2011.04.13

▽食品の放射能汚染は、どれほど忌避されるものなのか?

真保裕一『連鎖』 (講談社文庫)

真保裕一といえば、『奪取』、『ホワイトアウト』、『奇跡の人』などの綿密な調査と緻密なプロットの小説で知られています。

その真保裕一のデビュー作であり、1991年に江戸川乱歩賞を受賞したのが、この『連鎖』。その内容は、

《チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品がヨーロッパから検査対象外の別の国経由で輸入されていた。厚生省の元食品衛生監視員として、汚染食品の横流しの真相究明に乗りだした羽川にやがて死の脅迫が…。》

ミステリー小説などのフィクションにおいては、悪役は悪ければ悪いほどいい。チェルノブイリの放射能に汚染された食品を密輸する企業は、まさに悪の権化として、小説内でも厳しく批判されています……。

これが、放射能汚染の現実なんですよね……。

小説の方は、ちょっとストーリーが込み入っていてまどろっこしいところもありますが、評判通りの傑作です。


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