2011.06.27

▽『あの戦争と日本人』

半藤一利『あの戦争と日本人』(文藝春秋)

前回のエントリーで、『幕末史』を紹介しましたが、

▽『幕末史』――攘夷から開国への転換点は?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/06/post-7fe7.html

今回は、同じ著者の『あの戦争と日本人』。本書の主題は、「太平洋戦争」とか、「大東亜戦争」とか言われている「あの戦争」です。

前著と共通している著者の歴史認識は、「あの戦争」を引き起こした「統帥権」、つまり、「政府から独立した軍隊指揮権」(p.23)は、実は、西南戦争直後の明治11年には確立されていたというもの。明治22年に制定された憲法では、それを追認したのだそうです。

もちろん「統帥権」だけが問題ではなく、それを使う軍人の側、あるいは、日中戦争初期において、弱気な軍人を無視して、大衆に迎合して強攻策をとった政治家の側も悪いんですけどね。

いずれにせよ、明確な目標もなく始まり、ゆきあたりばったりで進んだ「あの戦争」は、負けるべくして負けたといえるかもしれません。

[目次]
第一章 幕末史と日本人
第二章 日露戦争と日本人
第三章 日露戦争後と日本人
第四章 統帥権と日本人
第五章 八紘一宇と日本人
第六章 鬼畜米英と日本人
第七章 戦艦大和と日本人
第八章 特攻隊と日本人
第九章 原子爆弾と日本人
第十章 八月十五日と日本人
第十一章 昭和天皇と日本人
新聞と日本人――長い「あとがき」として


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