2011.03.19

▽ランドラッシュに出遅れるニッポン

NHK食料危機取材班『ランドラッシュ―激化する世界農地争奪戦』(新潮社)

本書のタイトルである「ランドラッシュ」とは、国際的な農地争奪戦を意味する造語である。ヨーロッパやアメリカに加えて、韓国、中国、インドなどの新興国が、ロシア、ブラジル、アフリカなどの農地を買い漁って開拓し、農地として、

本書は、2007年から2008年にかけて発生した「世界食糧危機」を機に、NHK取材班が世界各地のランドラッシュの実態を調査したものであるが、日本は、明らかにランドラッシュに出遅れているようだ。

《ランドラッシュを進める韓国、中国、インドなどの行動は、経済の常識から見れば必ずしも合理的ではないかもしれない。平常時の経営安定の問題、輸送ルートの問題、関税の問題、輸出禁止のリスク――。様々な課題を置き去りにしたまま、ただ進出を強引に推し進めていた。
 しかし、そこで目にしたのは、変革の時代を迎え、未来を自らの方向に引き寄せようという強い意志だった。その意志の強さは、様々な矛盾を乗り越え、受け身で合理的な選択をする者を打ち負かし、新しい時代の主導権を握るかもしれない。》(p.250)


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