2011.07.07

▽大新聞と停電と共産主義と

魚住昭『渡邉恒雄 メディアと権力』(講談社)

《「電源が爆破されれば、向こう五年間、日本は暗黒になる。そうなれば人民が飢える。人民は飢えたとき初めて利口になる。人民が利口になれば、革命ができる」》(p.50)

読売新聞の渡邉恒雄主筆が、学生時代は、東京大学の共産党細胞に所属した活動家だったことはよく知られている。

昭和二十二年(1947年)元旦に、吉田茂首相は、争議を頻発させる活動家を「不逞の輩」と呼んだ。この吉田政権を打倒するためのゼネストが2月1日決行されることになったが、その前日、渡邉は共産党の幹部から、「変電所のスイッチを切って電源を爆破せよ」と命ぜられた。

さすがにこの戦術に疑念を抱いた渡邉は、共産党と距離を置き始める。その後、東大細胞内の権力闘争に敗れたこともあり、渡邉は、激烈な反共主義者となっていく――。

[目次]
▽大震災と原発と新聞と
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▽『原発・正力・CIA』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/06/cia-d1f5.html


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