2010.05.06

▽村上春樹の小説とせどりのシンクロニシティ

吉本康永『大金持ちも驚いた105円という大金』(三五館)

また、せどりの本を見つけて読んでしまいました(笑)。

▽『インターネットで古本屋さんやろうよ!』の行方
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/01/post-36d0.html
▽『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/03/post-0cb8.html

本書『大金持ちも驚いた105円という大金』の著者は、定年間近の予備校教師の方ですが、昨今の不況により給料のカットを言い渡されました。このままでは月々の住宅ローンの支払いに窮することから、アマゾン・マーケットプレイスで蔵書を売り払ってローンの穴埋めをするうちに、せどり稼業へと足を踏み入れることになりました。

後に税理士さんから「天職」と言われるほどに著者のせどりビジネスは順調に拡大していき、開始後わずか一年で、月商百万円(粗利益はその半分くらい)に達します。ものすごいサクセス・ストーリーを読んでいるようで他人事ながらもわくわくしてしまいます。

そんな著者が仕事の合間に村上春樹の小説を読み始めて、はまり、ほとんどの作品を読んだ後に、次のような感想をもらします。

《牽強付会を承知であえて言えば、私の精神の失調状態と村上春樹の小説の登場人物たちの精神の失調状態がシンクロしていたようにも思えます。
 話が飛びすぎるかもしれませんが、そういう意味において私は若い人たちがせどりで生計をたてていくことには否定的です。せどりは孤独で辛気臭い作業ですし、一日、だれとも話さず生きていくことも可能です。また、ネットを介してお客様とのコミュニケーションもやろうと思えば可能でしょうが、大切な生身の人間との関係性を構築できなくなってしまう恐れがあります。》(p.86)

[目次]
    ローン地獄
    アマゾンへの出品
    せどり生活のスタート
    訪れる失敗
    アコーディオン買い
    せどりの日々
    著名人本の価値
    車の買い替え
    パソコンと本の分類
    アマゾン一人勝ち
    せどりのジャンル
    税理士登場
    古物商許可証取得
    さまざまなお客様
    売り上げ記録は更新中だが…
    せどりの技術
    ある日のせどり旅
    ローン地獄からの脱出
    本の運命


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