2011.08.03

▽『読みにくい名前はなぜ増えたか』

佐藤稔 『読みにくい名前はなぜ増えたか』(吉川弘文館)

読みにくい名前はなぜ増えたか?

ねぇ……。

これは本当に、知りたいテーマなんですが、本書は、残念ながら、「読みにくい名前はなぜ増えたか?」という問いそのものには、必ずしも明確な答えは出せていません。

しかし、それでも、著者は、読みにくい名前がつけられる要因については、「親の教養、ないしは彼らが属している階層・環境による」(p.184)と結論づけています。

《伝統的な文化にさして違和を覚えず、従来通りの文化を享受することのできる、保守的富裕層と、自分の居場所を模索し、価値観に「個性的」というマークを刻印せずにおれない新興勢力の層とは、分極化が著しい。》(p.184)

しかし、この二つの階層の違いは、都会に限られており、地方では、「富裕な教養層の拒否反応のような意識が観察できない」(p.184)のだそうです。

本書には、たくさんの読みにくい名前が掲載されていますが、この問いは、またまだ研究の余地がありそうです。


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