2011.07.16

▽東日本大震災の流言・デマを検証する

荻上チキ『検証 東日本大震災の流言・デマ』(光文社新書)

3月11日から、すでに4ヶ月が経過していますが、大震災と原発事故発生当時の様子は、まだまだ生々しい記憶として残っています。

本書は、3.11直後に、主にネットなどで流布された流言やデマを検証したものです。そういえばこんなデマ流れたなあ、と改めて思い起こされます。そして、一つ一つ検証してあって、なかなかの労作と言えそうです。

私自身は、デマに対する警戒心を持ちつつそうした情報に接してきたという自負はあったのですが、正直に言いますと、「放射性物質にヒマワリが効く」(p.120)は、ホントだと思っていました(恥)。

[目次]
序章――なぜ、今、流言研究か
 災害時における「情報」の重要さ
 流言・デマは人を殺す
 流言・デマに応答するということ
 流言とデマの違い
 個人のリテラシーだけに頼らない
 流言ワクチン

1章 注意喚起として広まる流言・デマ
 東日本大震災の流言・デマの特徴
 三時間後に最大の揺れが来る?
 有害物質の雨が降る?
 コスモ石油流言の分析より見えてくるもの
 インサイダーからの密告
 デマの中和の重要さ
 流言中和ラグと流言中和ギャップ
 また出てしまった、外国人犯罪流言
 外国人という「災害弱者」
 「石巻の友人からのSOS」
 強姦が激増?
 埼玉県の水を飲むな?
 東京電力を装った男?
 放射性物質にはうがい薬が効く?
 避難所で子どもが餓死?
 関係者から「東京から家族を逃がせ」と言われた

2章 救援を促すための流言・デマ
 情報ボランティアたちの「災害カーニバル」
 有名人の行動
 ニセのSOS情報
 通報したら怒られた
 関西電力の節電よびかけチェーンメール
 防衛省・自衛隊が救援物資を募集というチェーンメール
 みんなで献血をするべき?
 放射性物質にはヒマワリが効く?
 寄付をよびかけるチェーンメール
 善意(のつもり)の行動に要注意

3章 救援を誇張する流言・デマ
 「ソースロンダリング」の危険性
 オバマの演説?
 「天皇陛下が京都に避難した?」「天皇陛下が立派にも避難要諦を拒んだ?」
 消火に当たった消防隊総括隊長のコメント?
 海外のニュースサイトを経由する流言
 政敵を攻撃するためのデマ
 蓮紡がコンビニ規制を提案?
 辻元清美が自衛隊や米軍に抗議?
 ピースボートが物資横流し?
 日本では物資の空中投下が認められていない?
 「行方不明」の東電職員は、逃亡して酒を飲んでいた?
 節電したのに先月と同額請求?
 被災地から避難した子どもには教科書を配布してはいけない?

4章 流言・デマの悪影響を最小化するために
 海外での日本の著名人死亡説
 海外での原発流言
 日本が地震兵器で攻撃された可能性? ほか
 見えない敵との闘い
 内在的チェックと外在的チェック
 「うわさ屋」と「検証屋」
 検証屋の憂鬱?
 流言拡散を認めない人
 NGワードに注意する
 止める・調べる・注意する
 技術的にうわさを抑制


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