2011.03.15

▽『軍事とロジスティクス』

江畑謙介『軍事とロジスティクス』(日経BP社)

軍事評論家の江畑謙介(2009年死去)が、流通業向けの業界誌に連載した軍事活動におけるロジスティクスの情報をまとめたもの(2008年出版)。軍事活動だけではなく、災害時の復興においても、ロジスティクスの確保が、いかに重要かが痛切に思い返されます。

[目次]
はじめに
 戦いにおいて、第一にして最も重要なこと
 ロジスティクスを「後方」と訳す自衛隊
 「鉄の山」を築き、動かした昔のロジスティクス
 情報ネットワークと無線タグの利用
 変わるロジスティクス
 センス・アンド・レスポンド補給と環境への配慮

第1章 イラク戦争とロジスティクス
ロジスティクスと新技術
 「成功」とされたイラク戦争のロジスティクス
 「軍事におくる革命」とロジスティクス
 RFIDタグの実用化
 アセッツ・ヴィジビリティ
湾岸戦争とイラク戦争の教訓
 湾岸戦争の教訓が生きたイラク戦争
 イラク戦争で活用された米軍補給システム
 イラク戦争の反省点
 多くの欠陥を露呈したイギリス軍のロジスティクス
 問題になった装備品の不足
 遅れていたイギリス軍のロジスティクス・システム
 イタリア軍のロジスティクス
威力を発揮した長距離輸送能力
 米軍輸送手段に対する評価
 即応可能な政府保管のRRF船隊
 高い評価を受けた最新型C-17輸送機
イラク戦争第2段階のロジスティクス
 不足した治安維持部隊の兵力
 在欧米陸軍部隊のイラク派遣
 装備の整備と修理
 狙われる補給部隊
 緊急装甲防御対策の実施
 コンボイ防衛訓練とシミュレーター
 手製爆弾(IED)の脅威
 MRAP計画
 航空輸送需要の増大と航空自衛隊の空輸支援
 浄水装置、再生エネルギーの活用
砂漠地帯におくるロジスティクス
 砂漠地帯の特殊性
 砂漠におくる保守・整備作業
    
第2章 アフガニスタンの戦いとロジスティクス
特殊部隊に対するロジスティクス
 非対称型の戦い
 想像力で仕様を決める
ISAF正規軍部隊へのロジスティクス
 ロード・トゥー・アフガニスタン
 フォース・プロバイダー・モジュール
 アフガニスタンにおくる米・英軍のロジスティクス組織
 戦況の悪化とNATO軍装備の変化
NATOのアフガニスタン・ロジスティクス
 NAMSA(NATO整備供給局)
 NATOの戦略空輸能力強化
 海・空輸送手段の統合調整機能
オペレーション・マウンテン・スラスト
 非NATO加盟国軍との共同作戦
 「マウンテン・スラスト」の教訓

第3章 軍事ロジスティクスの民間委託
急増する軍任務の民間委託
 クローズアップされた戦場の民間会社
 冷戦終了後に急増したアウトソーシング
 兵士一人に一人の民間契約社員
 艦隊補給から情報分析まで
 LOGCAP
経費削減と官組織との競争
 経費削減と公務員グループとの競争
 補給廠、工廠の民間委託
急成長するロジスティクスの民間請負企業
 軍人を事務室から戦場に
 噴出したハリバートン社問題
 軍とのロジスティクス契約増大の裏で
 再度問題になったイラクでの民間契約
 現地契約会社実態把握の難しさ
イギリスとカナダの民間委託
 英軍の海外展開支援を請け負ったKBR社
 独立採算制の英空軍航空機整備組織
 カナダ国防省に踏み台にされたTBG社
 海外派遣カナダ軍に対する民間ロジスティクス契約
民間委託の問題と不安要因
 軍業務の民間委託で生じる問題
 企業が契約違反をするとき

第4章 米軍海外展開戦略とロジスティクス
新たな脅威と米軍戦略
 米国に対する新たな脅威
 遠隔の地に米軍を投入する方法
米軍の全世界事前備蓄
 装備の事前陸上備蓄と海上備蓄
 功を奏した中東方面用の事前備蓄
 中東諸国の負担で造られた米軍事前備蓄施設
 事前備蓄の長所と短所
 威力を発揮した海兵隊の海上事前備蓄
 海兵隊の事前集積船部隊
 米陸軍と空軍の事前備蓄船部隊
 国家が保有する戦略海上輸送部隊
シー・ベイシング構想
 外国領の基地に依存しない米軍作戦の実現
 シー・ベース構成部隊
 MPF[F]に求められる機能
 コンテナ船改造型MPF[F]
各国が導入し始めた多目的ロジスティクス艦
 英海軍のロジスティクス艦船計画
 各国が導入を図る多目的艦
洋上補給と近代化上の問題
 グラマラスでなかった洋上補給
 現用洋上補給方式の問題点
 洋上移送量の増加とコンテナ輸送化
 トータルな洋上補給システムの改革
 コンテナ化
 洋上補給のコンテナ化における問題

第5章 軍事輸送システム
軍事輸送のパレット化とコンテナ化
 パレットのスマート化と暗視装置
 軍事ロジスティクスのコンテナ化
 緊急展開用コンテナと輸送システム
戦うトラック
 トラックへの緊急装甲防御対策
 トラックに装甲防御を施す難しさ
 トラックの装甲で先行した欧州
 人員輸送用防御コンテナと民間トラックの装甲防御
次世代の海上輸送システム
 高速輸送艦HSV
 陸海共通型JHSV計画とRSLS
 モジュール型コーズウェイ・システム
新しい航空技術と輸送システム
 限界に達した在来型大型機と新しい航空技術
 ハイブリッド型飛行船とチルトローター輸送機
 欧州の輸送型飛行船計画
 小型輸送機とC-130の後継輸送機
 垂直離着陸型大型輸送機
 無人輸送機
 パラシュート精密投下装置JPADS

第6章 これからの軍事ロジスティクス
ロジスティクス状況のリアルタイム把握
 スニーカー・ネットからの脱却
 ロジスティクス共通運用状況の把握(LCOP)
「感知と対応」型ロジスティクス
 センス・アンド・レスポンド
 能力を基本とする統合型ロジスティクス組織
無線タグの実用化と進歩
 RFIDタグの種類
 事前対策型ロジスティクス
 英軍とNATOにおくるRFIDタグの応用
 次世代アクティブRFIDタグの開発
各国軍隊の次世代ロジスティクス・システム
 米陸軍のロジスティクス近代化計画(LMP)
 英国防ロジスティクス機構の再改編
 イスラエル軍のロジスティクス組織改革

おわりに


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