPadの価値は「アプリ」にあり
 「単機能」対「汎用」
 「文庫本」的なキンドル、「雑誌」的なiPad

第3章 eBookへの長い道
 ダイナブックとエキスパンドブック
 インターネットが「マルチメディア」を殺す
 メーカーが団結して臨んだ「電子辞書」
 ソフトから「電子辞書」という機械へ
 「青空文庫」と「自炊」する人々
 「読めない本」に価値はない
 様々な機器の登場がeBookを促す

第4章  eBookのビジネスモデルとは~アメリカの場合~
 eBookは「お金になった」から成立した
 「早く読めて安い」で読書家の心をつかめ
 カギは「お金を払って買う」システムの存在
 「売れば売るほど赤字」は本当か
 ビジネスモデルの「自由度」の重要性とは
 「価格」「特典」を巡りストアと出版社が綱引き
 広がる「個人出版」の可能性~「アマゾンDTP」~
 通信コストまで「ビジネスモデル」の範疇
 「無料」を最大限に活用せよ
 EPUBをしかけたソニー
 フォーマット戦争は存在しない?!
 eBookは「プラットフォーム」が支配する

第5章  日本はどう「eBook」の波に乗るのか
 消費者調査から知る「eBook」
 「アメリカ化」と「国際化」
 水面下で進む「eBook日本上陸」
 新聞社は「デジタル配信」に前向き?!
 すでに「携帯向け出版」はあるけれど
 ゲーム機にコミックが配信される理由
 マンガの現場は「危機」にある!
 eBookがはらむ巨大な「危険」
 「雑誌配信実験」の狙いとは
 日本における権利処理問題のハードル
 グーグルブックスの「本当の問題点」
 著作権は「銭金の問題」だ
 eBookと「再販制度」
 eBookから「ミリオン」は生まれるか

巻末付録 HOW TO KINDLE(キンドル 購入から利用までの手引き)
 応用編…………巻末x
 基本編…………巻末ii


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