2011.07.09

▽『誰も知らない「名画」の見方』

高階秀爾『誰も知らない「名画」の見方』(小学館101ビジュアル新書)

《ハイライトとして白い点をひとつ、瞳に描き加えることだけで、生命感にあふれた人間の顔を描くことができるということを、フェルメールは発見したのだ。》(p.14)

世界的に有名な画家24人のなにが凄いのか、をコンパクトにまとめたガイドブックです。一人の画家について数ページしか割かれてませんが、なるほどと膝をたたくことしばしば。ビジュアルも豊富で、絵画の知識に乏しい人でも楽しめます。

[目次]
はじめに

第一章 「もっともらしさの秘訣」
 白い点ひとつで生命感を表現したフェルメール
 見る者を引き込むファン・エイクの「仕掛け」
 影だけで奥行きを表したベラスケス

第二章 時代の流れと向き合う
 激動の時代を生き抜いた宮廷画家ゴヤ
 時代に抗った「革新的な農民画家」ミレー
 時代を代弁する告発者ボス

第三章 「代表作」の舞台裏
 いくつもの「代表作」を描いたピカソ
 タヒチでなければ描けなかったゴーガンの「代表作」
 二種類の「代表作」をもつボッティチェリ

第四章 見えないものを描く
 科学者の目で美を見出したレオナルド・ダ・ヴィンチ作
 人を物のように描いたセザンヌの革新的な絵画
 音楽を表現したクリムトの装飾的な絵画

第五章 名演出家としての画家
 依頼主を喜ばせたルーベンスの脚色
 演出した「一瞬」を描いたドガ
 絵画の職人ルノワールの計算

第六章 枠を越えた美の探求者
 女性の「優美な曲線」に魅せられたアングル
 見えない不安を象徴したムンクの「魔性の女性像」
 イギリス絵画の伝統を受け継いだミレイ

第七章 受け継がれるイメージ
 カラヴァッジョのドラマチックな絵画
 働く人々を描いた色彩画家ゴッホ
 西洋絵画の歴史を塗り替えたマネ

第八章 新しい時代を描き出す
 人間味あふれる農民生活を描いたブリューゲル
 新しい女性像を描いたモリゾ
 20世紀絵画の予言者モロー

あとがき
西洋絵画略年表


|

書評2011年」カテゴリの記事