2011.01.25

▽ビートルズ都市論

福屋利信『ビートルズ都市論―リヴァプール、ハンブルグ、ロンドン、東京』(幻冬舎新書)

リヴァプールで生まれ、ハンブルグでバンドとしての経験を積み、ロンドンでレコード・デビューしたビートルズの、それぞれの都市との関係をメンバーの証言などをもとに考察したもの。

なかでも、もっとも興味深かったのは、第三章で考察されているロンドンとの関わり。ジョン・レノンは、「僕たち北部人は南部、すなわちロンドンの人たちからはアニマルと見下されていたんだ。」(p.143)と、また、ジョージ・ハリスンは「駆け出しの頃、ロンドンのバンドからさんざん言われたよ。ウォトフォードから10キロ北はすべてクズだって。」(p.144)と語っている。

ロンドンでのビートルズは、プライベートにおいても、音楽というビジネスにおいても大きな変化を経験した。

《ロンドンで、グループとしてのビートルズは、階層の壁を越えてとてつもない社会的成功を手にしたが、個人生活では階層の壁に跳ね返され、かけがえのない大切な部分を失いもした》(p.197)

第四章は、日本の読者を意識してか「ビートルズと東京」となっているものの、「ビートルズとアメリカの都市」が無いのはやはりおかしい。

[参考]
▽シビックプライド――ヨーロッパにおけるケーススタディ
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/12/post-d65f.html


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