2011.07.06

▽『カムイ伝講義』

田中優子『カムイ伝講義』(小学館)

本書は、白土三平の『カムイ伝』に描かれていることを、史実に基づいて検証したもので、歴史や民俗学に関心のある方は、『カムイ伝』とともに一読をお薦めします。

興味深かったのは、江戸時代の農業についてで、当時の農業の生産性を決めるのは「肥料」だったそうです。肥料には、植物由来のもの、動物や魚由来のもの、糞尿由来のものとさまざまなタイプがあり、また、農地の状態を見極めながら適切な肥料をほどこす必要があったそうです。

そのため、農村でも、肥料や農地に関する研究は進んでおり、また、全国各地で生産された肥料の流通網も発達していったそうです。農民自身が、肥料の生産や流通に乗り出したケースもあったようで、土地に縛り付けられた無知な農民といった固定観念とは異なる現実が存在していたようです。


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