2010.04.18

▽大島渚と日本のホモソーシャリティ

四方田犬彦『大島渚と日本』(筑摩書房)


本書は、四方田犬彦による大島渚の作品を俯瞰的に解説している。もともとはPR誌「ちくま」に連載されていたもの。

《……大島を頂点として動いている創造社が本質的に強いホモソーシャリティを帯びているからである。これは隠喩的に了解していただきたいが、彼らは毎回新作に取りかかるたびに、一人の素人女性を媒介することで全体の結束をより深く固めてゆくのだ。ひとたび共有された後に排除される女性たち。大島渚のフィルモグラフィーを構成しているのは、実は彼女たちの点鬼簿である。》(p.68)

ホモソーシャリティとは、ジェンダー研究の場で使われているタームです。ホモセクシュアルとは異なる概念で、男性中心の同質的社会のことを言います。日本の企業も、このホモソーシャリティが強く、要するに、男性正社員が優位な組織であることが特徴であるといえます。最近、日本の年功序列型組織の崩壊が予見されていますが、人類学的な観点からすると、日本の企業社会のホモソーシャリティは、そう簡単には崩れないような気もしています。


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