2011.03.17

▽『スウェーデン・パラドックス』

湯元健治、佐藤吉宗『スウェーデン・パラドックス』(日本経済新聞出版社)

日本でも福祉や社会保障が問題になっていますが、本書は、福祉先進国として知られるスウェーデンの実態を、つまびらかにしたものです。

かつて、「福祉国家」と言えば、労働者も失業者も老人も、のんびりと暮らせる豊かな国というイメージがありましたが、実態は、企業の新陳代謝を促し、失業者の尻を働け働けとたたき続ける、成長志向の強い競争社会であることがわかります。

《確かに、スウェーデンは、社会保障面では「大きな政府」だが、高水準の福祉や社会保障を維持するためには、常に、産業構造を高度化・転換し、持続的な経済成長を追求していく必要がある。我々は、企業活動を支える産業政策面ではスウェーデンが「小さな政府」であるという事実を銘記すべきだろう。》(p.76)

[目次]
はじめに--本書の問題意識
序 章 スウェーデン・モデルとは何か
第1章 高い国際競争力の源泉は何か
第2章 女性の活用による共働き社会の実現
第3章 厳しい競争社会を支える独自の雇用・賃金システム
第4章 就労インセンティブを重視する福祉・社会保障制度
第5章 明確な受益と負担の関係
終 章 スウェーデンから見た日本の未来への提言
おわりに


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