2011.05.02

▽『大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード』

高木徹『大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード』 (文春文庫)

国際テロ組織アルカイダの指導者であるオサマ・ビンラディンが殺害されたというニュースが流れています。

ビンラディンに関しては、病死説も流れていたので、私は、すでに死んでいるものだと思っていました。時折流れてくるビンラディンのメッセージは、アルカイダのメンバーの創作だと思っていました。

ですから、今回のニュースを聞いて、ビンラディンはまだ生きていたのか! という驚きとともに、もしかしたら人違いかもしれないのでは? という疑念も拭い去れません。もうしばらく事態の推移を見たいと思います。

さて、本書は、2001年に発生した9.11テロの半年前に、アフガニスタンにあるバーミヤンの大仏がタリバン政権によって破壊されたという事件の背景にせまったものです。

当時のアフガニスタンを支配していたタリバンは、宗教的には真面目な政権で、庶民からもある程度の支持は得ていたようです。イスラム原理主義の抑圧的な政権というイメージは、欧米のメディアによって流されたもののようです。

しかし、そのタリバン政権は、国際的なテロ組織であるアルカイダとオサマ・ビンラディンが寄生するかたちで乗っ取られた、というのが著者の見立てです。

彼らによって破壊されたバーミヤンの大仏は、二つの大仏が並んで立っているもので、それは、9.11のツイン・タワー破壊へのプレリュードではなかったか――など、隠された事実が掘り起こされていて、今でも興味深く読むことができます。


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