2011.01.19

▽フェイスブックの本質とは

デビッド・カークパトリック『フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)』(日経BP社)

最近いろいろなところでフェイスブックが話題になっています。いまいちどういうものかわからないので、本書を読んでみました。

まあ、本書については、すでに、いろいろなところで話題になっていますが、フェイスブックの立ち上げから拡大・発展の節目節目の出来事や、それにどう考え、対処していったかが詳述されています。フェイスブックというサービスや、フェイスブックという会社、そして、創立者のザッカーバーグに関心のある方は読んでみて損は無いと思います。

ところで、フェイスブックとはなんぞやという問いに、ヒントを与えてくれた部分があります。2006年9月に、「ニュースフィード」というサービスがフェイスブックに加わりました。

《今まで自分に関する情報を誰かに伝えたい時には、自らプロセスを始める、すなわち電話をかけたり、手紙やメールを送ったり、あるいはインスタントメッセージを使って会話するなど、相手に何かを「送る」必要があった。
 ところがニュースフィードはこのプロセスを逆転させた。誰かに自分に関する通知を送る代わりに、フェイスブックで自分について何かを書くだけで、その情報に興味を持ちそうな友だち宛にフェイスブックが送ってくれる。誰に送るかは、過去に相手が何に興味を持ったかに基づいてフェイスブックが計算する。》(p.281)

この「ニュースフィード」というサービスは、勝手に友達に自分の情報が拡散されてしまうこともあって、スタート当初は、ユーザーからの反発にあってしまいます。しかし、「ニュースフィード」のスタート前とスタート後を比べると、開始後にはフェイスブックへのアクセス時間が急増したこともあって、多少の微調整を行いましたが、「ニュースフィード」はそのまま継続され、いまでは人気のサービスとなっています。

メディア論的には、何かを「送る」から、「フェイスブックが送ってくれる」への変化がポイントとなるのでしょうが、私はむしろ、引用部の最後の「誰に送るかは、過去に相手が何に興味を持ったかに基づいてフェイスブックが計算する。」が引っかかります。

要するに、誰かのニュースフィードが自分の所に届いても、それがその人の情報のすべてではないかもしれない、という飢餓感や、情報の不完全性が、逆に、誰かに対する関心をより大きくかき立てる結果につながっているのではないか、と思います。

これはフェイスブックというよりも、インターネットが持ってる本質的なものなのかもしれませんね。

[参考]▽『小説家という職業』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/07/post-b8f1.html


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