2011.04.25

▽『日本は世界1位の金属資源大国』

平沼光『日本は世界1位の金属資源大国』 (講談社プラスアルファ新書)

意外なタイトルに、思わず手にとってしまいました……。

本書は、3.11の大震災より前に書かれているので、それ以前の政策を前提に書かれています。民主党の戦略では、「グリーンイノベーション」によって、2020年までに、50兆円の環境関連新規市場、140万人の環境分野の新規雇用、13億トン以上の温室効果ガスの削減を目標としています。

この戦略の中では、ハイブリッド車や電気自動車、太陽光発電、蓄電池などの環境に優しい製品が必要となります。そして、これらの製品に使われているのがレアメタルであり……、と話は続きます。いちおう3.11後でも、読める内容になっています。

そしてレアアースの世界最大の産出国は、中国であり、先の尖閣諸島での漁船衝突事故の際には、レアアースの禁輸という非常手段を中国はちらつかせてきました。

つまり、資源小国の日本は、中国にはさからえないと言えそうです。しかし! と著者は指摘します。

日本には「都市鉱山」と呼ばれるものがあって、そこに埋蔵されているレアメタルの量を含めると、日本は世界一の資源大国になるのだそうです。「都市鉱山」とは、要するに、捨てられたパソコンや家電製品、携帯電話のことで、そこからレアメタルを抽出してリサイクル利用すれば良いのだそうです。

また、日本近海の海底も金属資源は豊富だそうです。海水からもレアメタルはとれるそうです。

まあ、「都市鉱山」にしろ、「海底資源」にしろ、「海水」にしろ、今後の技術革新や開発が期待されている段階だそうですが……。ただ、日本の科学技術が、お先真っ暗な状態の中で、ちょっとだけ光明を見させてくれる本ですね。


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