2011.03.29

▽『出版大崩壊』

山田順『出版大崩壊 電子書籍の罠』(文春新書)

またまた電子書籍本。帯には、

某大手出版社が出版中止した「禁断の書」
電子書籍の不都合な真実

とある。これはどういうことかというと、「はじめに」に次のように書かれている。

《当初、本書は電子化を積極的に進める出版社から出す予定で書いてきた。しかし、内容がその社が進める電子化に反するものだったためか、途中で中止となり、最終的に文藝春秋に救っていただいた。》(p.12)

要するに、「電子書籍もやっぱり駄目っぽい」という内容のために、電子書籍に期待をしていた某大手出版社からは拒絶された、と。そして、いまのところ、あまり電子書籍には力を入れていない(ようにみえる)文藝春秋が拾ってくれたということらしい。

電子書籍が駄目っぽいからといって、紙の出版物もやっぱり大変な状況はかわらず、そのことは、「出版大崩壊」という自虐的なタイトルが示している。

内容的には、これまでにもこの手の本で何度も繰り返されたような話題が多い。目新しいのは、著者自らが試みた電子自費出版の成績くらいだろうが、それはそれで、衝撃的である。

[目次]
第1章「Kindle」「iPadショック」
第2章 異常な電子書籍ブーム
第3章 そもそも電子書籍とはなにか?
第4章 岐路に立つ出版界
第5章 「中抜き」と「価格決定権」
第6章 日本市場の特殊性
第7章 「自炊」と不法コピー
第8章 著作権の呪縛
第9章 ビジネスとしての電子出版
第10章 誰でも自費出版の衆愚
第11章 コンテンツ産業がたどった道


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