2011.01.01

▽『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』

若宮健『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』(祥伝社新書)

本書で、まず気になることは、韓国のパチンコとは、いったいどういうものなのか? ということでしょう。本書の第一章に解説があります。

・韓国のパチンコは「メダルチギ」という
・日本のパチンコ台を輸入して使う
・釘は全部根本から切ってある
・盤面と液晶はそのまま
・玉は使わない
・メダルを中央の皿に流し込む
・液晶は常時回っている
・大当たりすると商品券が出てくる
・これを店外の交換所で換金してもらう(三点方式)

……この説明だけでは、よくわかりません。

ウェブで、いろいろと調べてみると、メダルチギでは、パチンコ台の「スタートチャッカー」と呼ばれる大当たりにつながる入賞口に、ほぼすべてのメダルが入るため、その後の、メインデジタルのフィーバーを狙うスロット・マシーンのようなもののようです。つまり、日本のパチンコよりも、ずっと射幸性が高いということが推測できます。

このメダルチギは、韓国では2000年頃から流行始めて、最盛期には店舗数が1万5000店を超えたそうです。ところが、許認可に絡む不正や借金苦による自殺など社会問題化したため、2006年に違法とされて、パチンコ店は全廃されたそうです。

ところが日本では、このニュースがまったく報じられなかったことに驚いた著者は、韓国のメダルチギと比較しつつ、日本のパチンコ業界と、それを取り巻く環境を考察していきます。

ただ、韓国においてはメダルチギというギャンブルは、6年という浅い歴史しかないのに対して、日本のパチンコは、庶民の生活に根を下ろした長い歴史を持つギャンブルなので、簡単には比較できない部分はあるのかもしれませんね。

ただ、日本のパチンコは全廃はともかくとして、射幸性が高すぎる台は規制した方が良いとは思います。

[目次]
1章 なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか
2章 なぜパチンコは、廃止されねばならないのか
3章 なぜ日本は、パチンコを廃止できないのか


|

書評2011年」カテゴリの記事