2011.02.16

▽人口問題を供給面から考える――『人口負荷社会』

小峰隆夫『人口負荷社会』(日経プレミアシリーズ)

2010年に売れた経済書といえば、藻谷浩介『デフレの正体』があげられるだろう。

▽日本経済の正体(1)――『デフレの正体』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/10/post-ae95.html

『デフレの正体』は、2010年6月に発売され、発売当初はほとんど売れなかったが、9月に入ると突然売れ出して、いまや50万部を超えるベストセラーになっている。『デフレの正体』は、ここ二十年ほどの景気の停滞を、人口問題の需要面から考察している。

同じ頃に発売された小峰隆夫『人口負荷社会』は、人口問題を供給面から考察している。『デフレの正体』とあわせて読むことをお薦めする。

ところで『人口負荷社会』において、一般の人には皮膚感覚でわかりにくいところがあるとすれば、人口が減ると市場規模が縮小するという「人口減少=市場規模縮小論」を「錯覚」として反論する部分。

《人口が減ると日本人全体の食事回数は減り、学生の数も減る。すると、確実に食品市場、教育市場規模は縮小するように思われる。しかしこれは量の話である。量が減ったからといって、食品業界、教育業界のマーケットが縮小するとは限らない。質(付加価値)が高くなる可能性があるからだ。》(p.126)

続けて、

《例えば、日本人全体の食事の総回数が減っても、1回当たりの食費が増えれば食品マーケット全体の規模が縮小するとは限らない。》(p.126)

とする。

しかし、「1回当たりの食費が増える」かどうかは、はっきりしないし、増えていない、と感じている人も多いのではないか。この点が、一般の人の「腑に落ちない」部分かもしれない。


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