2011.04.02

▽『朽ちていった命』

NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』 (新潮文庫)

1999年9月に茨城県東海村で起きた、核燃料の臨界事故――。

バケツでウラン溶液を移し替える作業をしていた作業員は、ウランが臨海した時に発生する「チェレンコフの光」と呼ばれる青い光を見た。その時、発せられた中性子が体を貫通すると、作業員は嘔吐し、意識を失った――。

被爆した当初は、赤くはれているだけだった右腕の皮膚は、次第に変色していく。中性子が染色体を破壊しつくしてしまったために、組織が再生できないからだという。

本書は、83日間におよぶ被害者と、治療に携わった医師達の記録である。文庫化に際してつけられた「朽ちていった命」というタイトルが、この悲惨な事故の実態を現している。

いまさらながら被害者のご冥福をお祈りするとともに、福島原発の被害が最小限にとどまることを願っています。


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