2011.07.03

▽明治維新における唯一にして最大の謎とは?

鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫)

えー、最近は、ちょっと明治維新に凝ってるんですが、

▽『幕末史』――攘夷から開国への転換点は?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/06/post-7fe7.html

そこで面白い小説を見つけたので紹介します。

本書は、歴史ミステリー……というよりも、バカミス(おバカなミステリー)に分類される、荒唐無稽さを楽しむミステリーです。

邪馬台国東北説を唱える表題作の『邪馬台国はどこですか?』も面白いのですが、『維新が起きたのはなぜですか?』では、「明治維新における唯一にして最大の謎」が提示されます。それは、

《明治維新があってもなくても、日本の政策には何の変化もないんだよ。》(p.227)

というもの。これには、私も同意します。薩長が、つい尊皇攘夷で騒いでしまったので、そのまま勢いで幕府を倒しちゃっただけのようにも感じられます。この謎に対する著者の答えは、本書で確認してください(笑)。

また、半藤一利の「あの戦争と日本人」も紹介していますが、

▽『あの戦争と日本人』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/06/post-6b6d.html

その第一章で、著者の半藤一利は、小説家の坂口安吾から

《藤原鎌足と中大兄皇子がやったのは「大化の改新」ではなくて、あれは政権奪取のクーデタであったんだ。》(p.18)

という説を聞かされた、という話をしているのですが、本書の『聖徳太子はだれですか?』でも、それに近い(?)説を提示していて、なかなか興味深いです。

歴史ミステリーに関心を持つには、本書くらいぶっとんでいた方がとっつき安いのかもしれませんね。

[目次]
悟りを開いたのはいつですか?
邪馬台国はどこですか?
聖徳太子はだれですか?
謀反の動機はなんですか?
維新が起きたのはなぜですか?
奇跡はどのようになされたのですか?


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