2010.10.03

▽日本経済の正体(2)――『2020年、日本が破綻する日』

小黒一正『2020年、日本が破綻する日』(日経プレミアシリーズ)

各所で話題の日本経済に関する本を紹介していますが、その第二弾は、『2020年、日本が破綻する日』。著者の主張は、このままいくと、2020年までに、家計貯蓄に支えられてきた国債発行ができなくなるため、国債の暴落と金利の上昇が同時に起こる、というもの。

こういう主張に対しては「狼少年」という批判も多いのですが、でも、遅かれ早かれ「狼」は確実にやってくる、と思います。

日本政府のバランスシートは2007年度末の時点で、資産は695兆円、負債は978兆円と、283兆円の債務超過となっています。

《これが民間企業であれば、通常、債務超過となった段階で倒産してしまうケースも多い。しかし、債務超過でも国が破綻しないのは、政府は国民から強制的に税を徴収できる権限、つまり「課税権」をもつからである。》(p.55)

この283兆円が、2007年時点の純債務(ネット)であり、対GDP比は約60%で、総債務(グロス)の対GDP比は約190%に比べれば、ずっと額が小さいと言われてきました。

しかし、このバランスシートの資産の中には、道路や川などの社会資本が含まれており現実には売却できない、また将来の年金の支払いのための積立金なども含まれていてすべて取り崩すことはできないそうです。さらに、社会保障の「暗黙の債務」1150兆円を加えると、1430兆円もの債務超過となる可能性もあるそうです。

本書においても、著者は、さまざまな処方箋を提示していますが、これも実行に移すには、相当な痛みを伴うものであることが予想できます。そして、やはりこちらも、「もう手遅れなんじゃないの?」という絶望感に襲われてしまいます。


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